紅色細菌
[Wikipedia|▼Menu]
反応中心蛋白質には、酸化還元活性を持つ分子(バクテリオクロロフィル、バクテリオフェオフィチン、ユビキノン)が擬似C2対称軸に沿って並び、電子移動経路を形成している。非ヘム鉄が1個存在し、擬似C2対称軸上に存在する。

擬似C2対称軸をもつにもかかわらず、実際電子移動に携わるのは、一方の電子移動経路(A-branchあるいはL-branch)のみである。そこでは、クロロフィル2量体P870、アクセサリークロロフィルBA、フェオフィチンHA、ユビキノンQA、ユビキノンQBの順に酸化還元活性分子が並び、電子移動経路を形成している。他方の経路(B-branchあるいはM-branch)では電子移動は起こらない。

キノン間の電子移動反応QA→QBには、プロトン移動反応がカップリングしており、プロトンが溶液から蛋白質中の複数のアミノ酸残基を経てQBのカルボニル基へ移動する。キノン1分子にはカルボニル基が2対存在するため、キノン分子は2回プロトンを蓄えることができる。すなわち、2回の電子移動反応に関わり、最終的にジヒドロキノンQBH2となる。

ヘム鉄は2つのキノンQA、QB間に両者から等距離に存在するが、以下の理由により、電子移動には関与しないと長年考えられてきた。
鉄を蛋白質の結合サイトから除去してもキノンQAからQB間の電子移動速度は大きく変化しなかった。

亜鉛をはじめとする他の金属に置換しても、キノンQAからQB間の電子移動速度は大きく変化しなかった。

一方、紅色光合成細菌の光合成反応中心蛋白質と構造の配列類似性が高いといわれている光化学系II の非ヘム鉄は酸化還元活性があることは、以前より知られていた。一例として、光化学系II の非ヘム鉄の酸化還元電位は+400 mVと測定されている。

近年、FTIR法に基づく測定により、紅色光合成細菌の非ヘム鉄もキノン間QA→QBの電子移動に関わっている可能性がドイツのグループによって示唆され、現在議論されている。
参考項目

プロテオバクテリア - 広義の紅色細菌

紅色硫黄細菌


記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:11 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef