統合失調症
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患者の処遇の一つで自宅の一室などに専用の部屋を確保して患者を監置[注釈 40]するものであるが、1950年(昭和25年)の精神衛生法施行にて禁止された。
社会的側面など
統合失調症患者だった著名人・著名事件犯
日本人


夏目漱石 - 小説家である。精神科医の呉秀三博士に妄想性痴呆(妄想型統合失調症)と診断された[222]。エピソードとして「恋愛妄想」があり、病院で出会った女性が自分との結婚を熱望しているという妄想だが、実際にそうした事実はなかった[223]

高村智恵子 - 画家である。彫刻家詩人である高村光太郎の妻である。46歳の時に統合失調症の最初の兆候が現れた[224]

草間彌生 - 芸術家である。少女時代に統合失調症を患い、幻覚や幻聴の症状から逃れるために絵を描き始めた[225]

ハウス加賀谷 - お笑いコンビ「松本ハウス」のメンバーである。著書『統合失調症がやってきた』の中で明らかにし、以後も罹患者としての体験をテレビ番組などで語っている[226]

山田花子 - ガロで活躍した漫画家である。1992年3月統合失調症と診断される。2ヵ月半の入院生活を経て5月23日に退院するが、翌24日の夕刻、団地11階から投身自殺した。24歳没。死後に、彼女の闘病中の日記を、遺族が出版している。

日本人以外エドヴァルド・ムンクの代表作『叫び


エドヴァルド・ムンク - ノルウェーの画家である。代表作『叫び』は統合失調症の前駆期の影響による世界没落体験と幻聴を絵にしたものであるとされている[227][228]
統合失調症を患った後のルイス・ウェインの作品

ルイス・ウェイン - イギリスの画家である。晩年の統合失調症発症後の作品で有名。もともとは、猫の画家として人気のあった職業画家であった。

フィンセント・ファン・ゴッホ - オランダの画家である。発作などの症状については、数多くの仮説のうち、統合失調症であるとする説とてんかんであるとする説が有力である[229][230]

カミーユ・クローデル - フランスの彫刻家である。40代後半に統合失調症を発症した[231]

フリードリヒ・ヘルダーリン - ドイツの詩人である。発病直前の時期にも作品を残しており、両価性に引き裂かれる思考の乱れが見られる[232]

アイザック・ニュートン - イギリスの物理学者である。30歳前後と50歳前後に、妄想型の統合失調症を患ったとする説を精神科医の福島章が述べている[233]

ゲオルク・カントール - ドイツで活躍した数学者である。後年に統合失調症を発症した[232]

ジョン・ナッシュ - アメリカ合衆国の数学者である。1994年のノーベル経済学賞受賞者である。1959年から1980年代の後半まで統合失調症を患うが、1990年代には寛解した[234]。ノーベル賞の受賞理由であるゲーム理論経済学への応用は発症以前に挙げた功績であるが、発症後も数学の研究は続けた。

バディ・ボールデン - アメリカ合衆国のコルネット奏者である。統合失調症の影響によりジャズ音楽のルーツを創ったと考えられている[235]

ダニー・ハサウェイ - アメリカ合衆国のソウルミュージック歌手である。20代後半で妄想型統合失調症と診断され、その後33歳で自殺した。

アントナン・アルトー - フランスの舞踏家である。統合失調症を発症し[232]、精神病院に9年間収容された。

著名事件犯


大阪此花区パチンコ店放火殺人事件 - 犯人は統合失調症であったが、死刑判決が確定した[236]

京都アニメーション放火殺人事件 - 犯人は下着泥棒と女性への暴行事件で有罪判決を受け、30代でコンビニ強盗で実刑判決を受けた際の刑務所で統合失調症と診断されていた[237]

病跡学との関係

統合失調症を患った著名人は少なくなく、ドイツの物理学者、アルベルト・アインシュタインの二男エドゥアルト・アインシュタインや、イギリスの数学者・哲学者バートランド・ラッセルの多くの家族・親類(叔父、叔母、息子、孫娘)、アイルランドの小説家・詩人、ジェイムズ・ジョイスの娘ルチアなども統合失調症を患ったため、病跡学の研究対象となっている[232][238]
統合失調症が描かれている作品

アデルの恋の物語 - 『レ・ミゼラブル』などで知られるフランスの文豪、ヴィクトル・ユーゴーの二女アデルは統合失調症を患い、後に半生が映画化された。

ビューティフル・マインド - ノーベル経済学賞受賞の数学者、ジョン・ナッシュの半生を描く物語[239]

『逃走論 ― スキゾ・キッズの冒険』(浅田彰

法律

統合失調症は精神保健福祉法の対象となる精神障害者である[240]。統合失調症者で症状が安定し、就労可能な場合は障害者雇用促進法の対象となる[241]。統合失調症は日本の刑法における心神喪失者、心神耗弱者の要因である精神の障害に含まれる[242]。もっとも、日本の刑事裁判においてはうつ病という精神医学的診断(疾病診断)によって直ちに責任能力の有無が決められるものではなく、更に個々の事例における精神の障害の質や程度を判断し、その精神の障害と行為との関係についての考察に基づいて責任能力が判断されることになっている[243]。そのため、医学的に統合失調症と診断されたとしても、それによって直ちに刑責が軽減されるわけではない。


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