義手(ぎしゅ)は、義肢の一種である。
上肢の切断後、機能・外観の再現を目的に装着する義肢で、目的により、装飾用と作業用に分類される。病院で医師の処方・リハビリ計画に基づき、義肢装具士が製作する。
身体障害者福祉法による補装具、または労働災害補償が受けられる。
装着にいたる原因は後天的なケースが多く、労災や交通事故など外傷性によることが多い。実用性がなくとも、とりわけ小指の有無は“縁切り”をさすものとしての一定の偏見があるため、社会が装着を要求するという面もある[注釈 1]。
外装にはシリコーンゴムなどによる仕上げを行うが、基本的に単色であるため、肌の微妙な変化は再現できない。血管の浮き出しや手指特有の色の変化を再現したい場合、つまり本物そっくりにしたい場合は、仕上げを実費負担する必要がある。
義手を装着している架空の有名人物としては、ジェームス・マシュー・バリーの『ピーター・パン』のフック船長がいる。
目的別分類
装飾用義手:外観の再現を目的としたもの
能動式義手:ハーネスなどを用い、身体のほかの部分を活用して任意動作を可能としたもの
作業用義手:特定の作業に特化させたもの
装飾用義手は表面をシリコン素材を中心に仕上げ、外観の保持を目的とする。芯材をいれば、指に表情をつけることもできる。一本だけなら、キャップを填めるようにつけることができる。
能動式義手は樹脂を中心に製作し、反対の肩にまでかかるハーネス(8の字のたすきがけをイメージ)を利用して、ものをつかむ・はなす(把持)動作を再現する。
作業用義手は、目的優先のため、必ずしも人体の形状をしている必要がない。肘関節より遠位の切断であれば、手首をアタッチメント式にして、必要な道具を交換したりすることもある(料理など)。
そのほかに、筋肉の収縮に使用される微弱な神経電流を感知し、つかむ・はなすという把持動作をモーター駆動の部品で再現する筋電義手が存在する。筋電の任意検出ができない人には使えないため、万人向けではない。 義指は指を切断した人が装着する人工の指。.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}
製作部位別分類
指:義指
手:手義手
前腕:前腕義手
上腕:上腕義手
肩:肩義手(肩関節離断用肩義手)
フォークォーター切断用肩義手
義指
義足義足
義足(ぎそく)とは、人工の足のことである。下肢切断者が装着する。
病院で医師の処方・リハビリ計画に基づき、義肢装具士が製作する。下肢の切断後、機能の再現を目的に装着する義肢で、目的により、訓練用・常用・作業用に分類される。
費用については健康保険、身体障害者福祉法による補装具、または労働災害補償が受けられる。
戦争被害を受けた発展途上国では、残された地雷の被害者による義足の需要が増えており、各国の義肢メーカーがボランティア支援を行っている。
構造
インターフェイス 身体との接合ソケット側からみた義足
ソケットの形式は、切断肢の高さ・形状から決定される。身体との接合素材には、綿で作られた断端袋(厚手の靴下のようなイメージ)が用いられてきた。近年では、吸着式と呼ばれる空気の陰圧を用いて直履きするタイプや、シリコーンを用いたものが普及しはじめている。一方、殻構造義足は構造がシンプルでわかりやすいことから、古くからのユーザーには根強い人気がある。
ソケットは、短期においては体調・体重変化、長期においては加齢による肉体の変化により、いずれ不適合となる。とくに切断直後の形状・周径はどんどん変化するため、訓練用義肢は短期間で不適合になるのが一般的で、更生用義足は切断肢の安定を見計らって製作されることになる。 歩行能力を得るための「機能的義足」と、外観を取り戻すための「装飾用義足」とに大別できるが、装飾用は歩行機能がないため、助成対象にはならない。希望者は自費作成することがある。 機能的義足は、「殻構造義足」と「骨格構造義足」の2つに分類できる。骨格構造義足には、ピラミッドアダプターと呼ばれる世界共通の規格がある。交換が容易で、高機能なパーツが多数存在することから、近年主流になっている。 装飾用は歩行機能がないため、助成対象にはならない。
分類
機能的義足
装飾用義足
部位別分類残存関節に対応した各義足
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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