緑魔子
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しかし、本人は吉行淳之介との対談で、「高校二年の時に、英語の弁論大会で九州地区で一位になった」「大阪での全国大会では、九州地区で二位だった人が優勝して、あたしはダメだった」と語っている[5]。また、「大学へ進学して英語を活かす仕事に就きたかったが、経済的理由でかなわなかった」[1]とも語る。

家政婦バーホステスなどを経て、女優を目指して[3]本名でNHK演技研究所に在籍[1][2]後、1963年オール東宝ニュータレント3期生(同期に黒部進がいた)として6か月の研修期間を終えて東宝テレビ部に在籍[1]する。文学座俳優がユニット出演[1]する東映映画二匹の牝犬』を監督する渡邊祐介ヒロインを探すためNETテレビへ立ち寄った際、ディレクターの机上で緑の写真を見定めて「求めるイメージに近い」としてカメラテストで主演に抜擢[1]する。小川真由美との共演[6][7]岡田茂が「緑は未だ演技が素人同然」と杞憂する[3]も、先輩俳優の芝居を熱心に学び得た独自の演技力[3]と撮影担当者が「前を隠せ」とバスタオルを投げる[3]ほど大胆にヌードを披露して大ヒット[4]する。芸名は岡田茂が[8]「映画の配役イメージと緑という新鮮な色の魔性を秘めた女」を意味して命名[8]するも、「本名が平凡なのでこの芸名には驚いた」[1]「そのまま本名で出ていたら、全然違った女優になっていたかもしれない」[1]と語る。


1964年に『二匹の牝犬』で初主演デビュー[2]すると強烈な個性[2][3]で同年のブルーリボン賞新人賞を受賞[2]する。鶴田浩二高倉健が主演するカラー任侠映画梅宮辰夫と緑が主演するモノクロ映画の『夜の青春シリーズ』の二本立ては興行成績が良く[1][2][3]、渡邊監督は評価して好意する[3][4]も、1965年に『夜の青春シリーズ』の『かも』で共演する石橋蓮司1979年に入籍[1][2][9]する。

東映の専属女優として27作品のプログラムピクチャーに出演[10]するが「私はゴダールアンナ・カリーナなどのヌーヴェルヴァーグが大好き[1]でも、『夜の青春シリーズ』みたいな映画ばかりやらされて我慢が限界」に至り[1]、「私はこういうのやりたくないです」と岡田に訴えて「そんなことじゃ映画界ではやっていけないから、東映を出て映画館の切符売りにでも何でもなっちまえ」と叱咤されるも「いいです切符売りになります」と返答して1968年に東映を解雇される[1]。当時"第二のマコ"とも評された大原麗子が順調に成長しており、緑の役目は既に終わったと見られていた[3][11]。岡田の東映が制作するプログラムピクチャーは「儲けるためなら芸術性も娯楽性も平然と犠牲にする製作方針で、脱ぐ必要も無いのに、ただもうやたらに脱がせれば良いという卑しさと次元の低さに失望した」と批判する[3]

実際の東映との契約状況は、1967年4月から1969年3月まで[12]、スケジュールさえ折り合えば他社出演を許すという条件付き専属女優として契約を結んでいた[12]。前記のような理由から二年の間、東映でまともな企画は与えられず、その二年間の東映出演は脇役が2、3本であった[12]。ところが他社、テレビからは、演技力が確かで、ユニークなムードを持ち、納得すれば全裸になることも辞さないなどと評され、引っ張りだこで[12]、出演オファーが殺到した[12]


以後、増村保造が監督する『大悪党』、森雅之の主演で谷口千吉が監督する『カモとねぎ』、大島渚が監督する『帰って来たヨッパライ』、市川雷蔵が主演する『眠狂四郎 人肌蜘蛛』、山田洋次が監督する『吹けば飛ぶよな男だが』、1969年に『盲獣[7][13]、など著名な映画監督の作品で著名な俳優らと共演し、自身曰く「人生の充実期」[1]を迎える。


1960年代後半からアングラヌードへ傾倒して1968年にヌード詩集『悪の華』で芸術路線を開拓[3]し、1970年以降は佐藤信主宰で黒テントと俗称される「演劇センター68/71」にも出演[3]する。


1976年石橋蓮司と共に劇団「第七病棟」を設立し、石橋が演出する唐十郎山崎哲の作品を、使用を止めた建物を改造した劇場で主演[2]してアングラ演劇のスターとして活躍すると、映画出演は数年に一作品[3]になる。長い同棲生活を経て一人娘の小学校進学を機に1979年に石橋と入籍[2][9]するも、2012年に別居するが不仲ではない[14][15]と離婚は否定している。


1986年、紀伊國屋演劇賞個人賞を舞台「ビニールの城」で受賞する[16]


今なおマニアックな人気を保つ[17]

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