当初は第1作で終了する予定だったが、1992年12月に急遽第2作『R』の制作が決定し、放送延長が決まった[2][注釈 3]。一時は玩具が売れず、半年で打ち切りが危ぶまれたが、1年目の後半に登場した「ムーン・スティック」がヒットして存続が決まる。さらに社会現象になるほどの大ヒットを遂げたことで続編の制作が決まり、最終的に5作まで続くことになった。これについて佐藤は「最初は(この作品の)会社(東映動画)の期待度がすごく低かったので、これほどヒットして長続きするとは誰も思っていなかった」と話している[3]。第200話(『スターズ』第34話)の放送日には、高輪プリンスホテルに関係者が集まってリアルタイム鑑賞会が行われて終了を祝った[4]。また、その大ヒットゆえに、シリーズの終了はスポーツ新聞で報じられた[5]。
シリーズのアイキャッチは各シリーズごとに新しく制作されるが、シリーズ開始直後のアイキャッチは若干の相違がある。
前半と後半のアイキャッチが同じ(R)47話(48話から後半は別のアイキャッチが流れる)
「S」の色が逆転している(SuperS)90話
SEが無い(スターズ)167 - 172話(173話からはSEが追加される)
原作者である武内直子は、キャラクター・設定・ストーリーの原案や、フィルムコミック「なかよしアニメブックス」の表紙の構図を考案したり[注釈 4]、主題歌・キャラクターソングの作詞、『R』を除く劇場版の原作、ゲーム版の監修・キャラクターデザインなどで本シリーズに携わっているが、作品の方向性などでスタッフとの軋轢があったと言われている。 セーラー戦士の変身シーンのバンクは「メイク・アップ!」という呪文を唱えて化粧をし、光るリボンを全身のシルエットに絡ませてコスチュームに変えていく新体操のようなスタイルで、後継の作品に多大な影響を与えた。これについて、初代SDの佐藤順一が次の2点を証言している[3]。 変身バンク用のBGMは劇伴の有澤孝紀が全て担当し、フルオーケストラの伴奏にキャラクターの名前を繰り返すコーラスを組み合わせている。 変身バンクの絵コンテと演出は、原画として参加した庵野秀明が担当したセーラーウラヌスとセーラーネプチューンを除き、初登場回を演出したアニメーター達がBGMの尺に合わせて描いた。セーラームーン(無印)とセーラーマーキュリーとセーラーちびムーン(S)は佐藤順一、セーラーマーズとセーラージュピターは竹之内和久 シリーズ全5作の平均視聴率は11.6%。最高視聴率は関東エリアでは16.3%(第74話)、関西エリアでは21.7%(第88話)、中部エリアでは19.3%(第123話・第126話)に達し[6]、同時期に放送されていた『たけし・逸見の平成教育委員会』(フジテレビ系列)と互角の人気番組となった。また、その他の裏番組には『まんが日本昔ばなし』(TBS系列)などがあった。 1993年放送の第44回NHK紅白歌合戦の応援合戦では、出演者の森口博子・坂本冬美・西田ひかるがセーラームーン、マーキュリー、マーズのコスプレをして、本シリーズの主題歌「ムーンライト伝説」を歌った。 同時期にアニメ放送された『ドラゴンボール』とセットのイベントが2度、ひらかたパークで1993年の春と1994年の春に行われた。 同性愛がメインテーマの作品というわけではないが、第3作「S」に天王はるか/セーラーウラヌスと海王みちる/セーラーネプチューンが登場した後は、それまで女性の愛好家が主だった百合ファンが男性にまで波及するようになった[7]。 セーラー戦士を演じた声優の三石琴乃・久川綾・富沢美智恵・篠原恵美・深見梨加は、声優ユニット「Peach Hips」を1993年10月11日に結成し、PCエンジン版ゲームの主題歌やアニメのエンディングテーマなどを歌った。アニメと連動したイベントにも出演し、第2期『R』放映中の1993年9月11日・12日にライブイベント「Peach Hips Live」が開催され、、同年12月25日には「セーラームーン & クリスマス」というクリスマスイベントも開催された。
変身シーンについて
この変身バンクは、『超電磁ロボ コン・バトラーV』のロボットの合体シーンをベースにしたものである。
バンクの長さは40秒以上にもなるが、これは、通常のテレビアニメのセルの枚数が1話あたり3000枚であるところ、予算が少なく、「1話内でのセル画の枚数は2,000枚以内」という厳しい条件での制作を強いられたため、必殺技シーンのバンクと合わせて尺の節約を図るためだった。
反響