美女と液体人間
THE H-MAN[出典 1]
公開時の映画ポスター
監督
本多猪四郎(本編)
円谷英二(特撮)
脚本木村武
原作海上日出男
製作田中友幸
出演者
白川由美
佐原健二
平田昭彦
佐藤允
小沢栄太郎
千田是也
音楽佐藤勝
撮影
小泉一(本編)
荒木秀三郎(特撮)
有川貞昌(特撮)
編集平一二
製作会社東宝[出典 2][注釈 1]
配給東宝[6][8][注釈 1]
公開 1958年6月24日[出典 3]
上映時間87分[出典 4][注釈 2]
製作国 日本
言語日本語
次作電送人間
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『美女と液体人間』(びじょとえきたいにんげん)は、1958年(昭和33年)6月24日に公開された日本の特撮映画[11][12]。英題は "The H-Man "。製作、配給は東宝。カラー、東宝スコープ[出典 5]。 「変身人間シリーズ」の1作[出典 6]。タイトル通り、女性の登場するシーンも多く、アダルトな雰囲気も持つ特撮映画である[3]。また、当時流行していた暗黒街映画の影響も受けている[17][3]。液体人間が人間を襲って同族化するという設定は、吸血鬼映画の類型でもある[3]。 本作品における生物は、「強い放射線を浴びると液体状に変化し、液体生物と呼ぶべき別の生物になる」と設定されている。監督の本多猪四郎は、本作品の制作にあたって東海村のJRR-1の見学や、東京大学原子核研究所の理学博士に取材を行うなどし、新生物誕生の可能性に確信を得たという[17]。 劇中で水爆実験の放射能を浴びた日本のマグロ漁船「第二竜神丸」は、当時としてはまだ記憶に新しいビキニ環礁の水爆実験事故「第五福竜丸事件」をヒントにしたものである[出典 7]。 ある雨の晩、不審な2人の男性が日本橋兜町の下水道から現れた。しかし、男性の1人は突如苦しむようなうめき声を上げるとピストルを発砲し始め、着ていた衣服と大量の麻薬を残してその場から忽然と姿を消してしまう。 警視庁の富永は、遺留品から消えた男性の正体がギャングの一員・三崎であることを突き止め、彼らが麻薬密売を目論んでいると推理し、三崎の情婦であるキャバレー「ホムラ」の歌手・新井千加子に接触してきた男性を逮捕する。しかし、男性の正体はギャング関係者ではなく、富永の友人である生物化学を専攻する城東大学助教授・政田だった。政田は突如として消え去った三崎は大量の放射性物質を浴びて「液体人間」と化したのではないかという仮説を立てており、「南方で水爆実験の死の灰を浴びた第二竜神丸の船員が液体人間と化していた」という証言や強い放射線を浴びせたカエルが液体化するという実験結果、永代橋付近で見つかった第二竜神丸の浮き輪などの証拠を提示するが、富永ら捜査陣は証拠不十分だと断じて信じない。そんな中、千加子の周りでは彼女を襲おうとしたギャングが消失するなどの怪事件が起きる。 捜査は行き詰まると思われたが、千加子の証言から「ホムラ」のボーイ・島崎が事件に関係している可能性が浮上したため、警視庁は築地に警官隊を集め、「ホムラ」の一斉摘発に踏み切る。しかし、それと同時期に隅田川から液体人間が上陸し、「ホムラ」の踊り子や刑事、そして島崎が液体化させられてしまう。ようやく事の重大さに気付いた捜査陣は政田や彼の師・真木博士の意見を取り入れ、隅田川付近の下水道にガソリンを流して火を放つことにより、液体人間を全滅させる作戦を実行する。 一方、政田と千加子はいつしか恋愛関係になっていたが、兜町の事件で三崎の相棒だったギャングの一員・内田が千加子を拉致し、彼女を連れて下水道内に隠した麻薬を回収しようと企む。内田は液体人間に襲われて消滅したが、千加子は液体人間とガソリンの炎という二重の脅威に晒される。しかし、政田と富永率いる捜索チームが下水道へ飛び込んだ結果、千加子は無事に救出される。 隅田川沿岸を炎に包み込むほどの猛火により、液体人間は全滅した。だが、真木博士は「もし地球が死の灰に覆われて人類が全滅したとき、次に地球を支配するのは液体人間かもしれない」と語るのだった。 諸元液体人間 水爆実験で飛散した死の灰を浴び、強い放射能の影響で肉体が変質・全細胞が液体化した人間[出典 8]。劇中では人間のみならず、強い放射線を浴びたカエルも細胞が変質して同様の液体生物に液化している[注釈 5]。 一般的な伝承における吸血鬼のごとく他の人間を襲うことにより、犠牲者を溶かして同化させ、自分と同様の液体人間に変える習性を持つ[出典 9]。そのため、物語終盤には液体人間が2体登場した。武器はゲル状に液体化した肉体であり、これに触れた人間は肉体が縮むように溶かされ、液体人間に変えられなければ泡となって消え去ってしまう。また、液体人間は全身が液体で構成されていることから、銃などの武器はまったく効果がなく、普段は下水道に潜み、雨天時には地面に流れる水に交じって移動し、人間の襲撃時に人の姿に凝結する[15][22]。そのため、液体化した肉体で消火できない猛火によって焼き殺すことが唯一の対処法と言われており、最後は下水道にて警察による火炎作戦で焼き尽くされた[15][22]。 真木博士によれば、液体人間には犠牲者の精神活動が少しでも残る可能性があるといい、帰巣本能によって日本へと帰還する[21](これが最初の犠牲者が東京へ戻った理由である)。
概要
あらすじ
液体人間
THE H-MAN[22]
別名溶解生物[23]
身長不明[24][22][注釈 3]
体重不明[24][22][注釈 3]
出身地東京地下の下水道[15][注釈 4]
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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