聖アントニウスの苦悩
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1859年に本作品を見たイギリスの画家・美術史家チャールズ・ロック・イーストレイク卿など一部の愛好家たちはミケランジェロの真筆画として受け入れており、1874年にはパリでミケランジェロの作品として展示されている。トリケティの死後、絵画は娘のブランシェ・ド・トリケティ(Blanche de Triqueti)が相続し、彼女の死後に夫である歴史家エドゥアール・リー・チャイルド(Edouard Lee Childe)によって、20世紀初頭に父トリケティとその弟子である女性彫刻家スーザン・デュラント(英語版)の間に生まれたポール・ハーヴェイ卿(英語版)に贈られた。ハーベイ家で保管されていた絵画は1960年にミケランジェロの作品としてサザビーズに出品されたが購入者は現れなかった[2][4]。それから約半世紀後の2008年7月にドメニコ・ギルランダイオの工房に再帰属され、再びサザビーズに出品されると、アメリカ合衆国の美術商アダム・ウィリアムズ ・ファイン・アート(Adam Williams Fine Art)によって約100万ポンドで落札された。購入者はクリーニングと科学的分析のためにメトロポリタン美術館に貸し出した後、2009年5月に非公開の価格(おそらく600万ドル以上)でキンベル美術館に売却した[2][1][4]。「ミケランジェロの最初の絵画」を入手したという美術館のセンセーショナルな主張は、著名なアメリカの美術史家キース・クリスチャンセン(英語版)やエベレット・ファヒ(英語版)らによって支持された[4]
ギャラリー
ミケランジェロのタブロー画

ミケランジェロのタブロー画は、本作品の他にフィレンツェのウフィツィ美術館所蔵の『聖家族』(La Sacra Famiglia con san Giovannino)、ロンドンのナショナル・ギャラリーに所蔵されている未完成の絵画『聖母子と聖ヨハネと天使たち』と『キリストの埋葬』が知られている。

聖母子と聖ヨハネと天使たち』1494年ごろ ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵

キリストの埋葬』1500年-1501年ごろ ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵

聖家族』1507年ごろ ウフィツィ美術館所蔵

脚注^ a b c d e “Exhibition: Michelangelo’s First Painting, The Torment of Saint Anthony”. キンベル美術館公式サイト. 2023年2月19日閲覧。
^ a b c d e f “The Torment of Saint Anthony, 1487”. キンベル美術館公式サイト. 2023年2月19日閲覧。
^ a b c d e f g h i j k “Conservation: Michelangelo, "The Torment of Saint Anthony"”. キンベル美術館公式サイト. 2023年2月19日閲覧。
^ a b c d e “Michelangelo”. Cavallini to Veronese. 2023年2月19日閲覧。
^ “Saint Anthony Tormented by Demons, Martin Schongauer”. メトロポリタン美術館公式サイト. 2023年2月19日閲覧。


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