納谷悟朗
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1957年、交友のあった熊倉一雄の誘いで『ヒッチコック劇場』の吹き替えに出演[4][5][9]。熊倉は番組のホストであるアルフレッド・ヒッチコックの吹き替えをしており、キャスティングは、熊倉が所属するテアトル・エコーのメンバーがユニットのような形で出演する中で、たまに外部からゲストを呼ぶようなシステムで行っていた。これにより、納谷はゲストとして何回か呼ばれることとなる。そして、熊倉から「おまえ、入れよ」と誘われたことで、1959年1月にテアトル・エコーへ所属した[22][3][23][9]

テアトル・エコー入団時、テレビ放映の吹き替え新劇俳優が起用されることが多く、納谷もこうした中で「アテレコ」に多用され、30歳少し前くらいに声優としての活動を開始した[13][24]。最初のアテレコ作品は、テレビ映画『地方検事』の鑑識官役[13][14]テレビドラマにも出演したが、拘束日数の長さを事務所が嫌がった結果、自然と声の仕事が増えたといい、後に「声の吹き替えのできる俳優が少なかったので、とにかく忙しかった。現場であわせるのは同じ顔ばかりだった」と語っている[24]。また、現場にすれば「メイクも衣装も不要」で手軽な「声の出演」に対する扱いは悪く、当時のギャランティーは通常の70%のレートで不本意だったというが、忙しかったので金は稼げたという[24]
闘病・死去

1985年3月、胃潰瘍で入院し胃腸を半分切除する手術を行う[25]1990年代には胃癌の摘出手術を行い、それ以降は体力が低下し声も出にくくなったという[6][26]

2008年4月、舞台公演中に視覚の違和感を覚え、歩行など生活にも支障が出たため検査を受けた結果、脳梗塞が判明。完治が困難との診断を機に、舞台『ルームサービス』で俳優業を引退する[6][18]。同時期に都内から千葉県千葉市に転居し[11]、以降は妻である火野の助力を得て声優業のみ継続していた[18]。.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキニュースに関連記事があります。

訃報 納谷悟朗氏 - 声優 『ルパン三世』銭形警部役など

2013年3月5日慢性呼吸不全のため千葉市内の自宅で死去[11]。83歳没。通夜及び告別式は近親者のみで行われ、訃報は3月11日に公表された[7]。遺作は、2012年5月28日に収録した『インセプション』の吹き替えとなった[6][7]

2013年5月21日には恵比寿・エコー劇場でお別れの会が行われ、声優仲間やファンおよそ300人が訪れた[27]
特色

テレビ草創期からアニメーション吹き替えナレーションなど幅広く活動。テアトル・エコーでは看板俳優として多くの舞台に出演した[18]

低音の渋い声質が持ち味であり[7]、代表作である『ルパン三世』の銭形警部役など独特なだみ声でも人気を集めた[28]。元々の地声は濁りのない声質であるが、銭形役について「二枚目の声で演じていたら現在まで持たなかっただろう」と語っている。

役柄では、悪役から重厚な脇役[9]、屈強な男や『仮面ライダー』のショッカー首領のような悪の組織のボス、威厳ある役を演じることが多い。一方で、キャリア初期は正義のヒーローや若々しい青年の役も多く、他にも喜劇的な小悪党など幅広い役をこなしていた。

ナレーションが好きだといい、一時期はナレーションの仕事への起用を要望していたが、その頃は上手いナレーターが多くいたため、その中に食い込むことは難しかったという[23]。そのため、個性を出すべく流暢にしゃべるのではなくリズムを区切るようにし、後年ではこのしゃべり方が「納谷節」と称されるようになった[23]


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