紅茶
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なお、一般家庭で複数の茶葉を混合することはミックスと呼ぶ[12]

ブレンドには大きく分けると2通りあり、異なる産地のものを合わせる場合と、同じ産地で違う茶園や違う日にちに採取した茶葉を合わせる場合がある。また香料やその他の方法で茶葉に香りを定着させたりハーブドライフルーツなどを混合したものは、着香茶(フレーバーティー)と呼ばれる。大手メーカー(パッカー)の商品にブレンドが多いのは、安価で安定した茶葉を広く流通させるためである。以下に良く知られるブレンド名を示す。
ブレックファスト[13][14]
朝食に合わせた強い風味の濃いブレンド。茶葉にはモルティーな風味のアッサム、セイロン(スリランカ)、ケニア、またキームンがよく用いられ、ミルクとの相性が良く作られる。イングリッシュアイリッシュ、スコティッシュの3種があり、後に挙げたものほど一般に風味が強い。
アフタヌーン[13]
アフタヌーン・ティーの軽食に合わせた軽い風味のブレンド。多くはセイロン(スリランカ)またはインドの茶葉が用いられる。
HMB (Her Majesty's Blend)
通常、リッジウェイの物を指す。渋味の抜けたスッキリとした味わい。
プリンス・オブ・ウェールズ
キーマンをベースにした特徴のある香。名称の由来は英国・皇太子時代のエドワード8世の称号(「プリンス・オブ・ウェールズ」参照)。
着香茶(フレーバーティー)

着香茶(フレーバーティー)には香料を茶葉に吹き付けたものや、ハーブドライフルーツなどを茶葉に混ぜ込んで着香したもの、香りの強い物質から茶葉に香りを吸着させたものなどがある。品質の良くない茶葉に商品価値をつけるために着香することが少なくない。前述の産地名のついたブレンドの中には、紅茶の香りを人工的につけた粗悪なものもある。
アールグレイ
比較的渋みの少ないブレンドした茶葉にベルガモットで香りを付けた着香茶のこと。名前は19世紀の英国首相グレイ伯爵を由来としており、キーマンに着香したものがスタンダードとされる。独特の香りが好まれ、高温に加熱しても香りが飛ばないことから、クッキー、ケーキ、ゼリーなどの菓子にアールグレイがよく使われる。ただ、厳密に言えばこれらは紅茶風味の菓子というより、ベルガモットの香りの菓子である。
レディグレイ
アールグレイをベースに、柑橘類の果皮とヤグルマギクの花を加えたトワイニング社のブレンドティ。フルーティーで爽やかな風味。
正山小種(ラプサン・スーチョン)
欧米への輸出用のものは茶葉を松葉で燻して着香した着香茶で正露丸にもたとえられる強い燻香がある。中国国内向けのものは燻香が淡いものが多く中にはまったく燻香を含まないものもある。ミルクティーを淹れるときに、この茶葉を一摘み加える使い方もある。
産地
インドアッサムの茶葉

インドでは、基本変種、アッサムチャの両方が栽培される。代表的な産地としてアッサム、ダージリン、ニルギリが知られる。
アッサム (Assam)
インド北部産。茶湯の水色は澄んだ濃い目の深い紅色でミルクティーに適する。甘い芳醇な香気を持ち、こくのある濃厚な味。
ダージリン (Darjeeling)
インド北部産。茶湯の水色は透明度の高い琥珀色でストレートティー向き。世界最高と称される特徴的な香気(マスカットフレーバー、あるいはマスカテルと呼ばれる)と、好ましい刺激的な渋味(一般にパンジェンシーと表現される)を持つ。特に硬度の低い水を用いると良く香りが出るといわれる。ダージリンには、100以上の茶園が存在している。
ニルギリ (Nilgiri)
インド南部産。スリランカに近く、特長もスリランカのハイ・グロウンに似る。茶湯の水色は濃い橙色でミルクティーや特にスパイスを用いるバリエーションティーに適する。フレッシュですっきりとした香気としっかりとした風味を持つ。
ドアーズ (Dooard)
インド北部産。茶湯の水色は濃橙色。ミルクティー向き。強い渋みはなく、こくのある味だが、香気に劣る。
シッキム (Sikkim)
インド北部産。ダージリンに似るが、渋味が弱めでこくがあるといわれる。
インドネシア
スマトラ


ジャワ (Java)
ジャワ島産。基本変種とアッサムチャの両方が栽培されている。
マレーシア
マレー半島南部のキャメロンハイランド、茶園名はBoh

バングラデシュ
シレット (Sylhet)

スリランカ

セイロンティー』の名前で知られる。ウバ、ヌワラエリヤ、ディンブラ、キャンディ、ルフナの5地域をまとめて「セイロン・ファイブ・カインズ」と呼ぶ。

セイロンティーは茶園・工場の標高位置によって

ハイ・グロウンティー(高地産茶) - 標高4,000フィート(約1,300m)以上で生産されたもの

ミディアム・グロウンティー(中地産茶) - 標高2,000?4,000フィート(670?1,300m)の中地で生産されたもの

ロー・グロウンティー(低地産茶) - 標高2,000フィート(670m)以下の低地で生産されたもの

の3つに分類される[15]
ウバ (Uva)
セイロン島南東部。茶湯の水色は明るい鮮紅色で優れ、ティーカップに注いだときに見られる、内側の縁に浮かびあがる金色の輪は「ゴールデンカップ」あるいは「ゴールデンリング」と呼ばれている。好ましい刺激的な渋味(一般にブリスクと表現される)を伴う芳醇な風味と、一般に薄荷に似た、ときに甘い花のような香気(茶葉により様々に変化する)を持つ。飲んだときサリチル酸メチル香を感じられるものが高品質とされる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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