緒方賢一
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得難いコメディリリーフとして活躍している名バイプレーヤー[23]。演じる役柄は三枚目が多いが、渋い役柄や悪役も演じている。とくにロボットアニメでは悪役を演じることが多い[2]。悪役としての芝居は、子供たちに嫌われる演じ方、悪そうな言い方、気持ち悪い雰囲気の出し方といったことを研究したと語っている[2]三ツ矢雄二テレビ番組に出演した際、「『コン・バトラーV』の全悪役を演じたが、ひとつとして同じ演技がなかった」と発言しているが、本人は「そんなことはなく、ストーリー展開が違うから、ほんの少し演技の命を変えれば別人に聞こえるだけ。登場シーンだけを集め、一度に放映したらみんな同じ」と否定している[2]。それゆえ、多数のアニメ作品を集めた「スーパーロボット大戦シリーズ」の収録は演じた悪役が一挙に登場するため大変で、全部別々に収録してもらったという[2]

デビュー当時は滝口順平が好きで、はじめ緒方は滝口の真似をしていた[22]。おかげで、デビュー後も結構早く名が売れたという[22]

演技をするにあたって「十界論」を念頭に置いており、人の心のありように「地獄界」「餓鬼界」「畜生界」「修羅界」「人界」「天界」「声聞界」「縁覚界」「菩薩界」「仏界」の10の段階があると考えている。慈悲の心は「菩薩界」、悪役を演じるときは「修羅界」や「餓鬼界」のニュアンスを取り込んでいるという。それまでは喜・怒・哀・楽だけを勉強していたため演技にはそれ以上の奥深さがあるのだと知って驚いたという[24]

大空魔竜ガイキング』のハヤミ・ブンタ役は体格の良い二枚目だったが収録中は何度も「もう少し若い感じになりませんか?」って言われて辛かったとのことで、自分ができるのは二枚目半だという[16]
人物像

駄洒落好きで[6]劇団のウェブサイトのプロフィールに「sharesuberi」というミドルネームが与えられており、由来が「ダジャレが…」となっている[25]。旧座長室の名前も「大洒落 小洒落 見ておじゃれ。」で、掲載されている文章もダジャレだらけ[13]。また日本タレント名鑑の2011年版にも特技の欄に「駄洒落」とある。趣味は「戯作」と「戯れ事」。駄洒落好きが高じて、アドリブで駄洒落を入れることがある[15]。駄洒落を言い出したのは子供の頃からで、また父がホトトギス派の俳人だった影響もあってよく俳句を詠んでいたという[24]

思い出に残る出演作品として、『大空魔竜ガイキング』のハヤミ・ブンタと『魔法陣グルグル』のキタキタ親父を挙げている。特にキタキタ親父は自身の劇団やイベントなどでコスプレするほど[26]の熱の入れようだった。また、声優グランプリのインタヴューでもキタキタ親父を挙げており、「我ながらよくあんな役を演じたな」と語っている。それ以外では、『宇宙戦艦ヤマト』のアナライザーは、当初無感情なロボットのキャラクターだったが、徐々に感情を出していくようにしていったところ、ロボットなのに酒は飲むしスカートをめくるようなキャラクターに設定が変わっていったとのこと。『少年徳川家康』では、演じた酒井雅楽助正親の人間性に惹かれ酒井正親について調べたこともあった[15]

ニルスのふしぎな旅』では、共演した千葉繁と共に勝手に台本を書き換えるほどのアドリブを盛り込んでいたというエピソードがある[27]。ただし、しばしば台本にない台詞をアドリブで言う千葉とは違い台詞をそっくり差し替えることはないといい、書かれていることを言いつつ、少し早口で喋ってギャグを突っ込むという。アドリブを入れる場合でも、あくまで役どころを考えて行っているとのこと[28]

思いつきの掛け合い芝居も面白いとは思うが、よほど上手くないとゴチャゴチャしてしまうため、アドリブで準備してきた駄洒落も、リハーサルで受けなかったら引っ込めるとのこと[24]

NHKの人形劇にも多数出演しており、『ざわざわ森のがんこちゃん』のカッパ役での登場シーンに「かっぱ64(8×8=64の意味)」というアドリブを入れたことがきっかけで、掛け算好きという設定になり、アドリブを入れなくとも脚本にギャグを入れられるようになった。『プリンプリン物語』では、昔のNHKでは遊びを入れるのが難しく、ほとんどギャグをやっていなかったが、演じた軍曹の「○○でございますですよ!」という語尾はアドリブで、脚本家の孫がその言い回しを気に入り、当初はアクタ共和国編にしか出演しない予定のキャラクターだったのが、最後まで主人公一行に付き従うレギュラーキャラクターにまでなった[15]

金丸淳一は『つるピカハゲ丸くん』で緒方とギャグの応酬をしており、最初は緒方から「ツッコミが甘い」と言われスタジオに行くのがつらくなった時期もあったがそれを乗り越えてからは楽しくなったといいアドリブもできるようになったという[29]

顔出しで出演した『はじめてのこくご ことばあ!』では、出演する子供たちには自由にやらせ、自身には台本が与えられていた。このため台本通りにやるのが非常に大変で、子供が何をするか予想ができず、子供たちの動きに合わせようとするとオーバーアクションになりカメラの枠からはみ出るなど、苦労させられ勉強になったと語る[15]

趣味はゴルフ。特技は九州弁[8]
交友関係

林原めぐみと親子(またはそれに準ずる関係)役で共演することが多く、林原も「声優界でのお父さん」と慕っている。千葉繁との共演も多く、共にハイテンションな役が多いため「俺たち、よく生きてるな」と笑い合ったことがあるとのこと[15]水田わさび芸名の名付け親でもある[30]
出演

太字はメインキャラクター。
テレビアニメ
1970年


あしたのジョー

1973年


マジンガーZ

1974年


宇宙戦艦ヤマト(1974年 - 1975年、アナライザー藪助治[31]ガンツ 他)

カリメロ(ボビー、カリメロの父)

グレートマジンガー(1974年 - 1975年、暗黒大将軍[32]、ムチャ[33]

ゲッターロボ(1974年 - 1975年、浅太郎[34]、バット将軍[10]、ラドラ[35]、バルキ[35]、サウス[35]、ガロガ[35]、ブライ大帝[35] 他)

昆虫物語 新みなしごハッチ(マイマイカブリ)

魔女っ子メグちゃん(1974年 - 1975年)

1975年


アラビアンナイト シンドバットの冒険(黒油の魔人[36]

一休さん(桔梗屋)


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