経済史
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これはマルクス経済学に従って、当時の日本がどの歴史的段階にあるかについて争われたものである。
西洋経済史

かつては東京大学大塚久雄が構築したいわゆる大塚史学(比較経済史学)の影響が強く、対象も資本主義体制への移行期および産業革命期に重点が置かれていた。しかし、近年は世界システム論ジェントルマン資本主義論プロト工業化論社会史(特にアナール学派)などの新たな問題提起を受けて研究視角の多様化が見られ、また対象時期も拡大し、産業革命以降、とりわけ20世紀以降に関する研究も蓄積されてきている。
アジア経済史

アジア経済史は地域的に大きく分けて、東アジア経済史と東南・南アジア経済史、そして西アジア経済史に分類できる。東アジア経済史は主に中国およびその周辺地域(朝鮮半島モンゴル中央アジア)を取り扱う。東南・南アジア経済史はASEAN諸国とその周辺地域を取り扱う東南アジア経済史と、インドおよびその周辺(パキスタンバングラデシュミャンマー)の地域を取り扱う南アジア経済史からなる。そして、西アジア経済史は中近東イスラーム諸国及びイスラーム圏の北アフリカ諸国を取り扱う。

経済史の手法に従い、農業工業といった産業別分析(特に綿工業、第一次産品産業など)、土地制度、税制などを取り扱う。西洋経済史と対照的にアジア経済史の特徴は、多くのアジア諸国が旧植民地諸国であり、現在に至るまで発展途上国としての歩みを続けていることから、国際開発論(特に開発経済学)との関係性が大きい。アジア経済史を専攻する者も国際開発論を専攻する者も、互いの分野を学習する必要性が高い。
グローバル経済史

フェルナン・ブローデルの『地中海』や従属理論を受けて、イマニュエル・ウォーラーステインは世界資本主義論・世界システム論を構築、その後グローバル経済史研究は格段に進展した。日本の研究者としては、世界システム論を日本に紹介した川北稔山下範久、海洋史観を唱える川勝平太らがいる。世界資本主義論はウォーラーステイン以前に河野健二岩田弘によって考案されていた。
学術雑誌

Journal of Economic History
(英語版)

Economic History Review(英語版)

Explorations in Economic History(英語版)

参考文献

青木昌彦 『比較制度分析に向けて』 新装版 瀧澤弘和・谷口和弘訳、NTT出版、2003年。

アブナー・グライフ 『比較歴史制度分析』 岡崎哲二・神取道宏監訳、NTT出版、2009年。

ダグラス・ノース 『経済史の構造と変化』 大野一訳、日経BPクラシックス、2013年。

ジョン・ヒックス 『経済史の理論』 新保博・渡辺文夫訳、講談社〈講談社学術文庫〉、1995年。

アンガス・マディソン 『世界経済の成長史1820?1992年 - 199カ国を対象とする分析と推計』 金森久雄監訳・政治経済研究所訳、岩波書店、2000年。

関連項目

会計史

貨幣史

経営史

商業史

貿易史

日本経営学会

外部リンク

社会経済史学会

政治経済学・経済史学会

社会政策学会労働史部会

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