納豆
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1918年に半澤洵が純粋培養した納豆菌によって安定的かつ衛生的な製造方法が報告され[35]、1919年(大正8年)に「納豆容器審査改良会」を設立し、工場生産品の流通が始まった[36][24][37]

それを「大学納豆」と称して売り出し近代納豆の始まりとなる。「大学納豆」をいち早く取り入れてベンチャー企業を起こし、1920年(大正10年)に半澤式納豆製造の産業化を行ったのが宮城野納豆製造所(仙台市)の創設者で後の初代全国納豆協同組合連合会会長の三浦二郎である[38] [39] [40]。以降、納豆菌「宮城野株」は市販の納豆の始祖株となる三大株(宮城野株、高橋株、成瀬株)の内の一つ[41]

1933年(昭和8年)6月、群馬県高崎市で納豆による集団食中毒が発生。住民約300人が中毒症状を起こし、6人が死亡した[42]

第二次世界大戦中は軍用食として、終戦後は日本人を救う栄養食として食べられ[注釈 5]、日本に納豆が普及していった。常食される地域は長らく偏りがあった。1960年代以降の冷蔵輸送技術の発展と普及により[43]流通量が拡大し、全国的に見られるようになった。

2007年1月7日に放送された教養番組『発掘!あるある大事典2』で、納豆の摂取はダイエットに効果があると大幅にデータを捏造して紹介されたことから、多くの店舗で一時品薄状態や売り切れになった[44][45]
栄養・効果

血液凝固因子を作るのに不可欠なビタミンKや大豆由来のタンパク質が豊富であり、現在でも上質なタンパク質源とも言える。食物繊維は100グラム中に4.9 - 7.6グラムと豊富に含まれる[46]食物繊維オリゴ糖等と共にプレバイオティクスと呼ばれる腸内環境に有用な成分であり、納豆菌はプロバイオティクスと呼ばれ、これも腸内環境に有用と考えられている。納豆には抗菌作用が認められ、抗生物質が見出される以前は、赤痢[47]腸チフス[48]病原性大腸菌などの増殖を抑制する[49]作用があることから、腹痛や下痢の治療に用いられていた事がある[48]。納豆に含まれるジピコリン酸は抗菌作用を有し、溶連菌ビブリオ、病原性大腸菌などへの抗菌効果が認められている[50]。また、納豆菌には虫歯菌歯周病菌の働きを抑制する効果があるので虫歯や歯周病を予防する効果がある事が知られている[51][52][53][54]

納豆の摂取量が多いほど循環器疾患死亡リスクが低いとの報告がある[55]

納豆には血栓を溶かす酵素が含まれており[56]、納豆から単離したナットウキナーゼを経口投与したイヌで血栓の溶解が観察されたという報告がある[57]

納豆に含まれるビタミンK2は骨タンパク質の働きや骨形成を促進することから、ビタミンK2を多く含む納豆が、特定保健用食品として許可されている[58]。納豆を多く食べる習慣のある地方では、納豆をあまり食べない地方よりも骨折が少ないことが知られており、納豆に含まれるビタミンK2が骨折を予防する因子と考えられる[59]。また、ポリグルタミン酸にはカルシウムの吸収促進効果があるため、納豆から抽出されたポリグルタミン酸が特定保健用食品として許可されている[60]。納豆菌の一部には、安定した芽胞のまま腸内まで生きて到達してビフィズス菌を増やし腸内環境を正常化する効果があることから、そのような効果を持つ納豆が特定保健用食品として認可されている[61]。大豆としての栄養・効果については「ダイズ#健康への影響」を参照

多くのマメ科植物の種子と同様に、ダイズ種子中には有毒なタンパク質性のプロテアーゼインヒビターアミラーゼ・インヒビターやレクチンが含まれているため、生食はできない。そのため、加熱してプロテアーゼ・インヒビターやアミラーゼ・インヒビターを変性失活させて消化吸収効率を上げている。なお、加熱してもプロテアーゼ・インヒビターの失活は十分ではないので、納豆菌などを繁殖させて納豆菌の分泌するプロテアーゼによってダイズ種子中のタンパク質を分解させると、タンパク質の消化吸収効率が増大する。

米飯食、米飯+大豆食、米飯+納豆食で食後血糖値を比較したところ、米飯+納豆食、米飯+大豆食、米飯食の順で血糖値の上昇が少なかった。納豆の水溶性食物繊維や粘性の高い成分が血糖値の抑制に貢献した可能性がある[62]

本朝食鑑』には「腹中をととのえて食を進め、毒を解す」とあり、整腸作用[63]は古くから知られている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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