まれではあるが、正式に認識されている[20][21]アンフェタミン離脱精神病(AWP)として知られる状態は、置換アンフェタミン類の使用を中止した際に生じる可能性があり、その名の通り、置換アンフェタミン類からの離脱時に出現する。一方で、AWPと類似した障害は異なっており、置換アンフェタミン類が症状を増加させるというよりは減少させ、またその精神病あるいは躁は、以前の投与量計画の再開に伴って解消する[22]。 コカインは、一時的な精神病を誘発する似たような潜在性を有し[23]、コカイン乱用者の半数以上が、ある時点においていくらかの精神病症状を報告する[24]。典型的な苦痛な症状には、後をつけられているという被害妄想や、薬物の使用が妄想的な信念に後押しされた幻覚を伴って、監視されていると感じることが挙げられる[24]。蟻走感
コカイン
コカイン誘発性精神病は、その薬物の精神病的な作用に感作を示す。その意味は、繰り返される断続的な使用によって、精神病はより重篤となるということである[24][26]。 メチルフェニデートは、商品名リタリンで知られ、コカインの作用機序によく似た中枢神経系刺激薬である[27][28]。メチルフェニデートの慢性的な使用は精神病につながりうる[29][30]。とはいえ、短期間のメチルフェニデート投薬における安全性プロフィールは十分に確立されており、短期間の臨床試験では、治療用量におけるメチルフェニデート誘発性精神病は、非常に低い発生率(0.1%)を明らかにしている[31]。治療用量でさえ、メチルフェニデートの長期的な使用における特徴的な影響は、依然として不明である[32][33]。1999年に発表された自然観察的な研究では、平均21か月にわたり追跡調査をし、外来診療所においてメチルフェニデートを処方された児童や若年者が98人のうち6人(約6%)が、治療用量を服用している期間中に精神病症状を発症し、その多くは薬の中止によって改善した[34]。とはいえ、対照群を欠いており、医薬品の影響に帰属するのは不可能である。 医薬品承認のための試験では、精神病症状は0.25%から1.5%のまれな反応だとされているが、こうした試験では試験を通りやすくするための精神医学的な問題の少ないものが選ばれており、異なる条件であるうつ病、双極性障害、統合失調症の両親を持つ子供では、83%がメチルフェニデートを用いていた精神刺激薬の使用群では62.5%が精神病症状を呈し、服用していない群では27.4%であった[35]。 懸念が持ち上がっており、長期間の投薬においては、薬物依存症、偏執病、統合失調症、また他の精神刺激薬と同じような振る舞いにおける行動感作
メチルフェニデート