頻度リスク出典
1400例中1例望まない妊娠(精管結紮術の失敗)[9]
11例中1例比較: 経口避妊薬の通常使用時の望まない妊娠[10]
6例中1例比較: コンドームの通常使用時の望まない妊娠[10]
40例中1例術後の感染[11]
7例中1例精管結紮術の7か月後における疼痛の残存[12]
110例中1例7か月後におけるQOLに影響を与える疼痛[12]
精管結紮術は、男性が利用できる最も効果的な恒久的避妊法である(精管全体を除去する方がより効果的であると思われるが、これは通常実施されない[13])。卵管結紮術と比較して、ほぼ全ての面で優れる。費用対効果が高く、侵襲が少なく、より元に戻しやすいと思われる術式が出現しつつあり、術後合併症のリスクがはるかに低い。早期失敗率、つまり術後2?3か月以内の妊娠は、術後すぐに、まだ精子が精管を通過し続けている間に避妊なしの性交をしたことで起きるのが普通である。多くの医師は術後1回(場合によっては2回)、精液を検査することで手術の成否を確認することを勧めるが、不便だ、恥ずかしい、忘れてしまった、検査しなくても問題ないなどと言って検査を受けない男性が多い[14]。2008年1月にFDAは術後に自分で精液検査が可能となる、SpermCheck Vasectomyという名称の在宅検査を承認したものの[15]、精液検査を受ける率は一般的に依然低い。
晩発性失敗、つまり精管が自発的に再開通し妊娠に至る例も報告されている[16]。これは、精管の上皮が(身体の他の部位の上皮と同様に)精管が損傷または切断された場合に再生し新たな管を形成する能力を有するためである[17]。精管が5センチメートルも切除された場合であっても、精管が成長し再び接続することは可能であり、この場合、精子が再び通過し妊孕性が復活することになる[17]。
英国産婦人科学会(en:Royal College of Obstetricians and Gynaecologists
)は、一般に精管結紮術2000例当たり1例の晩発性失敗が起きると考えられていると述べている。これは卵管結紮術が200?300例当たり1例失敗するのと比較し優れている[18]。早期・晩発の両方の失敗を含む2005年のレビューは、精管結紮術43,652例中183例(0.4%)の再開通、精管結紮術92,184例中60例(0.07%)の妊娠がみられたと報告している[9]。