緑魔子
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鶴田浩二や高倉健が主演するカラーの任侠映画と梅宮辰夫と緑が主演するモノクロ映画の『夜の青春シリーズ』の二本立ては興行成績が良く[1][2][3]、渡邊監督は評価して好意する[3][4]も、1965年に『夜の青春シリーズ』の『かも』で共演する石橋蓮司と1979年に入籍[1][2][9]する。
東映の専属女優として27作品のプログラムピクチャーに出演[10]するが「私はゴダールやアンナ・カリーナなどのヌーヴェルヴァーグが大好き[1]でも、『夜の青春シリーズ』みたいな映画ばかりやらされて我慢が限界」に至り[1]、「私はこういうのやりたくないです」と岡田に訴えて「そんなことじゃ映画界ではやっていけないから、東映を出て映画館の切符売りにでも何でもなっちまえ」と叱咤されるも「いいです切符売りになります」と返答して1968年に東映を解雇される[1]。当時"第二のマコ"とも評された大原麗子が順調に成長しており、緑の役目は既に終わったと見られていた[3][11]。岡田の東映が制作するプログラムピクチャーは「儲けるためなら芸術性も娯楽性も平然と犠牲にする製作方針で、脱ぐ必要も無いのに、ただもうやたらに脱がせれば良いという卑しさと次元の低さに失望した」と批判する[3]。
実際の東映との契約状況は、1967年4月から1969年3月まで[12]、スケジュールさえ折り合えば他社出演を許すという条件付き専属女優として契約を結んでいた[12]。前記のような理由から二年の間、東映でまともな企画は与えられず、その二年間の東映出演は脇役が2、3本であった[12]。ところが他社、テレビからは、演技力が確かで、ユニークなムードを持ち、納得すれば全裸になることも辞さないなどと評され、引っ張りだこで[12]、出演オファーが殺到した[12]。
以後、増村保造が監督する『大悪党』、森雅之の主演で谷口千吉が監督する『カモとねぎ』、大島渚が監督する『帰って来たヨッパライ』、市川雷蔵が主演する『眠狂四郎 人肌蜘蛛』、山田洋次が監督する『吹けば飛ぶよな男だが』、1969年に『盲獣』[7][13]、など著名な映画監督の作品で著名な俳優らと共演し、自身曰く「人生の充実期」[1]を迎える。
1960年代後半からアングラ的ヌードへ傾倒して1968年にヌード詩集『悪の華』で芸術路線を開拓[3]し、1970年以降は佐藤信主宰で黒テントと俗称される「演劇センター68/71」にも出演[3]する。
1976年に石橋蓮司と共に劇団「第七病棟」を設立し、石橋が演出する唐十郎や山崎哲の作品を、使用を止めた建物を改造した劇場で主演[2]してアングラ演劇のスターとして活躍すると、映画出演は数年に一作品[3]になる。長い同棲生活を経て一人娘の小学校進学を機に1979年に石橋と入籍[2][9]するも、2012年に別居するが不仲ではない[14][15]と離婚は否定している。
1986年、紀伊國屋演劇賞個人賞を舞台「ビニールの城」で受賞する[16]。
今なおマニアックな人気を保つ[17]。
人物
華奢な肢体に大粒な瞳の身体が放つ独特な小悪魔的に甘い声と存在感[7]で1960年代から70年代にかけて個性的な役柄を多く演じ、「小悪魔路線」の加賀まりこと共に人気を博する。「現代の愛の不毛を表現できる女優は彼女以外にはいない」と梅宮辰夫が評価[3]する、「虚ろな表情と倦怠的な雰囲気」は70年代に流行する若者気質の先取[3]として桃井かおりや烏丸せつこら「無気力演技派女優」のルーツ[3]とも評される。
出演作品
テレビドラマ
廃虚の唇(1964年、NET)
国際事件記者(1965年、TBS)
泣いてたまるか 第11話「先輩後輩」(1966年、TBS)
恋人たち 第12話「おせっかいはやめて」(1966年、NET)
ママとおふくろ(1965 ‐ 1966年) ‐ 春山梅
マコ!愛してるゥ(1967年、TBS)
愛妻くん こんばんは 第4話「離婚代理人」(1967年、TBS)
ローンウルフ 一匹狼 第14話「拳銃のバラード」(1968年、NTV)
大奥 第40話「陽気な新参者」?第42話「江戸っ娘 繁昌記」(1968年、KTV) - おゆき
ザ・ガードマン(TBS / 大映テレビ室)
第196話「花嫁の夫は死人」(1969年)
第200話「殺人者に明日はない」(1969年)
第208話「逃亡のアムステルダム」(1969年)
第256話「アムステルダム空港の女」(1970年)
第261話「モロッコの真赤な太陽」(1970年)
第274話「妻の浮気は死を招く」(1970年)
第279話「未亡人に招かれた男」(1970年) - 斉田ユキ
第281話「団地奥さんヌードの悲劇」(1970年)
第295話「女の出世は結婚サ!」(1971年)
第312話「女と男のズッコケ自動車レース」(1971年)
第317話「恋人を殺して姉弟心中」(1971年)
第337話「奥さんがよろめく時殺人が起る」(1971年)
第339話「追い出された花嫁は復讐する」(1971年) - 川辺ユキ
第344話「煙突の上で無理心中したヌードの美女」(1971年)
妻ヲメトラバ(1969年、TBS) - ユキ子
プレイガール(1969年、12ch) - 一條マコ
花は花よめ 第1・第2シリーズ(1971年 - 1973年、NTV) - 千代菊
火曜日の女シリーズ あの子が死んだ朝(1972年、NTV)
木枯し紋次郎 第2シーズン 第4話「地獄を嗤う日光路」(1972年、CX) - お鶴
シークレット部隊 第12話「傷だらけの美女が告白する」(1972年、TBS)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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