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その他の種類を含めた外見やは以下のような違いがある。

モウソウチク(孟宗竹)日本で最も多く食べられている代表的なタケノコである[14][4][2]。正月用に早どりして出荷される10 cm前後のものは「ちび竹の子」とよばれている[21]。えぐみが少なく、肉厚でやわらかい[18]。時期は3 - 5月で、タケノコの中では最も早い[21]。日本では九州産から始まり、徳島、京都、静岡、関東地方、福島へと産地が北上して5月ごろまで食べられる[2]。皮は黒斑と紫褐色の粗毛に覆われ、稈の直径が最大20 - 25 cmに達するほどタケ類の中でも最も大形であることが特徴[9][3]。原産は中国江南地方といわれ、日本へは1736年(元文元年)に琉球を経由して薩摩(鹿児島)に渡来し、以後各地に分布したとされる[19][21]。主産地の京都地方では、中国出身の禅宗の僧である隠元が、1654年に宇治の黄檗山に孟宗竹を植えたともいわれている[19]

ハチク(淡竹)やや細身で基部を除いて肉質部は薄く、色は少し黄色みを帯びるが、灰汁が少なく淡泊な味わいで特有の野趣がある[22][17][18]。美味と言われるが出回り量が少ない[23]。時期は4 - 5月で、出回り時期は孟宗竹よりも遅い[21]。淡竹の子を意味する「ハチコ」とも呼ぶ地域がある。稈の直径が3 - 10 cmになる[22]。皮は淡紅色で薄く、寒さに強く北海道南部でも栽培されている[3][17][21]。原産は中国中部とされており、日本にも野生種があるという説もあるが、その渡来時期は不明である[19]

マダケ(真竹、別名ニガタケ:苦竹)肉質は締まり、灰汁がやや強いが歯ごたえがあって風味は良い[18]。特に発生して間もない段階では別名の通り「苦い」という印象を抱く人もいる[5][23]。ただし、大きく伸びると苦みが少なくなり先端部を収穫して「穂先タケノコ」として食用にする[5]。稈の直径が5 - 15 cmで、皮は薄い黒斑に覆われ、平滑で無毛である[22]。時期は5 - 6月で、出回り時期が孟宗竹や淡竹よりも遅い[18]。主にタケ材に使われるのが本種であるが、タケ材にならない遅く出てきたタケノコが食用に収穫される[18]。原産は中国の浙江および江蘇南部で、日本への渡来時期は不明であるが17世紀には日本でも広く分布していたとみられている[19]

チシマザサ(別名ネマガリタケ:根曲がり竹)日本原産の細く灰汁が少ない品種で、北海道、本州の日本海沿岸に多く自生し[19][3]、タケノコが美味なことで知られ[18]、長野県から東北地方や北海道などで食用とされる[5][17]。特に津軽地方青森県)などでよく食される[24]。時期は5 - 6月。山菜として食べられるのは長さ20 cm前後のタケノコで、稈の直径が1 - 2 cm、根元から弓状に曲がって生え、肉が白くて香りが良いのが特徴[22][3][18]。皮を剥いてから切って炒めるか、皮付きで下茹でしてから調理する[17]。穂先を水煮にした加工品もある[18]。山形県の月山に生える根曲がり竹は「月山竹」(がっさんだけ)というブランド筍で、移植されて鶴岡市で栽培も行われており、灰汁抜き不要で、焼きタケノコ、味噌汁、天ぷらなどにして食べられている[17]

カンチク(寒竹)時期は10月で、稈の直径が5 - 15 mmで黄色または黒紫色[22]。日本原産とされており、中部地方以南に多く分布している[19]

カンザンチク(寒山竹、別名ダイミョウタケノコ:大名筍)九州で防風林として植栽され、タケノコとしても食される[18]。鹿児島産の細い高級タケノコは、やわらかく灰汁が少ない。
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