かつての支配人の金子和一郎
が小劇団を回って、紀伊國屋で演劇を上演するよう声を掛け続けた。その結果、紀伊國屋ホールは「新劇の甲子園」と呼ばれるようになり、若い演劇人の憧れの劇場になった。だが公的補助はなく、仮にホールが満員になっても劇場を黒字化するのは困難な上、10年に1度は必要な照明・音響などの取替のたびに億単位の費用を要するため、書店経営の利益をホールの運用に回す状況となっている。だが紀伊國屋書店社長の高井昌史は紀伊國屋ホールは紀伊國屋の文化の中で最大のものであり、紀伊國屋の文化継承も経営だとの考えのもと、ホールを守り続けたい意向を示している[1]。2021年に改装が行われており[4]、2023年1月には紀伊國屋ホールを含む全館のリニューアルが完成。紀伊國屋演劇賞の受賞者でもある劇作家の井上ひさしは遅筆のため、紀伊國屋ホールでの公演も初日が延びたり中止になったりしたことがあった。だが当時の紀伊國屋書店社長の松原治は「井上先生だから待て」と指示。次の公演でホールを貸しており、「良質な演劇を提供したい」という信念を持っていた[1]。
アクセス
JR東日本・京王電鉄京王線・小田急電鉄小田原線「新宿駅」東口(出口)より徒歩3分(京王、小田急の場合の改札口は中央東口)
東京メトロ「新宿三丁目駅」B7・B8出口より徒歩1分
脚注[脚注の使い方]^ a b c d e f g h “【紀伊国屋ホール50周年】(上)高井昌史社長に聞く 演劇の聖地 文化守る決意”