紅の豚
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空賊連合(Aero Viking Association/Band of air pirates)[注 11]
主にアドリア海を縄張りとする空賊団で構成されたギルド。大きな獲物を狙う場合など、時に協力して「仕事」を行う。持ち回り制で組合長もいるが、実際は単なる寄り合い所帯の向きが強い。作中では7団体が加盟していて、原作『飛行艇時代』によれば、マンマユート団は加盟こそしていないが、特に対立もしていない事も劇中のボス達の密談で判明する。それぞれの空賊団の構成員達は、そのボスと容姿が似ている。彼らの共通のマドンナはマダム・ジーナであり、屈強な彼らも彼女の前ではまるで子供扱い。また彼女の店の半径50km以内では決して仕事はしない取り決めである。同様に彼らの共通の敵である賞金稼ぎのポルコ・ロッソとも、彼が店にやって来るのに居合わせた際にも眉をひそめる程度で別にもめ事を起こしたりはしない。映画パンフレットによると、それぞれの空賊のボスはAがフランス人で左目に眼帯をした男。Bがスイス人で黒髪の小柄な男。Cがシシリー人でモヒカン刈りをしている男。Dがノルマンの末裔で背が高く左頬に傷痕がある男。Eがプロヴァンス人で禿頭に傷痕がある男。Fがオーストリア=ハンガリー帝国の元貴族で眉間に三日月状の傷痕があり眼鏡を掛けている男。Gがクロアチア人で顎髭のある茶髪の男。劇中では、Aが空賊連合組合長。ポルコとカーチスのボクシングのレフェリーを務めたのがC。イメージボードには、一番大きい飛行艇を使っているのがF、一番零細企業がGと表記がある[注 12]。ラストシーンでも年老いた彼らが登場し、アドリアーノに集う様子が描かれている。葉巻をくわえながらポルコ・ロッソの本を読んでいるのがA。Aの左隣でサングラスを掛け葉巻を指に挟んでいるのがD。チェス盤を置いているテーブルを囲んでいるのがB、C、E、F。このうちサングラスを掛け、頬杖をつきながらコーヒーカップを持っているのがB。後頭部が描かれているのがC。パイプをくわえているのがE。立っているのがFである[注 13]
登場する水上機
水上機

物語に登場する水上機は、実在した機体をモデルにしている型とオリジナルとが混在している。
サボイアS.21試作戦闘飛行艇
ポルコの愛機である飛行艇。商品展開などで区別が必要な場合、設計主任フィオのイニシャルを取って、改修後の姿を「サボイアS.21F」「F後期型」とする事もある。改造前のサボイアS.21試作戦闘飛行艇は、たった1機だけが製造された試作機である。離着水において「危なくて飛べない」と言われるほど過激なセッティングが災いして、軍用機として正式採用されることはなかった。ポルコ曰く「倉庫で埃をかぶってた」ところをローンで購入したもので、離着水の難しさは認めつつ「スピードに乗れば、粘りのある翼だ」と評価している。作中では冒頭の時点で既にエンジンが不調であり、ローン完済直後にポルコはいよいよ限界と悟り、休暇を兼ねてエンジン修理のためにミラノへ回送飛行中にカーチスと空戦になり、エンジントラブルが原因で撃ち落とされ、胴体部分しか残らないほぼ全損となった。その損傷度合いはピッコロ親父にも「新造した方が早い」と言われるほどだったが、ポルコの本機に寄せる強い思いによってF後期型へと再生の道を辿った。改修を任されたフィオはの性質を熟知した計算書を見て、設計者の職人技にいたく感心していた。ピッコロ社でポルコがピッコロ親父に見せられた新エンジンには「GHIBLI」(ジブリ、イタリア語ではギブリ)の刻印がされており、ポルコはこれをフォルゴーレ(イタリア語で雷電という意味らしい)と呼んでいる(ピッコロの親父曰く「出所は聞くな」らしい)。これは、出版物などではフィアット製のフィアット AS.2 エンジンだとされているが、フィアット AS.2は下で紹介されているマッキ M.39が搭載していたものである[注 14]。なお、原作漫画の中ではフィアット AS.2ではなくロールス・ロイス ケストレルを新たに採用していた。機体の垂直尾翼の白い部分に描かれたマークは、原作ではポルコの出身地であるジェノバ市の市章。主翼の裏と垂直尾翼は原作・映画共にイタリア国旗の色に塗られている。映画の垂直尾翼の白い部分には前述の市章の色違いが描かれ、そのマークの上に赤いRの文字が書かれている。実在した同名の飛行艇サヴォイア S.21複葉機であり、物語の機体とはまったく異なる。これは、宮崎が昔一度だけ見て印象に残ったものの、資料がないこともありそれが何だったか分からずにいた機体を再現したためである。後の対談でモデルとなったのは「マッキ M.33」であると判明した。エンディングでフィオがその後の話を語っている最中、ジーナの店の上を飛ぶシーンがあるが、よく見ると裏庭に続く道に、この飛行艇のように見える紅い機体が係留されている。時代が現代になったエピローグにおいて、ターボプロップエンジン2重反転プロペラマッキ MC.200のような半解放式風防を付けた本機がジェット旅客機を追い越していくシーンが作られたが、本編ではカットされた[35]
カーチス R3C-0非公然水上戦闘機
全長:6.29m 翼幅:8.1m 全高:3.15m 最高速力:348km/h[36]ポルコの対抗馬であるカーチスの水上機。完全なオリジナルであったポルコの乗機とは異なり、実在のシュナイダー・トロフィー・レース優勝機カーチス R3C-2の(非公然)改造機という設定。ブローニング製のプロペラ同調式機関銃を2丁装備したほか、レーサー時の翼面冷却をやめて機首下面に外付けラジエーターを付け、最高速度の低下と引き替えに整備性と信頼性をアップさせた。実は、このラジエーターは日本の川崎88式偵察機から流用したジャンクパーツという設定である[37]。また速力ではサボイアを上回り、旋回力で劣り、上昇力は同等と分析された[38]。ポルコの真紅のサボイアと対照的な濃青色は、第二次世界大戦期のアメリカ海軍機色を彷彿とさせ、カーチスがアメリカ人であるというイメージ付けにも一役買っている。垂直尾翼の黄色い帯上に描かれたマークは青い「幸運のガラガラヘビ」。ポルコとの最終決戦時には胴体の白帯に矢が刺さったハートマークが描き加えられている[39]
マッキ M.39(M.52)
主人公の元同僚、フェラーリンがポルコを先導したときの機体。M.39は1926年度のシュナイダー・トロフィー優勝機であり、アメリカの3連覇を阻止した機体でもある。M.52は次回のシュナイダー・トロフィー用の機体でM.39の発展型であり、外形に大きな差はない。映画に登場したものはM.39/M.52両者の特徴が混在しており、宮崎は「形式不明ってことにしておいてください」と説明している[40]
サヴォイア・マルケッティ S.55
ポルコとカーチスの対決を阻止しようと出動したイタリア空軍編隊にその姿が見える。双胴の飛行艇で、1933年に編隊で大西洋往復を成し遂げた。映画のロケハン時に偶然これを記念する碑文を見つけ、満面の笑みでその前に立つ宮崎の写真が残っている[41]
マッキ M.5(Macchi M.5)
回想シーンにてポルコがまだ人間だった頃乗っていたイタリア海軍航空隊の戦闘飛行艇。本機は、敵のオーストリア・ハンガリーの飛行艇ローナー L鹵獲してコピーしたマッキ L.1から独自に発展させた物。メーカーであるニューポール・マッキ社でライセンス生産していたフランスニューポール戦闘機の一葉半形式の主翼を組み合わせ、本家よりも良い飛行艇になった。
声の出演

キャラクター日本語版英語版フランス語版
ポルコ・ロッソ (Porco Rosso)
森山周一郎マイケル・キートンジャン・レノ
マルコ・パゴット (青年時代のポルコ・ロッソ)古本新之輔?
マダム・ジーナ (Madame Gina)加藤登紀子スーザン・イーガン(英語版)ソフィー・デショーム(フランス語版)
フィオ・ピッコロ (Fio Piccolo)岡村明美キンバリー・ウィリアムズ=ペイズリーアデル・カラッソ
ピッコロおやじ (Mr. Piccolo)桂三枝(現・桂文枝デヴィッド・オグデン・スティアーズジェラルド・ヘルネンデス(フランス語版)
マンマユート・ボス (Mamma Aiuto Boss)上條恒彦ブラッド・ギャレットジャン=ピエール・カロッソ
ドナルド・カーチス (Donald Curtis)大塚明夫ケイリー・エルウィスジャン=リュック・レイシュマン(フランス語版)


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