統合失調症
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統合失調症の患者の中には、こうした強迫性障害[注釈 14]を発病当初から慢性的に同時に併せ持つ型の人もいるとされる。

作為体験:自分が外部の力によって考えさせられたり、支配されたりするように感じる[48]

離人症

行動や思考の変化

行動が無秩序かつ予測不可能となる[43]

興奮:妄想などにより有頂天になっている[43]。意味もなく叫ぶ[43]。また自分が神か神に近きものまたは天才と思い一種の極限状況にある場合もある。

昏迷:意識障害なしに何の言動もなく、外部からの刺激や要求にさえ反応しない状態。表情や姿態が冷たく硬質な上、周囲との接触を拒絶反抗的であったり(拒絶症)、終始無言であったり(無言症)、不自然な同じ姿勢をいつまでも続ける(常同姿態〈カタレプシー〉)[49]

拒食

陰性症状

陰性症状 (Negative symptoms) とは、エネルギーの低下からおこる症状で、おおよそ消耗期に生じる。無表情、感情的アパシー、活動低下、会話の鈍化、社会的ひきこもり自傷行為などがある[8][43][50]

陰性症状は、初回発症エピソードから数年以上継続しうる[43]。患者はこれらの陰性エピソードのために、家族や友人との関係にトラブルを招きやすい[43]
感情の障害

感情鈍麻:感情が平板化し、外部に現れない。

疎通性の障害:他人との心の通じあいがない。

カタレプシー:受動的にとらされた姿勢をとりつづける。

緘黙:まったく口をきかない。

拒絶:面会を拒否する。

自閉:自己の内界に閉じ込もる。

思考の障害

常同的思考:無意味な思考にこだわり続けている。興味の対象が少数に限定されている。

抽象的思考の困難:物事を分類したり一般化することが困難である。問題解決においてかたくなで自己中心的となる。

意志・欲望の障害

自発性の低下:自分ひとりでは何もしようとせず、家事や身の回りのことにも自発性がない。

意欲低下:頭ではわかっていても行動に移せず、行動に移しても長続きしない。

無関心:世の中のこと、家族や友人のことなどにも無関心でよく知らない。

引きこもり:外出意欲が低下する
[43]

その他の症状

認知機能障害:統合失調症の中核をなす基礎的な障害である。クレペリンやブロイラーなどの当該疾患の定義の時代(1900年ごろ)より、統合失調症に特異的な症状群として最も注目されていた。認知機能とは、記憶力・集中力注意などの基本的な知的能力から、計画・思考・判断・実行・問題解決などの複雑な知的能力をいう。認知機能が障害されるため、社会活動全般に支障を来たす。疾患概念より障害概念に近いものとして理解されている。この障害ゆえに、作業能力の低下、臨機応変な対処の困難、経験に基づく問題解決の困難、新しい環境に慣れにくいことがあり、また、発達障害患者の代表的な症状の一つとされるディスレクシア(読字障害、難読症)と似ている。判断力・理解力・注意力の低下・散漫さから、本・文章・文字を理解して目で追って黙読したり、記憶・暗記したりすることが困難になる。しばしば、読書が普通にできない。本・文章・文字を読んだ時に、そこに書かれている内容が一見し、ちらりと目で認知はできるが、本を読んでも全く頭に内容が入ってこない。味わい咀嚼しながら理解・認識ができないなどと訴えるなど、社会生活上多くの困難を伴い、長期のリハビリテーションが必要となる。統合失調症が、慢性の脳細胞の機能性疾患・障害であると言われるのはこのためである。

感情の障害:不安感、緊張感、焦燥感、挑戦的行動[51]が生じる。自分には解決するのが非常に難しい問題が沢山あるなどの理由から、抑うつ、不安になっていることもある。抑うつは現状、将来を悲観するという場合や病名から来る自分のイメージ、他者である健常者や同じ心の病を持つ者との比較からくる場合がある。一般的に、統合失調症の患者の中には、理性および感情面で、敏感と鈍感の共存状態に陥る例が多く認められると言われる。何でもできる気分になる、万能感がある、お金遣いが荒くなる、睡眠時間が少なくなる、躁状態になることがある。

不眠:統合失調症では83%が不眠症状をきたし、再発の兆候として最も見られる症状である[52]


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