枯草菌によって大豆を発酵させた食品は、日本の糸引き納豆に相当するものから乾燥させたものまで、様々な形状や調理法がある[97]。これらの食品は、大豆様発酵食品[98]、無塩発酵大豆食品[99]、大豆利用発酵食品[100]などとも呼ばれる。東南アジア、ヒマラヤ地域、西アフリカでは、納豆あるいは乾燥納豆と似た発酵食品が製造されている。日本の納豆は常温ではかなり早く発酵作用が進む(冷蔵ではその限りではなく、また冷凍も可能)ため、短期間で風味が落ちる(アンモニア臭が目立つ[101])場合もあるが、以下の各地域の発酵食品は長期保存が可能なものもある。
納豆は「世界の臭い食べ物」にもしばしば選出[102]されており、納豆が持つ臭いとネバネバした食感に対して、欧米人からは「かなり食べにくい」との声が聞かれる[103]。他方で納豆を好む欧米人も多く、かつ増えつつあり、類似した発酵食品がほとんどないセルビア出身のドラガン・ストイコビッチのような熱烈な納豆ファンもいる。[独自研究?]フランス南部のドラギニャンでは日本の納豆の製法を受け継いだ『ドラゴン納豆』という製品が作られており、健康志向のフランス人や在仏日本人に広く知られている[104][105][106]。
骨にカルシウムを与えて強固にするビタミンK2などのビタミン類やミネラル(マグネシウムなど)、食物繊維、腸に良い乳酸菌、蛋白質が含有されている。骨にも良く、免疫力を高める健康食である。[要出典]長寿国日本の長生きの秘訣として、各国の健康志向の高まりにともない、国外でも臭いを弱めたものなども含めて人気を博している[107][108][109]。 特に北関東から南東北にかけて消費量が多い。生産量日本一は茨城県、消費量日本一は福島県である。逆に消費量が少ないのは西日本で、最下位は和歌山県である。もっとも2004年の調査では西日本でも納豆好きが半数、嫌いと答えた者は20%という結果であり、納豆消費金額は20年前の4 - 6倍以上に増加している[113]。 NTTナビスペースが、2009年3月にPotora会員に対して実施した納豆の好き嫌いの調査では3,827の回答があり、70.2%が「好き」、15.1%が「好きではないが、健康のために食べる」、14.7%が「嫌い(食べない)」となった。近畿・四国・中国地方では、「好き」が過半数ではあるが他地域と比べ「嫌い」の比率が高く、特に奈良県、島根県、徳島県、高知県では好きが半数未満であった[注釈 10]。 ヒマラヤ麓のネパールおよびブータン、インドの西ベンガル州とシッキム州、中国雲南省からタイをはじめとする東南アジアにかけた地域に見られる[114]。
日本「納豆発祥の地」碑「納豆発祥の地」碑
秋田県 - 納豆発祥の伝説は日本各地に存在するが、そのうちの一つが横手市にあり、金沢公園に「納豆発祥の地」の碑が設置されている。後三年の役の際、源義家の軍勢が兵糧として運んでいた煮豆が、馬の体温で醗酵して納豆になったという伝説である(他の地の伝説でも義家が関与するもの、あるいは他の武将でも馬の体温による醗酵を語るものが多い)。また、秋田音頭に「桧山納豆」(能代市桧山地区)が秋田名物の一つとして謳われている。
福島県 - 都道府県庁所在地・政令指定都市ランキングで福島市が納豆消費量日本一である[110]。取り立てて「納豆を食べよう」というキャンペーンは行っておらず、福島市民はもちろんのこと、市役所職員ですら日本一である事に疑問を持っている。思い当たる節として「義務教育期間の給食で納豆を出すこと」が挙げられている。生産量一位の茨城県水戸市では3カ月に1回の割合で給食に納豆が出るのに対し、福島市では最低でも2週間に1回は給食に納豆が出る。幼少期から納豆を食べる習慣があるためか、スーパーマーケットには納豆コーナーが豆腐コーナーよりも大きく設置されており、ほとんどが100円以下で購入出来る。給食や朝食以外にも納豆を食べる家も多く、納豆が嫌い・臭いと敬遠する人が珍しがられる地域である。
茨城県 - 水戸市は納豆生産量が日本一である[111](水戸納豆)。明治以降、鉄道(水戸線)の開通に伴い、天狗納豆の命名者とされる笹沼清左衛門が土産品として納豆を販売したのをきっかけに、産地として最も知られている。毎年3月10日(水戸の日)に「納豆早食い大会」が開催されている。
熊本県 - 九州の中でも例外的に古くから普及している。全国規模の納豆製造会社が2社ある。スーパーマーケットで普通に販売され消費量も多い[112]。
東西差
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