給湯器
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日本国外で用いられているものは、消費電力が8.5kWから11kWないしそれ以上で、200Vから240Vを使用する。主にバスルームのシャワーに使われる。

現在住宅用に日本で用いられているガス瞬間式は比較的小型であっても能力が16号あり、これは効率を無視しても27.8kW必要で、これを電気瞬間式で実現するには電気設備の容量面で困難が大きい。故に手洗い用等、特に貯蔵の必要のないものであっても小さな出力で十分な量を出湯させるために貯湯式が用いられる場合が多い。

ただし、小型で構造が簡単、熱効率は非常に優秀である。高圧・特別高圧の電気契約の工場・ホテル・病院等でその利用価値が大きい。
自然冷媒ヒートポンプ給湯器 エコキュート詳細は「エコキュート」を参照

自然冷媒(CO2)を用いた熱交換式の電気給湯器で「エコキュート」と呼ばれている。「エコキュート」の名称は電力会社・給湯器メーカーが自然冷媒ヒートポンプ給湯器を総称する愛称として使用している(登録商標の権利としては関西電力が保持・管理している)。よって、自然冷媒を用いないHFCヒートポンプ給湯器は「エコキュート」とは呼ばれない。2001年5月にデンソー電力中央研究所、東京電力の3者で共同開発され、コロナが発売を開始した。構造はエアコンと同じ原理で大気の熱を冷媒に移し、その熱で湯を沸かす。

燃焼式、電気温水器と異なり大気の熱を移動する仕組みのため、投入エネルギーよりも多くの熱エネルギーを利用することができる。

CO2排出抑制の手段として注目されており、機種によっては政府[6]の補助金が得られるものもあったが、補助金は2010年度に終了した。加熱能力は業務用10馬力のもので約28kW。

長所

電気温水器よりランニングコストが安い。

イニシャルコストに対し導入補助金制度がある。

温水床暖房浴室暖房乾燥もできる多機能型もある。


短所

非常に大型となる上、貯湯タンクの他にヒートポンプユニットの設置場所が必要で一般家庭には不向きである。

冷媒にCO2を使用しているため、ヒートポンプの現場修理が不可能。

湯沸かし時にヒートポンプユニットから、運転音がする(約38 - 40db)。

寒冷地向きではない。一部地域では使用不能。

イニシャルコストが高い。

貯湯式のため、湯は飲用に適さない(貯湯タンクの湯熱と熱交換を行う瞬間湯沸かし式は問題ない)。

ヒートポンプユニットの寿命は約10年。


ヒートポンプ給湯器 ほっとパワーエコ

エアコンと同じR410A冷媒を用いたヒートポンプで湯を沸かす電気給湯器で東芝キヤリア[1]が製造している。冷媒にCO2を使用していないためエコキュートの補助金制度は使えないが、ヒートポンプユニットはエアコンと部品を共通化しているため、現場での修理対応が可能というメリットがある。寒冷地向けに電熱ヒーターを内蔵しているもの等、東芝独自のラインアップがある。

長所

エコキュートと同等程度のランニングコストと性能。

エコキュートと違って冷媒にR410Aを使用しているためヒートポンプの現場修理可能、修理費は安価で短時間。通常のエアコンと同様でメンテナンス性に優れている。

値段は、補助金制度を使ったエコキュートとほぼ同様。


短所

エコキュートよりも湯沸かし時の運転音がわずかに大きい(約40db)。


ヒートポンプ給湯器

1980年代から1990年代松下電器産業が発売していたもの[注 3]。東芝の「ほっとパワーエコ」の冷媒を変えたもの。[要出典]
ガス給湯器
能力(号数)

日本においては、ガス給湯器の能力を示す単位として「号数」という用語が使われている。号数の値は水温+25°Cのお湯を1分間に出せる量(リットル)を示す[7]。例えば「24号」は、水温+25°Cのお湯を1分間に24リットル出せる給湯器の能力である。
ガス小型瞬間湯沸器元止め式ガス小型瞬間湯沸器

台所やその付近の室内に設置される小型の給湯器。元止め式と先止め式がある。

元止め式とは本体から直接伸びたシャワー口を含む給湯配管により給湯する方式で、先止め式とは本体と給湯を必要とする場所が離れた別体型の蛇口(混合水栓)を含む給湯配管を施工し、蛇口の開閉時による水圧変化により制御し給湯する方式である。

長所

ガス(都市ガスプロパンガス)と上水道を接続すればすぐ稼働でき、手軽で必要な時に必要な分だけ湯を得ることができる。

給湯配管のない古い建物でも大規模なリフォーム工事なしに使用できる。

動作用電源は電池なので停電時でも(ガス供給停止と断水がなければ)問題なく使える。

特に家庭用に用いられる元止め式は給湯が必要な場所にのみ設置される方式であるため、湯待ち時間が無く、少量を頻繁に使用する場合は配管からの熱損失が存在しないため、経済的となる場合がある。


短所

室内に燃焼排気を放出する開放型と呼ばれる方式のため、能力が低いものに限定され湯量が少ない。

使用時には室内に燃焼排気ガス(二酸化炭素等)が直接放出されるため、換気不足が続くと不完全燃焼が起こり一酸化炭素中毒を起こす可能性がある。そのため十分な換気を必要とする。かなり古いものでなければ不完全燃焼防止の安全装置はついているものの、1980年代の旧式器具では安全装置の故障や着火不良による爆発燃焼を起こしやすい。

2006年に発覚したパロマ湯沸器死亡事故により、メーカーを問わず小型瞬間湯沸器の経年使用の危うさがクローズアップされるようになり、7 - 10年程度での点検・交換が望ましいとされる。

台所流し場等使用場所へ設ける必要があるので美観を損ねやすい。


ガス貯湯式給湯器

タンク内の水を予め加温する方式。いわば(瞬間式でない)電気温水器の熱源をガスにしたようなものである。アメリカから伝播した古くからある器具で、現在は主に理髪店等で使用される。複雑な制御を必要とせず、それでいて非常に安定した温度の湯を供給できる。ループ配管が施工可能なので配管が著しく長い場合でも(沸き上がっていれば)蛇口を開けてから直ぐに湯が出るという特徴があり、また多数の栓を同時に開いても温度が安定していることもあり現在でも高級な設備として需要がある。


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