統合失調症
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現在の統合失調症の定義は妄想・幻覚といったヒト特有の高次脳機能(心理症候)[注釈 1]に全て依存している[25]

1899年、エミール・クレペリンは、感情の欠如、奇妙な歩行、筋痙攣(きんけいれん)などを呈し、痴呆[注釈 2]へと至る患者を「早発性痴呆」と記述した[26]

1908年、オイゲン・ブロイラーが「schizophrenia」と名付けた[26]

1917年、コンスタンチン・フォン・エコノモ(英語版)が「嗜眠性脳炎」を記述し、「schizophrenia」から「嗜眠性脳炎」が除外された[26]

1920年代〜30年代、精神医学の教科書の記述が変化した[26]。従来の身体症状が全て削除され、幻覚、妄想などの精神症状が残った[26]

1937年、日本精神神経学会は、同学会における用語を「精神分裂病」とした[7]

1968年、DSM-IIの前文は「最善は尽くしましたが、(アメリカ精神医学会の)委員会はこの障害について合意を得ることができませんでした。合意できたのは診断名だけです[注釈 3]」としている[注釈 4][27][28]

1980年、DSM-IIIは「精神分裂病の概念の範囲は曖昧です[注釈 5]」としている[注釈 6][29][30]。また、精神障害の基本概念に関して、「精神分裂病患者 (a schizophrenic) 」という人間を分類する表現は誤解を招くため、「精神分裂病を有する人 (an individual with Schizophrenia) 」というぎこちないがより正確な表現を採用すると説明している[31]DSM-III-R(1987年)、DSM-IV(1994年)、DSM-IV-TR(2000年)にも同様の説明がある[31][32][33][34]。精神分裂病患者 (schizophrenics) が存在するのではなく、精神分裂病 (schizophrenic disorder) の診断基準を満たす症状を有する人々がいるだけである[33][34][35]

1987年、DSM-III-Rは「精神分裂病に限っては、単一の特徴をいつも示さなかったり、生じないことに注意すべきです[注釈 7]」としている[注釈 8][29][30]

1988年、ニューヨーク州立大学のトーマス・サズ(英語版)博士は「精神分裂病はとても曖昧に定義されています。実のところ、話し手にとって気に入らない行動のほとんど全てにしばしば適用される用語です[注釈 9]」と述べている[36]

1990年、メアリー・ボイル(英語版)は、精神分裂病の指示対象について、「徐々に変化し、この診断名が最終的には、クレペリンの症状と表面的にもほとんど類似点がない集団に適用されるようになった[注釈 10]」と述べている[26]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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