紅の豚
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率いるマンマユート団は客船襲撃に金品強奪、児童誘拐にも手を染める悪党だが、ポルコから小物扱いされている[注 10]。手下たちはボス同様、人情に厚く、女性には弱い。またボスと容姿がよく似ている。ラストシーンでも年老いた彼がスーツ姿で登場し、アドリアーノに来ている様子が描かれている。
ドナルド・カーチス(Donald Curtis)
声 - 大塚明夫アラバマ生まれのアメリカ人で、祖母はイタリア人のクォーター(1850年代南イタリアからアメリカへの移民が多かった時代背景がある)。ディズニーから発売されたアメリカ版では、テキサス出身となっている。愛機はカーチス R3C-2をモデルとした架空機「カーチス R3C-0非公然水上戦闘機」。空賊連合が雇った用心棒で、ポルコの最大のライバル。パイロットとしての技量は彼も認めるほど大変に優れている。下が砂地だったとはいえ、高所から空中回転して着地するなど非常に運動神経も良い。女好きの惚れっぽい性格で、それぞれ違ったタイプの美しさを持つジーナやフィオを次々に口説くも、ことごとく玉砕する。エンディングではアメリカに帰国後、映画俳優へと転身して、西部劇(題名はTriple Love)の主演俳優を務めるなど活躍している。空賊の用心棒や映画俳優は、あくまでも人生の最終目標への布石である(なお、劇中カーチス主演のポスターは、ロナルド・レーガンの主演映画のレイアウトを踏襲している)。原作『飛行艇時代』では、ドナルド・チャックと名乗っており、「カーチス」は愛機にちなんだニックネームとなっている。また、空賊の用心棒となる展開自体は変わらないが、中盤で戦闘する相手は豪華客船の用心棒ではなく、イタリア空軍のパトロール部隊であるなど、多少の差異が見られる。
フェラーリン(Ferrarin)
声 - 稲垣雅之ポルコの元戦友で、現在はイタリア空軍少佐。ジーナと共に作中においてポルコを本名で呼ぶ数少ない人物である。モデルは、アルトゥーロ・フェラーリンであるが、本人として描写されているかは明確でない。軍を辞めたポルコとの友人関係は現在でも続いており、彼の空軍への復帰を強く望んでいる。また軍人という立場でありながら、彼がポルコやジーナに軍の機密情報を密かに横流しするなどして協力している為、空軍はいまだにポルコを捕らえられずにいる。一方で立場をわきまえずに平然としているポルコに呆れてもいる。コールサインは、F。ポルコが空軍に入隊して以降の仲間であり、ポルコやジーナたちの幼馴染ではないため、子供時代の写真には写っていない。
空賊連合(Aero Viking Association/Band of air pirates)[注 11]
主にアドリア海を縄張りとする空賊団で構成されたギルド。大きな獲物を狙う場合など、時に協力して「仕事」を行う。持ち回り制で組合長もいるが、実際は単なる寄り合い所帯の向きが強い。作中では7団体が加盟していて、原作『飛行艇時代』によれば、マンマユート団は加盟こそしていないが、特に対立もしていない事も劇中のボス達の密談で判明する。それぞれの空賊団の構成員達は、そのボスと容姿が似ている。彼らの共通のマドンナはマダム・ジーナであり、屈強な彼らも彼女の前ではまるで子供扱い。また彼女の店の半径50km以内では決して仕事はしない取り決めである。同様に彼らの共通の敵である賞金稼ぎのポルコ・ロッソとも、彼が店にやって来るのに居合わせた際にも眉をひそめる程度で別にもめ事を起こしたりはしない。映画パンフレットによると、それぞれの空賊のボスはAがフランス人で左目に眼帯をした男。Bがスイス人で黒髪の小柄な男。Cがシシリー人でモヒカン刈りをしている男。Dがノルマンの末裔で背が高く左頬に傷痕がある男。Eがプロヴァンス人で禿頭に傷痕がある男。Fがオーストリア=ハンガリー帝国の元貴族で眉間に三日月状の傷痕があり眼鏡を掛けている男。Gがクロアチア人で顎髭のある茶髪の男。劇中では、Aが空賊連合組合長。ポルコとカーチスのボクシングのレフェリーを務めたのがC。イメージボードには、一番大きい飛行艇を使っているのがF、一番零細企業がGと表記がある[注 12]。ラストシーンでも年老いた彼らが登場し、アドリアーノに集う様子が描かれている。葉巻をくわえながらポルコ・ロッソの本を読んでいるのがA。Aの左隣でサングラスを掛け葉巻を指に挟んでいるのがD。チェス盤を置いているテーブルを囲んでいるのがB、C、E、F。このうちサングラスを掛け、頬杖をつきながらコーヒーカップを持っているのがB。後頭部が描かれているのがC。パイプをくわえているのがE。立っているのがFである[注 13]
登場する水上機
水上機

物語に登場する水上機は、実在した機体をモデルにしている型とオリジナルとが混在している。
サボイアS.21試作戦闘飛行艇
ポルコの愛機である飛行艇。商品展開などで区別が必要な場合、設計主任フィオのイニシャルを取って、改修後の姿を「サボイアS.21F」「F後期型」とする事もある。改造前のサボイアS.21試作戦闘飛行艇は、たった1機だけが製造された試作機である。離着水において「危なくて飛べない」と言われるほど過激なセッティングが災いして、軍用機として正式採用されることはなかった。ポルコ曰く「倉庫で埃をかぶってた」ところをローンで購入したもので、離着水の難しさは認めつつ「スピードに乗れば、粘りのある翼だ」と評価している。作中では冒頭の時点で既にエンジンが不調であり、ローン完済直後にポルコはいよいよ限界と悟り、休暇を兼ねてエンジン修理のためにミラノへ回送飛行中にカーチスと空戦になり、エンジントラブルが原因で撃ち落とされ、胴体部分しか残らないほぼ全損となった。その損傷度合いはピッコロ親父にも「新造した方が早い」と言われるほどだったが、ポルコの本機に寄せる強い思いによってF後期型へと再生の道を辿った。改修を任されたフィオはの性質を熟知した計算書を見て、設計者の職人技にいたく感心していた。ピッコロ社でポルコがピッコロ親父に見せられた新エンジンには「GHIBLI」(ジブリ、イタリア語ではギブリ)の刻印がされており、ポルコはこれをフォルゴーレ(イタリア語で雷電という意味らしい)と呼んでいる(ピッコロの親父曰く「出所は聞くな」らしい)。これは、出版物などではフィアット製のフィアット AS.2 エンジンだとされているが、フィアット AS.2は下で紹介されているマッキ M.39が搭載していたものである[注 14]。なお、原作漫画の中ではフィアット AS.2ではなくロールス・ロイス ケストレルを新たに採用していた。機体の垂直尾翼の白い部分に描かれたマークは、原作ではポルコの出身地であるジェノバ市の市章。主翼の裏と垂直尾翼は原作・映画共にイタリア国旗の色に塗られている。映画の垂直尾翼の白い部分には前述の市章の色違いが描かれ、そのマークの上に赤いRの文字が書かれている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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