紅茶
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

の3つに分類される[15]
ウバ (Uva)
セイロン島南東部。茶湯の水色は明るい鮮紅色で優れ、ティーカップに注いだときに見られる、内側の縁に浮かびあがる金色の輪は「ゴールデンカップ」あるいは「ゴールデンリング」と呼ばれている。好ましい刺激的な渋味(一般にブリスクと表現される)を伴う芳醇な風味と、一般に薄荷に似た、ときに甘い花のような香気(茶葉により様々に変化する)を持つ。飲んだときサリチル酸メチル香を感じられるものが高品質とされる。濃い目のミルクティーに適する。ダージリン、キーマンと並ぶ三大銘茶のひとつ。
キャンディ (Kandy)
セイロン島中央部。茶湯の水色は輝きのある紅色で冷めても濁り(「クリームダウン」と呼ぶ)を生じにくい。バリエーションティーやアイスティーに最適。香りは控えめで、渋みが少なく、軽く柔らかだがこくのある味。
ディンブラ (Dimbula)
中央山岳地帯の西側に広がる高地。茶湯の水色は明るく鮮やかな紅色。マイルドで優雅な香りと適度な渋みを伴うバランスのとれた味わいが特徴[16]
ヌワラ・エリヤ (Nuwara Eliya)
セイロン島中央部。茶湯の水色は淡い橙赤色。ストレートティー向き。'草いきれのする'と称されるさわやかな香気を持ち、優しく穏やかな、しかししっかりとした味。
ウダプッセラワ (Udapussellawa)
ヌワラエリヤ地方とウヴァ地方に挟まれた地域で生産されるハイグロウンティー。以前はヌワラ・エリヤとウバに分かれて出荷されていたが、2000年頃から独立した産地として出荷されている。
ルフナ (Ruhuna) / サバラガムワ (Sabaragamuwa)
セイロン島南部。茶湯の水色は深紅色。ミルクティー向き。独特の強いスモーキーな香気を持っている。重い風味と濃厚な渋みを持つ。主にアラブ諸国で好まれている。
ゴール (Galle)
セイロン島南部。茶湯の水色は明るいオレンジ色。アイスティー・ストレートティー向きだが、ミルクティーにも向いている。ロウグロウン(low grown)
ラトゥナプラ (Ratnapura)
茶湯の水色は澄んだ濃い紅色。ストレートティー向き。チョコレートのような風味、チャイによく使われる。ロウグロウン(low grown)
中国

基本変種の紅茶として有名なものには、祁門(キームン)、雲南(ユンナン)などがある。これらはインドやスリランカのものと比べ茶葉が細かく砕かれていないものが多い。渋味が出にくいものが多い。燻したような香りのするものもある。またアールグレイなどの着香紅茶に利用される場合もある。(→中国茶

祁門紅茶(キームン、キーマン、キーモン、祁紅):安徽省祁門県産。
三大銘茶の一つ。独特の甘い香りと微かなスモーキーさを漂わせ、味わいは渋みが少なく甘さを持っている。イギリス女王の誕生日茶会に饗されることでも知られている。

雲南紅茶(?紅):雲南省鳳慶県昌寧県近辺産。

英徳紅茶(英紅):広東省英徳市産。

宜紅:湖北省宜昌市近辺産。

四川紅茶(川紅):四川省産。

正山小種ラプサンスーチョン):福建省武夷山地域産。

アフリカ

アフリカでは、ケニアタンザニアマラウイモザンビークなどで生産されているが、その多くがブレンド用である。ケニア産のものは比較的良質といわれる。
ケニア
標高2000メートルの高地で作られ、セイロンに似た特徴を持つ。ケニアの他にも、タンザニアマラウイでも生産されている。
ルクリリ(Rukuriri)
ケニア原産で、CTCで茶葉が粒状になっているのが特徴。
アフリカンプライド

ジョージアジョージアの紅茶は深橙色。ストレートティー向き。甘い味を持つといわれる。
トルコ
リゼ (Rize)
チャイの代表的産地がリゼ。チャイダンルックと呼ばれる二段式のヤカンを用いる。紅茶をいったん濃く淹れ、湯で好みの濃さに調節し、沢山の砂糖を入れて飲まれる。
日本

1876年明治9年)に紅茶用茶樹の種子が導入され、鹿児島県福岡県静岡県東京に紅茶伝習所が設けられ、紅茶に適するアッサムチャと基本変種を交配して国産紅茶品種を作り、紅茶の製造が始まった。昭和30年代半ばまでは1,500t以上生産されていた。1971年の紅茶輸入自由化以降、国内の紅茶生産は壊滅状態となったが、現在では静岡県および長野県岐阜県三重県奈良県滋賀県山陰地方九州地方(福岡県や屋久島など)といった地域で生産された国産紅茶が若干量流通している。これら国産品を「和紅茶」と呼称している事業者もある。「紅ほまれ」「はつもみじ」「紅かおり」といった紅茶向け品種もある[17](後述)。

生産者により品質のばらつきが多い傾向がある。やぶきた等の緑茶用品種から作られるものは渋みや苦みが少なく口当たりが柔らかい反面、香も淡いものが多い。べにふうき等の紅茶用品種から作られるもにのはインドやスリランカの紅茶に匹敵する強い味と風味を持っているものもある。

一方、沖縄県では紅茶生産に適する原料となるアッサムチャの生産に適する位置から、1958年にアッサムチャの生産を試みた記録がある。定着はしなかったが、2000年より再度生産を開始。「琉球紅茶」のブランド名にて有機無農薬栽培などの付加価値を付け、苗木から選定したブランド化をスタート。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:118 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef