紅茶
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比較的渋みの少ないブレンドした茶葉にベルガモットで香りを付けた着香茶のこと。名前は19世紀の英国首相グレイ伯爵を由来としており、キーマンに着香したものがスタンダードとされる。独特の香りが好まれ、高温に加熱しても香りが飛ばないことから、クッキー、ケーキ、ゼリーなどの菓子にアールグレイがよく使われる。ただ、厳密に言えばこれらは紅茶風味の菓子というより、ベルガモットの香りの菓子である。
レディグレイ
アールグレイをベースに、柑橘類の果皮とヤグルマギクの花を加えたトワイニング社のブレンドティ。フルーティーで爽やかな風味。
正山小種(ラプサン・スーチョン)
欧米への輸出用のものは茶葉を松葉で燻して着香した着香茶で正露丸にもたとえられる強い燻香がある。中国国内向けのものは燻香が淡いものが多く中にはまったく燻香を含まないものもある。ミルクティーを淹れるときに、この茶葉を一摘み加える使い方もある。
産地
インドアッサムの茶葉

インドでは、基本変種、アッサムチャの両方が栽培される。代表的な産地としてアッサム、ダージリン、ニルギリが知られる。
アッサム (Assam)
インド北部産。茶湯の水色は澄んだ濃い目の深い紅色でミルクティーに適する。甘い芳醇な香気を持ち、こくのある濃厚な味。
ダージリン (Darjeeling)
インド北部産。茶湯の水色は透明度の高い琥珀色でストレートティー向き。世界最高と称される特徴的な香気(マスカットフレーバー、あるいはマスカテルと呼ばれる)と、好ましい刺激的な渋味(一般にパンジェンシーと表現される)を持つ。特に硬度の低い水を用いると良く香りが出るといわれる。ダージリンには、100以上の茶園が存在している。
ニルギリ (Nilgiri)
インド南部産。スリランカに近く、特長もスリランカのハイ・グロウンに似る。茶湯の水色は濃い橙色でミルクティーや特にスパイスを用いるバリエーションティーに適する。フレッシュですっきりとした香気としっかりとした風味を持つ。
ドアーズ (Dooard)
インド北部産。茶湯の水色は濃橙色。ミルクティー向き。強い渋みはなく、こくのある味だが、香気に劣る。
シッキム (Sikkim)
インド北部産。ダージリンに似るが、渋味が弱めでこくがあるといわれる。
インドネシア
スマトラ


ジャワ (Java)
ジャワ島産。基本変種とアッサムチャの両方が栽培されている。
マレーシア
マレー半島南部のキャメロンハイランド、茶園名はBoh

バングラデシュ
シレット (Sylhet)

スリランカ

セイロンティー』の名前で知られる。ウバ、ヌワラエリヤ、ディンブラ、キャンディ、ルフナの5地域をまとめて「セイロン・ファイブ・カインズ」と呼ぶ。

セイロンティーは茶園・工場の標高位置によって

ハイ・グロウンティー(高地産茶) - 標高4,000フィート(約1,300m)以上で生産されたもの

ミディアム・グロウンティー(中地産茶) - 標高2,000?4,000フィート(670?1,300m)の中地で生産されたもの

ロー・グロウンティー(低地産茶) - 標高2,000フィート(670m)以下の低地で生産されたもの

の3つに分類される[15]
ウバ (Uva)
セイロン島南東部。茶湯の水色は明るい鮮紅色で優れ、ティーカップに注いだときに見られる、内側の縁に浮かびあがる金色の輪は「ゴールデンカップ」あるいは「ゴールデンリング」と呼ばれている。好ましい刺激的な渋味(一般にブリスクと表現される)を伴う芳醇な風味と、一般に薄荷に似た、ときに甘い花のような香気(茶葉により様々に変化する)を持つ。飲んだときサリチル酸メチル香を感じられるものが高品質とされる。濃い目のミルクティーに適する。ダージリン、キーマンと並ぶ三大銘茶のひとつ。
キャンディ (Kandy)
セイロン島中央部。茶湯の水色は輝きのある紅色で冷めても濁り(「クリームダウン」と呼ぶ)を生じにくい。バリエーションティーやアイスティーに最適。香りは控えめで、渋みが少なく、軽く柔らかだがこくのある味。
ディンブラ (Dimbula)
中央山岳地帯の西側に広がる高地。茶湯の水色は明るく鮮やかな紅色。マイルドで優雅な香りと適度な渋みを伴うバランスのとれた味わいが特徴[16]
ヌワラ・エリヤ (Nuwara Eliya)
セイロン島中央部。茶湯の水色は淡い橙赤色。ストレートティー向き。'草いきれのする'と称されるさわやかな香気を持ち、優しく穏やかな、しかししっかりとした味。
ウダプッセラワ (Udapussellawa)
ヌワラエリヤ地方とウヴァ地方に挟まれた地域で生産されるハイグロウンティー。以前はヌワラ・エリヤとウバに分かれて出荷されていたが、2000年頃から独立した産地として出荷されている。
ルフナ (Ruhuna) / サバラガムワ (Sabaragamuwa)
セイロン島南部。茶湯の水色は深紅色。ミルクティー向き。独特の強いスモーキーな香気を持っている。重い風味と濃厚な渋みを持つ。主にアラブ諸国で好まれている。
ゴール (Galle)
セイロン島南部。茶湯の水色は明るいオレンジ色。アイスティー・ストレートティー向きだが、ミルクティーにも向いている。ロウグロウン(low grown)
ラトゥナプラ (Ratnapura)
茶湯の水色は澄んだ濃い紅色。ストレートティー向き。チョコレートのような風味、チャイによく使われる。ロウグロウン(low grown)
中国

基本変種の紅茶として有名なものには、祁門(キームン)、雲南(ユンナン)などがある。これらはインドやスリランカのものと比べ茶葉が細かく砕かれていないものが多い。渋味が出にくいものが多い。燻したような香りのするものもある。またアールグレイなどの着香紅茶に利用される場合もある。(→中国茶

祁門紅茶(キームン、キーマン、キーモン、祁紅):安徽省祁門県産。
三大銘茶の一つ。独特の甘い香りと微かなスモーキーさを漂わせ、味わいは渋みが少なく甘さを持っている。イギリス女王の誕生日茶会に饗されることでも知られている。

雲南紅茶(?紅):雲南省鳳慶県昌寧県近辺産。

英徳紅茶(英紅):広東省英徳市産。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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