粘度
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一般に、液体の粘度は温度が上昇すると低下し、気体の粘度は温度が上昇すると上昇する。潤滑油では、粘度指数 (VI) で、高温・低温の粘度を規定している。固体から液体への転移は粘度の急激な低下という見方もでき、粘度で軟化温度などを定義することもある(例:ガラス[1][要ページ番号]。

なお、圧力依存性については、気体では小さいとされている[2]

粘度と温度の関係を表す式がいくつか提案されている。以下、T は絶対温度を表す[3][要ページ番号]。
液体においての粘性式
レイノルズの式 1886年
レイノルズ方程式より導かれる理論式[4]。 μ ( T ) = μ 0 exp ⁡ ( − b T ) {\displaystyle \mu (T)=\mu _{0}\exp(-bT)}

μ0 :基準温度での粘度

b :物質に依存する係数

アンドレードの式 1934年
分子動力学においてアレニウスの式より導かれる、ガラス転移しない物質あるいはガラス転移点以下における最も一般的な理論式[5][要ページ番号]。 μ = A exp ⁡ ( E R T ) {\displaystyle \mu =A\exp \left({\frac {E}{RT}}\right)}

A :物質に依存する係数

E :流動活性化エネルギー

R :気体定数

WLFの式 1955年
ガラス転移点を持つ物質の溶解物及び流体においての経験式。ガラス転移点+100℃の範囲に適用できる[6]。ウィリアムズ (Williams)、ランデル (Landel)、フェリー (Ferry) の3人による。 log ⁡ a T = − C 1 ( T − T 0 ) C 2 + ( T − T 0 ) {\displaystyle \log a_{\rm {T}}=-{\frac {C_{1}(T-T_{0})}{C_{2}+(T-T_{0})}}}

緩和時間 τ の温度依存性を表す時間‐温度換算因子 αT

C1,C2は物質によらない定数で、それぞれ8.86,101.6。

TS :ガラス転移温度Tgと、TS-Tg=50の関係。

TS=Tgの場合、C1,C2はそれぞれ17.55,51.6。

増子 マギルの式 1988年
ガラス転移点を持つ物質の溶解物における、広範囲な温度に適用可能な経験式[7][要ページ番号]。 log ⁡ ( η / η g ) = A [ exp ⁡ { B ( T g − T ) T } − 1 ] {\displaystyle \log(\eta /\eta _{g})=A\left[\exp \left\{{\frac {B(T_{g}-T)}{T}}\right\}-1\right]}

A,B :物質に依存しない定数で、それぞれ15.29±1.04, 6.47±1.13。

気体においての粘性式
サザーランドの式 1893年
Sutherland (1893) が理想化された分子間ポテンシャルを使用して動力学的理論から導いたものであり、2つの形式が提案されている(パラメータの換算をすれば、これらは等価である)。

μ = C 1 T 3 / 2 T + C 2 {\displaystyle \mu ={\frac {C_{1}T^{3/2}}{T+C_{2}}}}

C1、 C2 :物質に依存する係数


μ = μ 0 ( T T 0 ) 3 2 T 0 + S T + S {\displaystyle \mu =\mu _{0}\left({\frac {T}{T_{0}}}\right)^{\frac {3}{2}}{\frac {T_{0}+S}{T+S}}}


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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