納豆
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糸引き納豆はビルマ語でペー・ボウと呼び、塩を加えて発酵させる塩辛納豆にあたるものはペー・ンガピと呼ぶ[注釈 12][159]ナガ族にはタンクル語(英語版)でシュシュエと呼ぶ納豆があり、仕込みにはイチジク属ガジュマル、バナナなどの葉を使う[160]。味噌状のものは塩、唐辛子、ショウガと混ぜて熟成させる[161]。長期保存用には、塩や唐辛子とともに竹筒に入れる[162]。料理では、牛肉や野菜を使った納豆汁を作るほか、炒め物や揚げ物にも使う。食習慣は部族ごとに異なり、1週間ほどで食べる部族から、1ヶ月以上保存する部族もある[160]。粒状のものは、シャン米と呼ばれるジャポニカ米と合わせて食べる場合もある[163]

カンボジア - シエンと呼ばれる。大豆を煮てから竹製のザルで発酵させ、糸を引くくらいに発酵したものを食塩水に漬ける。調味料として使われる[164]

朝鮮半島 - チョングッチャン(清麹醤、???)。チョングッチャンとは調理した汁物を指し(チョングッチャンチゲとも呼ばれる)、豆だけの状態は生チョングッチャンと呼ぶ[165]オンドルを使う寒い季節に仕込みをする。大豆を煮てザルに入れて藁を混ぜ、蓋をしてオンドルで温める。ザルの前には竹籠を使っていた[166][167]

アフリカブルキナファソのリ・オ・スンバラ(スンバラの炊き込み飯)

アフリカの各地には、豆や種で作るスンバラなどの発酵食品がある[114][168]。伝統的にヒロハフサマメノキ(パルキア)の実で作られていたが、近年は大豆の使用が増えている[注釈 13]。パルキアは西アフリカを中心にサバンナに生息する樹木で、その種子は、大豆と同じくタンパク質を多く含むという共通点がある[170][171]
加工方法

スンバラを作る際は、雨季のはじめにパルキアの実を収穫し、種を煮て皮を取り除いてから乾燥させる。それを再び煮てから木の葉を敷いたに詰め、発酵したら灰を混ぜて団子状などに固める。これを調理時に混ぜたり粉状にしてスープに溶かす[注釈 14][173][174]
各地の納豆系食品

ナイジェリア - ハウサ語でダワダワ(dawadawa)、ジュラ語でスンバラと呼ばれる発酵調味料は、パルキア(ハウサ語でカルワ。)の実から作る。パルキアの入手が難しくなってからは大豆が使われている[174]。豆を炒ってから煮てひき割りにし、灰を混ぜてヒョウタンに入れる。パルキアの実を使う場合は大豆よりも手間がかかる[175]。発酵した豆はペースト状にして乾燥させ、スープの調味料などに使う[176]。ダワダワから分離した微生物株を調べたところ、大小2種類のプラスミドのうち分子量の大きいプラスミドは納豆菌と相同性を示した[177]ヨルバ族はイル(英語版)、イボ族はオギリ(英語版)と呼ばれる発酵食品を作る[178]

セネガルギニア共和国 - ウォロフ語でネテトウ(netetou)と呼ばれる、スンバラと同様の発酵調味料をパルキアから作る。塩辛い豆や、干した豆、つぶして固めたもの、粉末などがある。調理では、スープや炊き込み飯などに使う。ギニア共和国やギニアビサウで作られたネテトウもセネガルに輸入されている[179]

ブルキナファソ - モシ族を中心にスンバラを食べ、モシ語でカールゴとも呼ぶ[180]。調理では、魚、鶏、米と混ぜて炊き込み飯にしたり、クスクスと混ぜたり、スープに入れる。スンバラを混ぜた米料理はモシ語でムコロゴ(米飯を意味するムイと、スンバラを意味するコロゴを合わせた単語)とも呼ばれる[181][182]。また、ビカラガと呼ばれるハイビスカス(ローゼル草)の種を使ったものは、調理のダシに使う[183][184]バオバブの実を使ったトゥイ・ビカラガは、2日間煮てから臼で搗いて蒸す[185]


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