紀州徳川家
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紀州家の支家(御連枝)で2代以上続いた家系は伊予国西条藩の西条松平家のみであるが[注 3]、吉宗が徳川将軍家の後嗣に入り、新たに御三卿田安徳川家一橋徳川家、のちに清水徳川家が加わる)を創始したことによって紀州家の血筋は大いに繁栄した。吉宗以降の将軍家・御三卿からさらに大名家に養子に出た者も非常に多い。ただし、御三卿を含めた紀伊家の血筋は、その多くが夭逝したり子孫を残せなかった者が多く、幕末まで続いたのは田安家と徳川家斉の15男で津山藩を継いだ松平斉民の家系のみである。

明治維新後は最後の藩主・茂承華族に列し、侯爵を授けられた。戦前の紀州家は日本でも屈指の富豪といわれ、戦後も第16代当主・頼貞参議院に2期連続当選を果たすなど存在感を示した。しかし、頼貞の散財のため伝来品を売却した。主だった旧蔵品は『徳川将軍家御三家御三卿旧蔵品総覧』(宮帯出版社)に編集・収録されている。頼貞が1954年昭和29年)に没した後に借金返済のために遺族が興した事業が次々と失敗に終わり、さらに家庭内のスキャンダルも重なったため、戦後はマスコミの格好の餌食となった。

なお、頼貞の嫡子である頼韶1958年(昭和33年)に42歳で死去して以降は、家名は頼貞の妻や娘の女系によって名目上は保たれているが、旧侯爵家としては事実上の断絶状態にあるとする記述も見受けられ、またいわゆる十八松平の子孫で構成される徳川・松平一門の会にも、現当主・宜子(19代)は会員と認められていないとの説もある。『平成新修旧華族家系大成』下巻でも、紀州徳川家の当主の名は空白となっている。

ただし、『朝日新聞2009年10月1日夕刊「人脈記 お殿様はいま 8 「家風」それぞれ徳川御三家」では宜子が紀州家当主としてインタビューを受け、「いつの頃やら、何か自然発生的に、気がついたら、独身の私が当主におさまっておりました」「この先、紀伊家がどうなるかですって。それはもう、自然の流れにお任せするしかないのかな、と思っております」と語っている。また『週刊朝日2015年1月16日号に掲載された、徳川宗家および御三家の当主による座談会に宜子が加わっており、少なくともその時点では、宜子が宗家から紀州家当主として黙認されていることが確認された。

なお、西条松平家は明治維新後に最後の藩主・頼英子爵を授けられた。頼英は高松松平家から迎えた養子の頼和に紀州宗家の茂承(頼英の実弟)の娘を娶せ、以後も女系を通じて血筋を保ち存続している。
歴代藩主とその後嗣[ソースを編集]

初代 徳川頼宣

光貞

松平頼純伊予国西条藩初代藩主)


第2代 徳川光貞

綱教

頼職(支藩高森藩主に冊封 → 和歌山藩第4代藩主として本家を相続)

頼方(支藩葛野藩主に冊封 → 和歌山藩第5代藩主として本家を相続し吉宗と改名)


第3代 徳川綱教

第4代 徳川頼職

第5代 徳川吉宗( → 第8代将軍として徳川将軍家を相続)

第6代 徳川宗直(吉宗従弟、支藩西条藩第2代藩主)

宗将

頼淳(支藩西条藩第5代藩主 → 和歌山藩第9代藩主として本家を相続し治貞と改名)


第7代 徳川宗将

重倫

松平頼謙(支藩西条藩第6代藩主)


第8代 徳川重倫

治宝


第9代 徳川治貞

第10代 徳川治宝

第11代 徳川斉順(治宝婿養子、清水徳川家第3代当主、実父は将軍徳川家斉

慶福


第12代 徳川斉彊(斉順実弟、清水徳川家第4代当主、実父は将軍徳川家斉)

第13代 徳川慶福( → 第14代将軍として徳川宗家を相続し家茂と改名)

第14代 徳川茂承(宗将玄孫、支藩西条藩第9代藩主松平頼学七男)

長福丸(夭折)


紀州徳川侯爵家[ソースを編集]

15代(侯爵徳川頼倫田安徳川家から養子。夫人は14代茂承の娘)

頼貞(16代)


16代(侯爵) 徳川頼貞(戦後、参議院議員

頼韶(17代、早世)


戦後の紀州徳川宗家[ソースを編集]

17代当主 徳川頼韶(頼貞の長子。早世)

18代当主 徳川剛(頼貞の娘婿)

19代当主 徳川宜子(現当主) - 養子を得なければ妹の代で断絶。

系譜[ソースを編集]

凡例:実線は実子、破線は養子(および婚姻)、太字は当主
紀州徳川家系譜[ソースを編集]

頼宣1

          
        
光貞2[西条家
松平頼純松姫 [鷹司松平家
松平信平
  
                
           
綱教3[高森家]
頼職[葛野家]
松平頼方(吉宗) 松平信政


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