妊娠中絶手術を極秘裏に行っていた産科医アート・リーが逮捕された。妊娠4ヶ月だった16歳の少女カレン・ランドールが中絶手術の失敗による出血多量で死亡し、アートが名指しされたのだった。しかしアートは、カレンには中絶手術を行っていないし、そもそも妊娠4ヶ月だったら危険なので中絶はしないと言う。アートの無実を信じる病理医ジョン・ベリーは、彼を救うために情報収集を始める。
ベリーは、カレンが麻薬常用者だったこと、妊娠は妄想で実際には妊娠していなかったこと、カレンは過去にも3回中絶を行っていたことをつきとめる。アートの弁護士は過去にカレンに中絶を行っていた彼女の叔父が真犯人であると考えるが、ベリーは彼が妊娠を確認せずに中絶を行うことは同じ医師として考えられないと主張する。
そしてベリーは、中絶を行った真犯人を見つけて二人を無実の罪から救うべく奔走することになる。 1972年、『殺しのカルテ』(原題『The Carey Treatment』)として、ブレイク・エドワーズ監督により映画化。主演はジェームズ・コバーン、ジェニファー・オニール。コバーンの役名はピーター・キャリーと変更されている。
登場人物
ジョン・ベリー - 病理医。アートの無実を信じ調査を始める。
アート・リー - 産科医。妊娠中絶の疑いで逮捕される。
映画化
関連項目
ボストン
大沢在昌(文庫版の解説を担当)
脚注・出典^ 『緊急の場合は』(清水俊二訳、ハヤカワ文庫、1993年(第9刷以降))序文より。この序文は1993年、アメリカでの再刊時に著者が寄稿したもの。
^ 『緊急の場合は』(清水俊二訳、ハヤカワ文庫、1993年)編集部付記より。