編成_(鉄道)
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近畿日本鉄道では、編成番号に相当するものとして、アルファベット1?2文字からなる「電算記号」と、編成中の代表的な車両の番号の下2桁を組み合わせて編成を表している。なお、アルファベットの「I」は数字の「1」と混同しないよう、必ず小文字の「i」を使用する(例:iL「23000系」、Mi「6400系」)[6]。電算記号は近鉄子会社の鉄道事業者(養老鉄道伊賀鉄道四日市あすなろう鉄道)と、近鉄に直通運転を行う阪神電気鉄道大阪市高速電気軌道、および京都市営地下鉄の車両にも付与されている。

類似のものとして、京浜急行電鉄では車両形式の略号が制定され、車両形式と編成によって「8MT」(2000形8両編成)や「8VF」(2代目1000形8両編成の内エアポート快特運用に対応可能の編成)と称している。ただしこれは形式とその編成に対する記号ではあるが、個々の編成に付番されているものではないため厳密には編成番号ではない。なお同社では乗り入れを行っている他者の車両についても「8K」(京成電鉄車両8両編成全形式)、「8T」(都営地下鉄浅草線所属車両8両編成)などが付番されている。また名古屋鉄道でも類似のものが制定されている(例:SR車4両編成車両の運用の場合は「SR4」)。また、同社では京成や東京都交通局(浅草線以外の都営地下鉄各路線を含む)および北総鉄道などと同様に「F」を使わず、「1001編成」などのように「編成」と呼称する。
編成内の車両における記号

国鉄・JR各社では、101系以降の新性能電車や新幹線電車、気動車の各車両について次のような記号を用いて編成を表す場合がある(編成略(サフィックス)記号)。

M -
動力車(走行用の動力が付いている車両。電車・気動車を問わず用いられる。Motor(モーター)から)

D - 気動車(特に電車と気動車を区別する場合に、気動車の走行用エンジンの付いている車両に用いられる。Diesel(ディーゼル)から)

T - 付随車(動力の付いていない車両。電車・気動車を問わず用いられる。Trailer(トレーラー)から)

電車の場合は奇数形式が基本となるため、偶数形式には電動車・付随車を問わず「'」(ダッシュ)を付けて区別する場合が多い。ただし、奇数形式でも(奇数形式の電動車(M車およびMC車)とユニットを組む)主要機器を持たない中間電動車をM'と表記したり、同じ形式でも搭載している機器が異なるため番台分けが行われている場合には、記号に数字を付けて「M1」や「M3」の様に区別することもある。

また、この記号を用いて1編成あたりの動力車と付随車の数(4M2T等)を表したり、1編成あたりの動力車と付随車の比率(MT比あるいはTM比という)を表す場合もある。

これらの記号には、さらにサフィックス(ひとまわり小さい記号)をつけることで詳細を表すことができる。表記は基本的に下記の通りであるが、大文字表記のものでもひとまわり小さく表記しづらい場合には小文字で表記される場合がある。またJR化後車両には、下記の記号に加えて独自の記号を使用している場合もある。

C - 制御車(Control(コントロール)から)

S - グリーン車(Special(スペシャル「特別車両」)から。なお当初はSecond(二等車)から)

N - 寝台車(B寝台車。Night(ナイト)またはNeru(寝る)から。A寝台車(サロネ581形)の場合は「TNS」と表記)

B - ビュッフェ(Buffet(ビュッフェ)から。普通客室との合造車が基本であるためhは付かない)

D - 食堂車(Dining(食堂)から)

K - 売店を設置した車両(在来線車両ではサハ164で、新幹線では新幹線0系電車25形、新幹線200系電車225形400・1400番台で使用された記号。K?saikai / Kiosk(駅構内の売店を意味する鉄道弘済会キヨスク)から。特別客室あるいは普通客室との合造車が基本であるためhは付かない)

Z - 事業用車

P - 郵便車(Post(ポスト)から)

g - 荷物車

h - 普通車(グリーン座席と普通座席の合造車の場合のみ。ha(普通車の記号・ハ)またはhanshitsu(半室)から)

d - 2階建車両(double decker(ダブルデッカー・2階建)から)

H - ハイデッカー(High decker(ハイデッカー)から)

e - 中間電源車(サービス用電源装置を搭載した普通車。electric(エレクトリック・電気)から)

R - 特別車(E655系での御料車に当たる車両。Royal(皇室)から)

F - 一等車(First(一等)から)

O - 運転台撤去車

また、電動車とユニットを組むパンタグラフ付き付随車にA(Alternating Current(交流)から)やp(Pantograph(パンタグラフ)から)を用いる場合もある。
使用の事例

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出典検索?: "編成" 鉄道 ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2020年12月)

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たとえば電車の場合、運転台のある電動車(制御電動車)を 「MC」(クモハ)、動力のない食堂車を「TD」(サシ)、動力のないビュッフェ車を「TB」(サハシ)、運転台のある動力のないグリーン・普通合造車を「ThSC」(クロハ)のように表す。気動車の場合は、動力付きの食堂車を「MD」あるいは「DD」(キシ)、動力のない食堂車を「TD」(キサシ)、動力のないグリーン・普通合造車を「ThS」(キサロハ)のように表す。

これらの記号を用いることで列車の編成表を短縮することができる。

例えば485系・特急「雷鳥」編成の場合、普通に書くとクロ481+モハ485+モハ484+サハ481+モハ485+モハ484+モハ485+モハ484+クハ481

となるが、略号を用いるとTSCMM'TMM'MM'TC

と略せる。

E655系の場合はクモロE654-100+モロE655-200+E655+モロE654-100+モロE655-100+クロE654-100

であるがM'SC1MS2TRM'S1MS1T'SC1

となる。
脚注
注釈
出典^ a b c d e f g h 国松賢四郎「東海道新幹線と電気設備」第84巻第913号、doi:10.11526/ieejjournal1888.84.1465、2019年9月23日閲覧。 
^ 具体例を知りたい方は、「特集・列車編成の記録」『鉄道ピクトリアル』No.514 所収の諸例が参照可能。
^ JRの旅客営業規則第57条の5では、寝台客車に限らず特別急行列車の編成用とした車両を「固定編成車両」と定義している。
^ 宮島三郎「客車運用の話」を参照、所収の例を簡略化して使用。
^ 鉄道コらム鉄道車両の「F」って何? 会社によって異なる呼び方のルールも - 鉄道コム。2023年1月30日発信、同年2月24日閲覧。
^ 『鉄道ファン』(第473号)2000年9月号、54 - 60頁。2000年4月の時点で、在籍する全ての近鉄車両の記号と番号が示されている。

参考文献

鉄道ピクトリアル』「国鉄客車開発記1950」鉄道図書刊行会 2006年(宮島三郎「客車運用の話」p.113-115)。

『京急ダイヤ100年史』鉄道図書刊行会 1999年


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