一方で、明治時代に入ると欧化主義とそれに伴う洋装化の動きが起こり、大正時代の関東大震災後からパーマネントや断髪、口紅を唇全体に塗るなど、従来の美意識と相容れないような西洋式の美容が広まり[20]、欧米の影響を強く受けて、白人に近い顔立ちが美人とされ、白人の特徴であるブロンドや茶髪、大きな眼や碧眼(青い目)、薄い唇、高い鼻、スマートな体型などが憧れの対象となった[21]。
戦後では雑誌やマスメディアを通じて化粧品やメイクに関する情報が広く共有され、白い肌・ムダ毛や毛穴のない美肌のための全身脱毛 [22][23] 容貌については美容外科界隈に基づく美肌・小顔・やや細面・大きな目・二重まぶた・鼻筋は細く程良く高い鼻である。身体的特徴については美白系美肌や妊娠力を示すセックスアピールとしての曲線美[24][25]・細くしなやかな脚線美・女性自身からも支持の高い人気のある160cmを目安とする身長[26]等・要は顔や姿スタイル共に美肌さと端正でメリハリのある引き締まった人相や痩せ型体形など、ファッションモデル産業からの理想像ならびに健康美も合さり基づいた審美観が現代では普及している[21][27]。
また、プリクラや加工アプリなどの画像加工による美の追求も盛んに行われている。その反面、容姿の美醜が従来以上に女性の幸福感を左右するようになり、こうした傾向は摂食障害や美容整形への過度の依存など、身体的・精神的健康をむしばむ新たな問題を抱えている者も中にはいる[28]。
ただ、ここ近年になってより外見だけにとらわれずに女性の「人となり」に焦点を当てて「内面性の美しさ」などが注視されている[29][30]。反対に外見だけが秀でていても内面性がよくないと昨今の「美人」や「美女」としての定義に入らず認知されないケースも当たり前にある。 日本では木花咲耶姫になぞらえて、正真正銘の美人を比喩する際に花が多く用いられる。たとえば、日本の美しくしたたかな女性たちを撫子の花に見立てて大和撫子と称する他、古来より和歌などのさまざまな場面で「花の比喩」が登場する。立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに―小野小町 これは日本の文化(大和民族の文化)における伝統的美意識による発想である。たとえば金田一京助は、アイヌに「お前、桜の花きれいだと思わないか」と訊いたところ「きれいだ」と答えたので、「じゃ美人のときに、花のようだと言ったら」と重ねて問うと、「だって全然違うじゃないか。花はこんな形をしているし、顔とは全然違う」と笑われたと記している[31]。 また、日本や中国では、美人を比喩したことわざ・四字熟語が多数存在 日本国内において、特に美人が多いのは日本海側であるとする主張がある[32][33]。具体的には、秋田美人をはじめ、津軽美人
日本における美人の比喩表現
別嬪 - 詳細は「別嬪」を参照「別品」(特別に良い品)から転じて美しいを表すようになり、のちに美人を表すようになった。
「定評の別嬪さん」「町一番の別嬪さん」
やまとなでしこ-詳細は「やまとなでしこ」を参照容姿端麗で淑やかさと内面性に優れ家庭を大切にする日本の理想の美人像。女性のこと。
名花 - 美人を花でたとえた比喩的表現。周囲から華やかで際立って美しい女性のこと。
「舞踏界の名花」「社交界の名花」
小町 - 平安時代の美人で有名な小野小町の名が由来で、「若く美しいと評判の名高い女性」や未婚女性をいう語。
「ミスグランプリ秋田小町」「評判の小町娘」
シャン - ドイツ語のschon(美しい。の意)から美人をいう語。
「バックシャン」(後ろ姿が美しい女性のこと)
才色兼備(さいしょくけんび) - 知性及び品性と容姿の美しさを併せ持つ女性のこと。
「才色兼備は女性の鑑」「憧れの才色兼備」
マドンナ - 多くの男性からあこがれの対象となる女性。美人。
「クラスのマドンナ」「会社のマドンナ」
傾城(けいせい) - 。君主が政にかまけて国を滅ぼしかねない蠱惑的で絶世の美女。
「傾国の美女」「傾国傾城」
色女 - 魅惑的で妖艶な美女。美人。
「色女の艶姿」「婀娜っぽい色女」
美人には容姿端麗、美男子には眉目秀麗。
美人薄命 - 美人は薄幸であるという意味。佳人薄命、美女薄命ともいう。
手弱女 - しなやかでたおやかな優美な女性。気立ての優しい女性。
八方美人 - どこから見ても美人という意味から、誰からもよく思われようとする人を表す言葉
明眸皓歯 - 杜甫の哀江頭で楊貴妃について書かれた表現
雲鬢花顔・雲鬢花顔金歩揺 - 白楽天の長恨歌で楊貴妃について書かれた表現
朱唇皓歯 - 微笑む女性の口紅と白い歯を表した表現
仙姿玉質 - 仙女の様な優雅な姿と玉のように滑らかな肌を表した表現
日本における美人統計喜多川歌麿の「寛政三美人」
また、本州日本人と遺伝的に異なる沖縄美人は芸能界で多く活躍しており、県民自体も美人の多さを自負している傾向にある[34]。
美人の呼称
美女
別嬪
やまとなでしこ
麗人
傾城
美人薄命
世界三大美人
日本三大美人(秋田美人・京美人・博多美人)
中国四大美人
大正三美人
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 例:原節子・酒井和歌子・吉永小百合・仲間由紀恵・北川景子・黒木メイサ・吉岡里帆など。
出典^ “美人 (読み)びじん”. コトバンク. 2023年10月11日閲覧。
^ 【西村宏堂の“Out of the Box!”#11】ルッキズムには反対。でも美しい人に惹かれるし、見た目は大事──これって矛盾?:telling,(テリング)
^ “ミス・インターナショナル日本代表募集”. Miss International . 2023年5月17日閲覧。
^ “ミスインターナショナル日本大会 応募要件”. BEAUTY PAGEANT MEDIA All Rights Reserved.. 2023年5月17日閲覧。
^ “【雰囲気美人】とはどんな人のこと?見た目・しぐさ・内面から出る美しさの特徴まとめ”. Domani. 2021年5月6日閲覧。