紅の豚
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

復活したサボイアの飛行テストもままならずにミラノを出発しようとするポルコに「自分の仕事に最後まで責任を持ちたい」という理由[注 9]で無理矢理同行する。空賊連合とマンマユート団を相手に説教をする程の度胸があり、カーチスが彼女に一目惚れした事を利用して、ポルコとの再戦を取り付けた要因でもある。最も、これに関しては空賊達が去った直後、ポルコに(空賊達が怖かったので)今になって足が震えていると告白した。マンマユート団にも惚れられた。アジトで目覚めた直後に、一瞬ポルコの人間としての本当の顔(口髭をたくわえたスマートな男性)を横から見た。再戦の決着後もポルコと行動を共にするつもりでいたが、ポルコは彼女をジーナに預け、自分から遠ざけた。ジーナとはこれを切っ掛けに親しい友人となる。後にピッコロ社を継ぐ。
ピッコロのおやじ(Master Piccolo)
声 - 桂三枝(現六代目桂文枝)イタリア、 ミラノの飛行艇製造会社「ピッコロ社(Piccolo S.P.A.)」の社長で、フィオの祖父。ポルコの昔馴染み。金払いにはシビアだが、面倒見の良い性格。孫娘の熱意と技量を認めており、持ち込まれたサボイアの改設計を担当させる。機体の設計を担当していた三人の息子達は出稼ぎの為不在で、他の男手もみな出払っていた事から、親戚中の女性たちを大勢呼び集めて工場を稼動させた。作中では機体全般をフィオに任せ、自らは最も得意とするエンジンチューニングに専念する。声優に関しては、製作当時に三枝が別番組で共演した森山へ「吹き替えをやってみたい」と相談。それを受けた森山が宮崎に「何とかならないでしょうか」と聞いた事で三枝が起用された。また、宮崎は三枝の起用に合わせ、ピッコロの役を大幅に書き足したという[34]
マンマユート・ボス(Mamma Aiuto Boss)
声 - 上條恒彦大きな赤鼻に髭面、飛行帽にゴーグルが特徴の、空賊マンマユート団の首領。マンマユート団は、直訳すると「ママ助けて団」であるが、原作『飛行艇時代』では「ママ怖いよ団」と訳されている。メインキャラクターの一人だが、正式な名前は設定されておらず、エンディングテロップにおいても「マンマユート・ボス」とクレジットされている。直情的で荒っぽいが、落ち度を指摘されれば素直に認める潔さを持っている他、「仲間はずれが出たら可哀想」という理由で幼い子供達を全員さらっていき、怪我をさせないように扱うなど、子供には優しく、人情味があることから手下たちからも深く慕われている。また、ポルコの過去を知る数少ない人間の一人でもある。彼を含む一味全員がジーナにもフィオにも惚れている。空賊連合と同様にジーナの店の近くでは仕事をしていない。率いるマンマユート団は客船襲撃に金品強奪、児童誘拐にも手を染める悪党だが、ポルコから小物扱いされている[注 10]。手下たちはボス同様、人情に厚く、女性には弱い。またボスと容姿がよく似ている。ラストシーンでも年老いた彼がスーツ姿で登場し、アドリアーノに来ている様子が描かれている。
ドナルド・カーチス(Donald Curtis)
声 - 大塚明夫アラバマ生まれのアメリカ人で、祖母はイタリア人のクォーター(1850年代南イタリアからアメリカへの移民が多かった時代背景がある)。ディズニーから発売されたアメリカ版では、テキサス出身となっている。愛機はカーチス R3C-2をモデルとした架空機「カーチス R3C-0非公然水上戦闘機」。空賊連合が雇った用心棒で、ポルコの最大のライバル。パイロットとしての技量は彼も認めるほど大変に優れている。下が砂地だったとはいえ、高所から空中回転して着地するなど非常に運動神経も良い。女好きの惚れっぽい性格で、それぞれ違ったタイプの美しさを持つジーナやフィオを次々に口説くも、ことごとく玉砕する。エンディングではアメリカに帰国後、映画俳優へと転身して、西部劇(題名はTriple Love)の主演俳優を務めるなど活躍している。空賊の用心棒や映画俳優は、あくまでも人生の最終目標への布石である(なお、劇中カーチス主演のポスターは、ロナルド・レーガンの主演映画のレイアウトを踏襲している)。原作『飛行艇時代』では、ドナルド・チャックと名乗っており、「カーチス」は愛機にちなんだニックネームとなっている。また、空賊の用心棒となる展開自体は変わらないが、中盤で戦闘する相手は豪華客船の用心棒ではなく、イタリア空軍のパトロール部隊であるなど、多少の差異が見られる。
フェラーリン(Ferrarin)
声 - 稲垣雅之ポルコの元戦友で、現在はイタリア空軍少佐。ジーナと共に作中においてポルコを本名で呼ぶ数少ない人物である。モデルは、アルトゥーロ・フェラーリンであるが、本人として描写されているかは明確でない。軍を辞めたポルコとの友人関係は現在でも続いており、彼の空軍への復帰を強く望んでいる。また軍人という立場でありながら、彼がポルコやジーナに軍の機密情報を密かに横流しするなどして協力している為、空軍はいまだにポルコを捕らえられずにいる。一方で立場をわきまえずに平然としているポルコに呆れてもいる。コールサインは、F。ポルコが空軍に入隊して以降の仲間であり、ポルコやジーナたちの幼馴染ではないため、子供時代の写真には写っていない。
空賊連合(Aero Viking Association/Band of air pirates)[注 11]
主にアドリア海を縄張りとする空賊団で構成されたギルド。大きな獲物を狙う場合など、時に協力して「仕事」を行う。持ち回り制で組合長もいるが、実際は単なる寄り合い所帯の向きが強い。作中では7団体が加盟していて、原作『飛行艇時代』によれば、マンマユート団は加盟こそしていないが、特に対立もしていない事も劇中のボス達の密談で判明する。それぞれの空賊団の構成員達は、そのボスと容姿が似ている。彼らの共通のマドンナはマダム・ジーナであり、屈強な彼らも彼女の前ではまるで子供扱い。また彼女の店の半径50km以内では決して仕事はしない取り決めである。同様に彼らの共通の敵である賞金稼ぎのポルコ・ロッソとも、彼が店にやって来るのに居合わせた際にも眉をひそめる程度で別にもめ事を起こしたりはしない。映画パンフレットによると、それぞれの空賊のボスはAがフランス人で左目に眼帯をした男。Bがスイス人で黒髪の小柄な男。Cがシシリー人でモヒカン刈りをしている男。Dがノルマンの末裔で背が高く左頬に傷痕がある男。Eがプロヴァンス人で禿頭に傷痕がある男。Fがオーストリア=ハンガリー帝国の元貴族で眉間に三日月状の傷痕があり眼鏡を掛けている男。Gがクロアチア人で顎髭のある茶髪の男。劇中では、Aが空賊連合組合長。ポルコとカーチスのボクシングのレフェリーを務めたのがC。イメージボードには、一番大きい飛行艇を使っているのがF、一番零細企業がGと表記がある[注 12]。ラストシーンでも年老いた彼らが登場し、アドリアーノに集う様子が描かれている。葉巻をくわえながらポルコ・ロッソの本を読んでいるのがA。Aの左隣でサングラスを掛け葉巻を指に挟んでいるのがD。チェス盤を置いているテーブルを囲んでいるのがB、C、E、F。このうちサングラスを掛け、頬杖をつきながらコーヒーカップを持っているのがB。後頭部が描かれているのがC。パイプをくわえているのがE。立っているのがFである[注 13]
登場する水上機
水上機

物語に登場する水上機は、実在した機体をモデルにしている型とオリジナルとが混在している。
サボイアS.21試作戦闘飛行艇
ポルコの愛機である飛行艇。商品展開などで区別が必要な場合、設計主任フィオのイニシャルを取って、改修後の姿を「サボイアS.21F」「F後期型」とする事もある。改造前のサボイアS.21試作戦闘飛行艇は、たった1機だけが製造された試作機である。離着水において「危なくて飛べない」と言われるほど過激なセッティングが災いして、軍用機として正式採用されることはなかった。ポルコ曰く「倉庫で埃をかぶってた」ところをローンで購入したもので、離着水の難しさは認めつつ「スピードに乗れば、粘りのある翼だ」と評価している。作中では冒頭の時点で既にエンジンが不調であり、ローン完済直後にポルコはいよいよ限界と悟り、休暇を兼ねてエンジン修理のためにミラノへ回送飛行中にカーチスと空戦になり、エンジントラブルが原因で撃ち落とされ、胴体部分しか残らないほぼ全損となった。その損傷度合いはピッコロ親父にも「新造した方が早い」と言われるほどだったが、ポルコの本機に寄せる強い思いによってF後期型へと再生の道を辿った。改修を任されたフィオはの性質を熟知した計算書を見て、設計者の職人技にいたく感心していた。ピッコロ社でポルコがピッコロ親父に見せられた新エンジンには「GHIBLI」(ジブリ、イタリア語ではギブリ)の刻印がされており、ポルコはこれをフォルゴーレ(イタリア語で雷電という意味らしい)と呼んでいる(ピッコロの親父曰く「出所は聞くな」らしい)。これは、出版物などではフィアット製のフィアット AS.2 エンジンだとされているが、フィアット AS.2は下で紹介されているマッキ M.39が搭載していたものである[注 14]。なお、原作漫画の中ではフィアット AS.2ではなくロールス・ロイス ケストレルを新たに採用していた。機体の垂直尾翼の白い部分に描かれたマークは、原作ではポルコの出身地であるジェノバ市の市章。主翼の裏と垂直尾翼は原作・映画共にイタリア国旗の色に塗られている。映画の垂直尾翼の白い部分には前述の市章の色違いが描かれ、そのマークの上に赤いRの文字が書かれている。実在した同名の飛行艇サヴォイア S.21複葉機であり、物語の機体とはまったく異なる。これは、宮崎が昔一度だけ見て印象に残ったものの、資料がないこともありそれが何だったか分からずにいた機体を再現したためである。後の対談でモデルとなったのは「マッキ M.33」であると判明した。エンディングでフィオがその後の話を語っている最中、ジーナの店の上を飛ぶシーンがあるが、よく見ると裏庭に続く道に、この飛行艇のように見える紅い機体が係留されている。時代が現代になったエピローグにおいて、ターボプロップエンジン2重反転プロペラマッキ MC.200のような半解放式風防を付けた本機がジェット旅客機を追い越していくシーンが作られたが、本編ではカットされた[35]
カーチス R3C-0非公然水上戦闘機
全長:6.29m 翼幅:8.1m 全高:3.15m 最高速力:348km/h[36]ポルコの対抗馬であるカーチスの水上機。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:131 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef