統合失調症を患った著名人は少なくなく、ドイツの物理学者、アルベルト・アインシュタインの二男エドゥアルト・アインシュタインや、イギリスの数学者・哲学者、バートランド・ラッセルの多くの家族・親類(叔父、叔母、息子、孫娘)、アイルランドの小説家・詩人、ジェイムズ・ジョイスの娘ルチアなども統合失調症を患ったため、病跡学の研究対象となっている[232][238]。 統合失調症は精神保健福祉法の対象となる精神障害者である[240]。統合失調症者で症状が安定し、就労可能な場合は障害者雇用促進法の対象となる[241]。統合失調症は日本の刑法における心神喪失者、心神耗弱者の要因である精神の障害に含まれる[242]。もっとも、日本の刑事裁判においてはうつ病という精神医学的診断(疾病診断)によって直ちに責任能力の有無が決められるものではなく、更に個々の事例における精神の障害の質や程度を判断し、その精神の障害と行為との関係についての考察に基づいて責任能力が判断されることになっている[243]。そのため、医学的に統合失調症と診断されたとしても、それによって直ちに刑責が軽減されるわけではない。統合失調症者は医療観察法による入院対象者になりうる[244]。精神障害者に対する差別や虐待は障害者差別解消法および障害者虐待防止法で禁止されている[245][246]。障害者手帳や障害年金の統合失調症の障害認定では、障害の状態に応じて1から3の等級がある[247][248]。患者の申請によって、障害者総合支援法の自立支援医療(精神通院医療)が受けられる[249]。長期間の治療に対する医療費の自己負担軽減策として、国民健康保険の3割負担に加えて、公費負担医療による医療費減額が受けられる。統合失調症など精神上の障害により判断の能力が低下した人を支援する成年後見制度がある[250]。日本の民法おいて重度の統合失調症で意思疎通が取れない場合は離婚事由となる[251]。統合失調症を含む精神障害はいくつかの資格免許において相対的欠格事由となっている[252]。 2017年の国内の統合失調症関連の年間の医療費は男性が4602億円、女性が4869億円であり、年齢別では0歳から14歳が10億円、15歳から44歳が1703億円、45歳から64歳が3713億円、65歳以上が4045億円であった[253]。2008年の調査によると日本における統合失調症の社会的コストは約2兆7700億円、約7割が間接費用と推定されている[254]。アメリカ合衆国の統合失調症関連の経済的負担額は少なくとも600億ドルと見積もられている[255]。 統合失調症の一日当たりの一般医療費は入院が13,745円、入院外が9,206円となっている[256][257][注釈 41]。 5月24日は「世界統合失調症デー」と定められている[258]。
統合失調症が描かれている作品
アデルの恋の物語 - 『レ・ミゼラブル』などで知られるフランスの文豪、ヴィクトル・ユーゴーの二女アデルは統合失調症を患い、後に半生が映画化された。
ビューティフル・マインド - ノーベル経済学賞受賞の数学者、ジョン・ナッシュの半生を描く物語[239]。
『逃走論 ― スキゾ・キッズの冒険』(浅田彰)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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