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ストーンペーパー - ストーンペーパーは粒子の細かい石灰石粉を高密度ポリエチレン樹脂でシート状に固めた合成紙である。強靭な耐久性と筆記性を持つ[15]。木材原料の代替として開発され製造時に水を使わないので汚水を排出しない[16]

ガラス繊維・炭素繊維 - ガラス繊維紙は耐熱・断熱性、電気絶縁性、耐食・耐薬品性、軽量性と強靭性や補強性を生かし電設資材や家電の絶縁材、建材や自動車などの断熱・防水材や成型材に使われる[17]。炭素繊維紙も同様に車や飛行機や自転車、家電やヘルメットなどの成型材や耐食性を生かし耐食タンク、導電性を生かし電設資材や家電の導電材に用いられる[18]

特に陶紙や不燃紙など填料(後述)を一般用紙よりもはるかに多く(50%以上)内添して機能化した紙を高填料充填紙という[14]

陶紙(陶芸紙) - 粘土和紙に張り合わせた陶紙(陶芸紙)は成形後焼成すると陶器になる。ペーパークラフト陶芸折り紙陶芸に利用される[19]

金属酸化物

金属そのものが紙になるわけではないが、金属の酸化物などを紙に漉き込むことで、従来の紙よりも薄く丈夫で透けない高品質の紙を作ることが可能である。元々、白い色合いを持つ酸化チタンなどが使用される場合が多く、長期間に渡って使用、保存される本に使用される[20]

高填料充填紙で機能性填料に水酸化アルミニウムなどの金属酸化物を利用したものは不燃紙、防炎紙に使われている[14]

高填料充填紙で機能性填料に酸化スズなどの金属酸化物を利用したものは静電気除去紙に使われている[14]


紙の分類
和紙と洋紙

紙は、原料により和紙と洋紙に分類される[要出典]。割合をみると、現在は木材原料としたパルプから、機械を使って製造した洋紙が多くの割合を占めている。
特徴

和紙は日本伝来の技術でつくられた紙である[21]7世紀初めまでに中国から伝来した紙が日本独自に発展したもので、ガンピコウゾカジノキミツマタなどが原料である。洋紙に比べて繊維が長く丈夫で軽い[22][21]。詳細は「和紙」を参照

一方の洋紙は、主に木材を主原料に機械を使って製造する。日本では1873年に、欧米の機械を導入した初の洋紙工場が設立された。和紙に比べて印刷適性に優れる[22]。なお、木質紙が主流になる以前、洋紙の主原料は木綿のぼろやだった。
唐紙

唐本には竹紙が多く用いられている[21]。紙は和紙・洋紙・唐紙に分類されることがある。
板紙詳細は「板紙」を参照

紙の中で、主に包装用に使われる厚い紙を板紙(ボール紙)という。紙は和紙・洋紙・板紙に分類されることがある[6]
経済産業省による分類さまざまな紙製品包装用紙の例

経済産業省(旧通産省)では1948年以来、紙・板紙・パルプの品種分類を所管しており、「生産動態統計分類」で紙を分類している。2002年以降の分類は次の通り。

新聞巻取紙 -
新聞に使用される新聞紙のこと。「新聞用紙」とも呼ばれる。

印刷・情報用紙 - 印刷用紙は印刷されることを前提とした紙を、情報用紙は情報システム用の紙を指す。経済産業省の分類では、以下の5つに分類されている。

非塗工印刷用紙 - 表面を顔料などで塗工していない印刷用の紙。ただし、筆記性や表面強度を改善するため、デンプンなどの薬品が表面に塗布されることも多い。化学パルプの使用割合により、上級印刷用紙(100%、上質紙)、中級印刷用紙(40%から100%、中質紙および上更紙)、下級印刷用紙(40%未満、更紙)に分類される。辞書本文などに使われるインディア紙などの薄葉紙も含まれる。

塗工印刷用紙 - 上級印刷用紙や中級印刷用紙を原紙とし、表面に塗料を塗布した印刷用紙。塗料の量などにより、アート紙・コート紙・軽量コート紙などに分類される。詳細は塗工紙を参照。

微塗工印刷用紙 - 1987年ごろに登場した比較的新しい品種で、塗料の量が塗工印刷用紙よりも少ない。

特殊印刷用紙 - 色上質紙・官製はがきなどを指す。

情報用紙 - コピー用紙インクジェット用紙ノーカーボン紙感光紙感熱紙などを指す。


包装用紙 - 印刷用紙より強度があり、包装紙封筒に使用される紙である。未晒し包装紙は漂泊されておらず茶褐色。重袋用両更クラフト紙、両更クラフト紙などの種類がある。晒し包装紙は晒しクラフトパルプが原料で、純白ロール紙、晒しクラフト紙などの種類がある。

衛生用紙 - ティッシュペーパートイレットペーパー紙おむつ生理用品などの用途に使用される吸水性を持つ紙である。

雑種紙 - 工業用と家庭用に分類される。トレーシングペーパー合成紙・絶縁紙・剥離紙・ライスペーパー(紙巻きたばこの巻紙)・書道用紙などが該当する。

紙の歴史詳細は「紙の歴史(英語版)」を参照
紙発明以前

紙が発明され普及する前から、人間は世界各地でさまざまなものを文字などを筆記する媒体として利用してきた。例えば、次のものが知られている。

筆記媒体地域説明
世界各地人類は伝えたい内容や切なる祈りを絵や文字として、石に刻んだ。自然の洞窟や断崖の壁面、人工的に切り出した石塊、または持ち運びできる小さな石など。万人が閲覧できる状態であったであろうものから、自分のために書かれたであろうものまで、その用途は様々である。摩耗・風化などはあるが石は保存耐性が高いため、数百もしくは数千年を経てなお今日でも読むことができるものが世界各地に存在する。これとは別に、当時の金属製品や土器に刻まれた文字もある。
粘土板古代メソポタミア泥を、板の形にして干したもの
パピルス古代エジプト
のち西アジア・ヨーロッパパピルス(植物)の幹を薄く削ぎ、直角に交叉させ[23]、おし叩いて接着したもの。なお、「papyrus」は英語で紙を意味する「paper」の語源となっている。誤解されがちだが、古代エジプトはパピルスだけを使用していたのではなく、樹皮・粘土・木材・金属・陶器など、滑らかな表面を持つものは全て、文字を記すために使われた。
オストラコン古代ギリシャ古代エジプト主に陶器の破片を利用したもの。少ない文言のメモから、長文のものまで存在した。エジプトでは「シヌヘの物語」や「夢のオストラカ」が書かれた長文も出土する。ギリシャでは政治家の信任投票に使われたことで著名であり、陶片ではなく投票記入専用のオストラコンが製造された。その投票「陶片追放」(オストラキスモス)の語源でもある。
羊皮紙西アジア・ヨーロッパ動物の皮を筆記用に加工したもの。羊・仔牛・山羊・鹿・豚の皮革を原材料にしたもの[24]
貝多羅葉(貝葉)インド、東南アジア主に椰子の葉を筆記用に加工したもの。写経などに使われた。かさばるため、大量の筆記には不向き。
アマテ中南米
アステカマヤオルメカ文明など)Ficus insipidaなどのクワ科やイチジク属の木の樹皮を煮て石で叩き伸ばし、のち整形したもの。
その他樹皮各地東南アジアではの樹皮が写経などに使われた。欧州北部ではシラカバの樹皮が用いられた。
木簡竹簡経木中国・朝鮮・日本木や竹を、で筆記できるように細長い板にしたもの。風雨や衝撃に対して紙より丈夫であり、また削って再利用できる利点があることから、紙が普及してからも荷札などで便利に使われた。
帛書中国・朝鮮・日本絹の布。高価なため希少であり、のちには高級な書や工芸品に使用された。格下の用途としては木綿布や麻布も使用された。


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