有病者の人数は、世界では2300万人ほどで[10]、日本では71万3千人の患者がいると推計されている[11]。成人の年間有病率は0.1から7.5%、生涯有病率は0.1から1.8%と世界保健機関(WHO)は報告している[12]。患者の死亡率は、一般人口より2.0から2.5倍ほど高く[1][13]、世界の障害調整生命年(DALY)のうち約1%を占める[14]。
精神疾患として深刻なもの (Severe mental disorder) とされるが、治療が可能な病気である(具体的な治療法については「#治療」を参照)。しかし患者の2人に1人は、医師の受診につながっていない[1]。この疾患の担当診療科は精神科であり[15]、精神科医が治療に当たる。
罹患者の90%は低所得国および中所得国に居住している[16]。世界保健機関は、低所得国および中所得国を対象とした計画である世界精神保健アクションプログラム (mhGAP) [17][18]を策定し、クリニカルパスおよび診療ガイドラインを作成、公開している[1][19]。 「統合失調症スペクトラム障害」[20]、または「統合失調症スペクトラム」[21]、「統合失調スペクトラム」[22]とは、「統合失調症およびそれに連続する障害や病気のまとまり」を指す医学用語[21]。DSM-5(『精神障害の診断と統計マニュアル』第5版)で定義された診断基準である[21]。 統合失調症スペクトラム障害の中心は、次の5つの症状である[6]。 現れた症状の数や重症度によって、診断名が次のように決まる[6]。 大分類
統合失調症スペクトラム障害
「妄想」[21]
「幻覚」[21]
「思考障害」[21]
「まとまりのない行動」[21]
「陰性症状」[21]
(上位診断名)小分類
(下位診断名)症状期間
統合失調症スペクトラム障害統合失調症5症状のうち2つ以上が現れており、かつ、それらのうち最低1つは妄想・幻覚・思考障害のどれか6か月以上
統合失調感情障害統合失調症と共に、うつ病や躁病が現れる(※事例としては少ない)(特に無し)
統合失調症様障害5症状のうち2つ以上が現れている1か月以上6か月未満
短期精神病性障害陰性症状を除いた4症状のうち1つ以上が現れている1日以上1か月未満
妄想性障害妄想だけが現れている1か月以上
統合失調型パーソナリティ障害(STPD)対人関係での苦手さ、風変わりな行動など成人期になるまで徐々に