先進的な医療、研究事例として統合失調症の判別に光トポグラフィー、脳SPECTなどの装置による画像診断をおこなうことがある[93][94][95]。 以下の疾患を除外する[81]。 前述におけるプレパルス抑制およびびっくり病、さらには糖尿病や低血糖症と差異を見出さなければならない。抗NMDA受容体抗体脳炎も2007年に提唱された比較的新しく発見された疾患であるが、NMDA受容体機能低下による統合失調症と共通病態と考えられるため、鑑別が必要である[97]。 薬物誘発性精神病の症状は、統合失調症の症状に酷似しており、熟練した精神科医でも鑑別は困難とされる[98]。症状は同様であるが、薬物誘発性精神病は後天性で、統合失調症は遺伝性であるという点で異なる[98]。薬物誘発性精神病と統合失調症の区別は曖昧なため、薬物誘発性精神病モデルは、統合失調症モデルとして研究で頻用されているが、これが動物モデルとして理想的であるかは決定されていない[98]。つまり、1.幻覚など陽性症状、2.平坦な感情など陰性症状、3.混乱した言語や非論理的という認知症状の3種類の症状が統合失調症に特徴的であるが、アンフェタミンに誘発された精神病症状は陰性症状を明らかに誘発しないなど不完全であり、発症機序に関して別々であることは明らかである[98]。DSM-5においては、薬物誘発性精神病は統合失調症と区別されており、統合失調症と異なり使用をやめると症状はおさまるものだと定義されている(精神刺激薬精神病#鑑別診断も参照)。 発達障害の自閉症スペクトラム障害 (ASD) と間違われやすい精神疾患・障害であり、見分け方かつ正反対な点としては、他者の目線を気にするか否かの点がある[99]。ASDの場合は先天性で非進行性の疾患・障害であり、自分がどう見られているか、どう思われるかを全く気にしない[99]。 統合失調症の確定診断は、そもそも難しい。統合失調症の性質、精神医療現場の環境が原因となって、他の精神疾患や発達障害との誤診が起きる可能性がある意見や報道もある[100]。誤診されやすいものとしては双極性障害、統合失調感情障害、強迫性障害、びっくり病、ナルコレプシーにおけるカタプレキシーやアスペルガー症候群が挙げられる。特に双極性障害は、統合失調症と遺伝子的スペクトラムをなすという仮説もあり、しばしば幻聴やてんかんを伴う。 児童精神科医は約200人ほどしかおらず[101]、児童精神医学は専門外の場合がある。
鑑別疾患
てんかん
中枢神経系腫 (特に前頭葉・大脳辺縁系)
中枢神経系外傷
中枢神経系感染(特にマラリアや他の寄生虫性疾患、神経梅毒、ヘルペス脳炎)
脳血管発作
そのほかの中枢神経系疾患(白質萎縮、ハンチントン病、ウィルソン病、全身性エリテマトーデスなど)
急性一過性の精神病
情動障害
妄想性障害
統合失調感情障害、気分障害
物質乱用、投薬による症状、一般身体疾患
広汎性発達障害[注釈 19]
診断の問題点