美術史美術館
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中間階に展示されている絵画コレクションは、特にオーストリア・ハプスブルク家が支配した神聖ローマ帝国と歴史的関係の深かったイタリア、フランドル、ドイツのルネサンスバロック絵画の収集が傑出している。このコレクションの礎を築いたのは、ルドルフ2世である。叔父であったスペイン・ハプスブルク家フェリペ2世の宮廷で少年時代を過ごし、スペイン王室の膨大な絵画コレクションに触れたルドルフ2世は、ウィーン神聖ローマ皇帝として即位してから絵画収集に熱心になったのである。さらにウィーン(後にプラハ)のハプスブルク家宮廷に招聘されていたバルトロメウス・スプランヘルアルチンボルドらに数々の作品を描かせた。また17世紀にスペイン・ハプスブルク家領であったネーデルラント総督になったレオポルド・ヴィルヘルム大公は、イタリアとフランドル絵画の大コレクションを作り上げた。中でも大公は、英国王チャールズ1世の処刑後に売りに出されたコレクションのうちヴェネツィア派の名作を手に入れた。

イタリア絵画は、初期ルネサンス期のものは少ないが、盛期ルネサンスマニエリスムバロックの著名な画家の作品を中心に多数の名作が集まっている。『三人の哲学者』などが所蔵されているジョルジョーネを初め、ジョヴァンニ・ベリーニティツィアーノティントレットヴェロネーゼら16世紀ヴェネツィア派の収集は特に名高いが、ほかにもマンテーニャアントネロ・ダ・メッシーナペルジーノラファエロアンドレア・デル・サルトコレッジョパルミジャニーノブロンズィーノアルチンボルドカラヴァッジョジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロベルナルド・ベロットらの傑作が知られている。

美術館は、15世紀から17世紀フランドル絵画の収集でも世界的に知られている。とりわけ12点を数えるピーテル・ブリューゲルの作品数は世界最大であり[1]、『子供の遊戯』、『雪中の狩人』などの傑作が1室に集められている。ルーベンスの作品も約40点あり、世界有数のコレクションとして特筆に値する。そのほか、ヤン・ファン・エイクロヒール・ファン・デル・ウェイデンメムリンクフーゴー・ファン・デル・グースヘールトヘン・トット・シント・ヤンスヒエロニムス・ボスヨアヒム・パティニールアンソニー・ヴァン・ダイクらの数々の傑作・名作がある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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