紅茶
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日本では1927年に国産の三井紅茶が発売された[32]。1939年には日本紅茶協会が設立されている[32]

外国産紅茶の輸入が自由化されたのは1971年である[32]

現代では喫茶店や家庭で淹れる紅茶以外に、ペットボトル入り(午後の紅茶など)が市販されている。カフェ・ラッテ(カフェラテ)のコーヒー代わり(紅茶ラテ)や菓子・スイーツの風味付けにも用いられており、抹茶の製法を応用して粉末にした紅茶も商品化されている[33]
資格

紅茶に関連する資格としては日本創芸学院が認定する紅茶コーディネーター、日本紅茶協会が認定するティーインストラクターがある。
化学
作用

紅茶に含まれる紅茶ポリフェノール風邪インフルエンザに対する有効性があるとして注目されている。日常的に飲用することに加え、紅茶を用いてうがいを行うことも予防に有効とされている。また、虫歯予防(フッ素)、食中毒予防(エピガロカテキンガレート)、コレステロール血圧降下(紅茶フラボノイド、タンニン)、肌の老化防止(カテキン)等の作用もあると報告されている[34]
成分
カフェイン

紅茶茶葉中には、重量にして3%程度カフェインが含まれる。この量はコーヒーの3倍の量に当る。しかし、1杯当りに使用する茶葉・豆の量(抽出の効率も)が異なるため、飲用時のカフェイン濃度はコーヒーの方が高くなる。紅茶の飲用時のカフェイン濃度はコーヒーに比べ半分程度とされるが、品種や抽出条件(加えてコーヒーでは焙煎状態)により大きく変化するため、厳密に評価するのは難しい。なお、紅茶に含まれるカフェインはタンニンと結びつくためにその効果が抑制されることから、コーヒーのような覚醒的作用は弱く緩やかに作用する。
タンニン

紅茶におけるタンニンは、エピカテキンエピガロカテキンなどのカテキン類とその没食子酸エステル誘導体が主となっている。一般に、カテキン類は苦味を、その没食子酸エステル誘導体は渋味を持つといわれる。生茶葉中にも多量に存在する。紅茶製造においては、発酵過程において生成されるテアフラビンなどの赤色色素の前駆体となっており、その抽出液の茶湯の水色に大きな影響を与える。なお、タンニンポリフェノール化合物の一種でもある。紅茶には、茶葉重量の11%程度タンニンが含まれている。生茶葉中に、乾燥重量に換算して20 - 25%含まれる。生産量の面で主力となる変種のアッサムチャはタンニンの含量が基本変種に対し1.2 - 1.5倍程度多い。
呈色成分

紅茶の茶湯の水色は主に紅茶フラボノイドによって決まる。紅茶特有の呈色成分として知られるテアフラビンテアルビジンが良く知られており、これらの茶湯の水色に与える影響は大きい。この二つの成分が多いほど、茶湯の水色は鮮やかな濃い赤色となり、良品とされる。
香気成分

紅茶の香気はリナロールレモン様)やゲラニオールのような)といったテルペン類による影響が強いが、その他にも青葉アルコール(ヘキセノールのこと。青臭い若葉)などのアルコール類、青葉アルデヒド(ヘキセナールのこと。青臭い若葉)のようなアルデヒド類、ネロリドール(ウッディな)、サリチル酸メチル(湿布薬)をはじめ多くの物質が関与している。

なお、リナロールやゲラニオールなどのテルペン類は、生茶葉中では配糖体など不揮発性前駆体として存在しており、これが萎凋や発酵の過程で遊離すると考えられている。
萎凋における香気成分の変化

萎凋の際、生茶葉に含まれる青葉アルコールや青葉アルデヒドは蒸散し、次第に減少して行く。一方、細胞内の酵素の作用によりテルペン系の香気成分が集積してくる。
発酵における赤色色素の生成

茶葉に含まれるポリフェノールオキシダーゼ(ラッカーゼとも言うEC 1.10.3.2)の作用により、カテキン類(タンニンと考えても良い)が酸化重合し、テアフラビン(橙赤色)やテアルビジン(赤色)などの赤色色素が生成する。これらの物質は茶葉に元々含まれる紅茶フラボノイドとともに茶湯の水色を決定する。また、この際、いくつかの香気成分も生成される。
乾燥における香気成分の変化

乾燥における熱風処理でかなりの香気成分が散逸する。また、糖のカラメル化も起こる。また、水分量が激減するため、製品の品質は安定する。
淹れた紅茶の化学

紅茶の茶湯の水色は、抽出に用いた水の硬度により大きく変化する。硬水ミネラル成分が多く、いわゆる硬度が高い水)はミネラルがタンニンなどと結合して沈殿を生じ、茶湯の水色は呈色成分と併せて濃く暗い色調となる。炭酸カルシウム沈殿物とフェノール凝集体が浮いてくる場合もある。蜂蜜を入れた場合も蜂蜜中の分がタンニン鉄を生じてやはり色が濃くなる。

逆に、紅茶にレモンを入れると茶湯の水色は薄くなる。これはレモンに含まれるクエン酸が、呈色成分のテアフラビンに働き、残ったテアルビジンの色のみになるためである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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