罪悪感
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自己意識感情は他人の意見に依存するのが特徴とされる[2]。罪悪感の本質とは、集団から排除される危険を感じたときに生じる、本能的な生命の危機感の表出である[3]。社会的には罪や不道徳とされる行為でも、その行為が外部の権威や同調者の存在などによって集団内で正当化できる場合には罪悪感が軽減することが、ミルグラム実験などによって明らかとなっている[3]
罪悪感と疾患

反社会性パーソナリティ障害のように罪悪感を抱かない者や、自己愛性パーソナリティ障害のように罪悪感を抱く要素を迂回してしまう者もいる。そういった価値観ないしパーソナリティの場合は当人と社会との良好な関係を築きにくくなる傾向もあり、その社会的立場を危うくしてしまう問題を含む。

逆にうつ病では自己否定に関連して本来は自身に責任の無い事柄にまで罪悪感を抱く場合がある。
罪悪感と社会現象

サバイバーズ・ギルトと呼ばれる現象が報告されている。戦争事故災害などの偶発的な事件に遭いながらも生き残った者が、命を失った者がいるのに自分が生き残ったことに罪悪感を抱き、自分の生を否定的に感じてしまうことがある。一種の精神的な後遺症の一つといえる。

児童虐待では、虐待を行った側が自身の行為に対して罪悪感を抱く場合がある。育児に関するノイローゼでは育児ストレスの最大要因である子供を攻撃してしまい、事後になって自身の行為に罪悪感を抱くとされる[4]

戦争犯罪によって生まれる罪悪感については、ナチス・ドイツと太平洋戦争中の日本人による行為に対して、戦後の2国が、いかに、その過去に立ち向かったかを比較して扱ったイアン・ブルマの著作が、広く知られている[5]
脚注[脚注の使い方]^ デジタル大辞泉「罪悪感」
^ M.Hewstone,etc.,Psychology,BPS Blackwell,2005,page127
^ a b 中野信子、澤田匡人『正しい恨みの晴らし方:科学で読み解くネガティブ感情』<ポプラ新書> ポプラ社 2015年 ISBN 9784591144220 pp.187-188.
^ 『児童虐待』(著:池田由子・中公新書・ISBN 4121008294
^ Ian Buruma,The Wages of Guilt Memories of War in Germany&Japan,1994, イアン・ブルマ、「戦争の記憶 日本人とドイツ人」、1994年、TBSブリタニカ、石井信平 訳

関連項目

劣等感(自身の存在そのものに否定的な感情を抱いている場合)

自尊心(自身に対する肯定感)










感情
感情

崇拝

諦め

驚き

楽しみ

悲しみ

怒り

苦悶

いらだち

不安

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優しさ

軽蔑

満足

敗北

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希望

絶望

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困惑

愛好

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羨望

劣等感

多幸感

興奮

恐怖

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罪悪感

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憎悪

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