考古学
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過去に生きた人々の心の研究(推測や復元)は、検証可能性や実証性を保とうとすることが大変難しい[9]
産業考古学
詳細は「産業考古学」を参照
戦跡考古学
近現代における国内の戦争の痕跡(戦争遺跡)を扱う我が国の近現代考古学の一分野。対象となる戦争遺跡は単に戦闘の跡に留まらず、師団司令部や航空機の墜落跡、掩体壕、水没艦船、防空壕軍需工場、さらには現存する当時の精神的支柱(八紘一宇の塔・忠魂碑)などと、非常に多岐にわたる。1984年に沖縄県の當眞嗣一が提唱した。激戦地であった沖縄では、盛んに調査が行われている[10]。戦跡考古学に対しては、民俗学建築学など様々な方面からのアプローチが可能である。一部では外国の戦跡の研究(中国の虎頭要塞731部隊施設の研究、南洋諸島に点在する旧日本軍の軍事兵器など)も行われている。研究者として、坂誥秀一らがあげられる。
水中考古学海洋考古学
水中にある遺跡や遺物などを調査する考古学。19世紀スイスの杭上家屋跡[注 7]の確認を契機に、フランスのクストーが世界各地の海底遺跡の調査を開始したのが始まりである。日本でも、地すべりで琵琶湖湖底に沈んだ古代の集落や、長崎県鷹島沖の元寇の際の沈没船などの研究が行なわれている。
宇宙考古学(英語版)(衛星考古学)
1972年ランドサット1号が打ち上げられて以来、人工衛星データによる地球観測の技術は、気象、災害、環境、海洋、資源など、さまざまな分野の調査や研究に応用され、これまでに多くの成果をあげてきた。衛星に搭載されるセンサの解像力が高度化し、マイクロ波センサや赤外線により地表の状況がより明確に観測できるようになると、衛星データの応用範囲はさらに多様化し、密林や砂漠の下に埋もれた古代の都市や遺跡の検知なども可能となってきた。この宇宙からの情報技術を考古学研究に応用したのが宇宙考古学である。坂田俊文は、この方法によってエジプトの未知のピラミッドを発見している。なお、疑似科学古代宇宙飛行士説も「宇宙考古学」と称することがあるが、これとは完全に別物である。
環境考古学
文明や歴史を、その自然環境との関係を重視して研究する分野。1980年安田喜憲が提唱した。1999年刊行の『新編高等世界史B』[注 8]には、環境考古学の成果が採用された。2003年に入って、安田以外の研究者による環境考古学と題する本[11]が刊行された。考古遺跡から出土する遺物の中でも、特に動植物遺体などの分析から、当時の食生活や漁獲対象、ひいては周辺の気候・植生を復元する考古学。分析する遺体は、貝殻・獣骨(動物考古学と限定することもある)などの比較的大きなものから、土壌を選別(篩掛け)することによって得られる花粉寄生虫卵などがある。1980年代以降、考古学における理化学研究の進展に伴い提唱された。渡辺誠松井章らによる研究が詳しい。
地震考古学
地震の痕跡を遺跡からさぐる学問。1980年代に寒川旭らの研究者により提唱された新しい研究領域である。
第二考古学
五十嵐彰が提唱する方法論上のカテゴリー。従来の考古学で主流をなしている編年研究、過去についての知識ではなく、考古学独自の思考方法を探ろうという観点に立つ。名称の適切さを含めて批判もあり、研究領域としての認知度は低い。
考古学の方法
データの収集

年代の決定

総合的解釈

考古学の資料

収集するデータは、人類の過去の活動や行為を示す物的証拠を収集すること。具体的には、@人類がある目的を持って製作・加工したもの、A人類によって利用された自然界の物質、B人類の活動や行為によって自然界に生じた変化を示す物的証拠があげられる。

アンモグリフ
(英語版) - 初期の人類によって作られたアート作品が化石化したもの。

考古資料の窃盗(英語版)、盗掘

考古資料取引(英語版)

発掘後の分析(英語版)

考古学の成果
世界の古代文明・先史文化

四大文明

古代エジプト文明

エジプト神話


メソポタミア文明

インダス文明

中国文明

黄河文明

長江文明



メソアメリカ文明

オルメカ文明

テオティワカン

マヤ文明

トルテカ文明

アステカ王国


アンデス文明

チャビン文化

モチェ文化

ナスカ文化

ティワナク文化

ワリ文化

チムー王国

インカ帝国タワンティン・スウユ


日本列島
狭義の日本列島

旧石器時代

縄文時代

弥生時代

邪馬台国


古墳時代

前方後円墳


歴史時代

広義の日本列島

オホーツク文化

大学合同考古学シンポジウム


沖縄県の歴史

グスク


トピック

巨石文化巨石記念物

地層処分 - 考古学から得られた知見を逆方向に活用し、危険物質が埋設されている場所に関する情報を確実に遠未来に遺す方法が研究されている[12]

文化財の保護と活用

学術調査
と緊急調査

文化財保護法

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 米俗称では -ae を -e と綴る。
^ (1827-1901) 組織的な計画と方法、記録を伴う発掘を実施、世界初の実験考古学も試みた。
^ 1853年生、1942年没。エジプト土器編年の体系を樹立した。
^ 理化学的年代測定法・コンピュータと統計学・システム論・生態学の応用
^ a b デンマーク国立博物館に民族学部門を開設したときに三時代区分法を適用したクリスチャン・トムセンが1839年にオランダのライデンにシーボルトを訪ねている。その時、『北欧古代学入門』(独文版1837年)をシーボルトに献呈した可能性もある。佐原真「日本近代考古学の始まるころ ?モールス、シーボルト、佐々木忠二郎資料によせて?」(金関恕・春成秀爾編集『佐原真の仕事1 考古学への案内』岩波書店 2005年)235ページ
^ cognitive science 人間の認知(知的営み)にかかわる学問領域の総称 
^ 1853年?1854年にかけてフェルナンド・ケラーによる調査とその報告、ロバート・マンローによるスコットランドなど「湖上住居」の報告、名高いのは19世紀末のフロリダ州南西部キー・マルコの「杭上住居民」をフランク・カッシングが発掘したハリケーンによって倒壊した集落跡、アーサー・ブライドが1893年から1907年にかけて発掘したグラストンベリー湖の柵杭で囲まれた紀元前200年の集落跡
^ 川北稔ほか帝国書院、時代区分は、1)自然に適応しながら生きていた時代、2)自然環境への挑戦の時代、3)環境問題の出現と社会の調和の時代。


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