第88回東京箱根間往復大学駅伝競走
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5区

4年目にして初めてトップでタスキを受けた東洋大・柏原竜二は、自身が2年前に記録した区間記録を上回るペースで激走。5区のコース変更後初の1時間16分台を記録し、2位早大に5分07秒の大差をつけ、東洋大が従来の記録を5分05秒も上回る往路新記録で4連覇を達成した。2位と5分以上の大差がついたのは第64回大会以来24年ぶり。柏原は史上3人目となる同一区間での4年連続区間賞を達成した[2]

2位争いは、早大の1年生・山本修平と明大・大江啓貴が抜きつ抜かれつの鍔迫り合いを展開したが、21.8kmで山本が大江を振り切り早大が2位、明大は51年ぶりの往路3位でフィニッシュ。山本は区間3位、大江は区間2位の好走であった。優勝候補の一角だった駒大は4位。城西大は往路過去最高の5位に入り、序盤出遅れた山梨学大は6位に入った。

8位の東海大以下13チームが復路一斉スタートとなった。一斉スタートが10チーム以上となったのは第70回大会以来18年ぶり。シード権を争う10位学連選抜と11位日体大の差は1分40秒だが、8位東海大から14位国士大まで7チームが3分以内にひしめく。

東農大・津野浩大は当日朝のエントリー変更後に体調が急変。強行出場したものの序盤からペースが上がらず、中盤以降はジョギング状態となってしまったが、トップから41分17秒遅れて無事に完走した。
復路

この節の加筆が望まれています。

6区

3年連続の6区となった東洋大・市川孝徳が初の区間賞を獲得し、2位との差を6分24秒に広げる。2位争いは明大・廣P大貴が宮ノ下を過ぎて程なく早大・西城裕尭をかわし2位に浮上。区間記録保持者の駒大・千葉健太は区間5位に留まった。

一斉スタート組からは、往路でなんとかタスキを繋いだ東農大の佐藤達也が区間2位の快走を見せ、7番目にタスキリレー。往路12位の中大は、代田修平が函嶺洞門の定点までは区間賞ペースの走り、終盤の平地でペースが落ち区間賞は逃したものの、区間3位の好走で総合11位に浮上。往路11位の日体大は福士優太朗が区間最下位と苦戦し最後尾でタスキリレー、総合15位まで後退する。
7区

東洋大・設楽悠太が序盤から飛ばし、第84回大会で東海大・佐藤悠基が記録した区間記録を3秒更新する1時間02分32秒の区間新記録を樹立した。

2位争いは3.7kmで早大・駒大・明大の3校が集団となったが、9kmを過ぎて早大・佐々木寛文が仕掛け、まず駒大・上野渉が脱落し、続いて明大・北魁道も後退する。しかし上野は14.6kmで再び北に追いつき、激しい競り合いを展開。佐々木からも大きく引き離されることなく、トップと7分50秒差で2位早大、さらに13秒遅れて明大・駒大が並んでタスキリレー。

シード権争いは、東海大が14番手・総合8位から18番手・総合12位に急落。8番手を走る中大が総合11位から9位に浮上する。
8区

初の駅伝出場となった東洋大・大津顕杜が、区間記録にあと7秒と迫る8区歴代2位のタイムで区間賞を獲得。2位早大に9分01秒の大差をつけた。

早大・志方文典も区間2位と好走し、東洋大からは離されたものの総合2位を維持。3位争いは終盤までもつれたが、最後は明大・有村優樹が駒大・高瀬泰一に13秒差をつけた。

東洋大が3区間連続区間賞で2位以下を大きく突き放した影響もあり、上武大・東海大・日体大が戸塚中継所で繰り上げスタートとなった。復路・戸塚での繰り上げは第80回大会以来8年ぶり。往路8位の東海大は7・8区の2区間で連続区間最下位と大きくブレーキし、戸塚の時点で総合12位ながら繰り上げ。上武大は出場4回目・日体大は出場64回目でいずれも大学史上初の繰り上げスタートとなった。
9区

前回9区区間賞の東洋大・田中貴章は、終盤失速し区間6位に留まったものの首位を危なげなく守った。

2位争いは駒大・窪田忍が区間賞の走りで7分29秒差の2位に浮上し、早大は3位・明大は4位へそれぞれ後退。

シード権争いは、総合10位の学連選抜・宮川尚人(亜大)が区間最下位に沈み15位に急落。往路13位と出遅れた順大は1年生の松村優樹が区間5位と健闘し、総合11位から8位まで浮上した。10位中大と11位国士大の差は2分44秒。

鶴見中継所では上武大・東海大・学連選抜・日体大が繰り上げスタートとなったほか、神奈川大・鈴木駿が脱水症状でフラフラになってしまい中継所直前で転倒、危うく繰り上げとなるところであった(記録上はトップとちょうど20分差でタスキを渡した)。
10区

東洋大はアンカーの齋藤貴志も区間賞を獲得。東洋大は往路新記録に続き、復路記録も1分56秒更新。前回早大が打ち立てた総合記録を8分15秒も上回る10時間51分36秒の総合新記録で、2年ぶりの総合優勝を飾った。駒大が9分02秒差の2位に入った。

坐骨神経痛の影響で10区にまわった明大の主将・鎧坂哲哉は、本調子ではなかったものの早大をかわし、第39回大会の2位以来49年ぶりの好成績となる総合3位。連覇を目指した早大は4位に終わった。

5番手争いは、ゴールまで残り1km地点で青学大・順大・中大の3校が併走。中大・塩谷潤一は蛇行を繰り返す苦しい走りになりながらも2校に食らいつく。青学大は大学史上最高順位を更新する5位。順大は小澤一真が区間3位の力走を見せ総合7位となり、5年ぶりにシード権を獲得した。塩谷は最後に離されたものの懸命のスパートを見せ、総合8位で28年連続のシード権を確保した。

この3校に続いて8番目にフィニッシュした城西大は大学史上最高順位タイに並ぶ総合6位に入り、前年3秒差で逃したシード権を獲得。予選会通過校では山梨学大も復路で順位を落としながらも総合9位でシード校入りを果たした。

10位の國學院大・青木信夫と11位の国士大・西尾尚貴はタスキリレー直後から併走が続き、最終盤で青木が西尾を引き離した。ともに復路一斉スタートであったため、フィニッシュ時点で見た目の着差はわずかであったものの総合タイムでは3分05秒の差がついた。

前回4位の東海大は復路で苦戦しまさかの総合12位、往路で19位に沈んだ拓大は復路9位と巻き返すも総合14位でそれぞれ2年ぶりのシード落ち。2区以降見せ場を作れなかった日体大は大学史上最低の総合19位に沈み、3年ぶり[3]にシード権を失った。
成績

大会成績第87回大会までの最高記録
総合優勝
(217.9km)東洋大学
(10時間51分36秒)2年ぶり3回目
大会新記録早稲田大学
(10時間59分51秒)(2011年)
往路優勝
(108.0km)東洋大学
(5時間24分45秒)4年連続4回目
往路新記録東洋大学
(5時間29分50秒)(2011年)
復路優勝
(109.9km)東洋大学
(5時間26分51秒)3年ぶり2回目
復路新記録駒澤大学
(5時間28分47秒)(2002年)


完全優勝(総合、往路、復路の全部門優勝):東洋大学(85回大会以来=2回目、大会史上38回目)

金栗四三杯(最優秀選手)

柏原竜二[4](東洋大学、第5区) - 区間新記録、4年連続同一区での区間賞(第5区)。東洋大学からの選出は3回目。

総合成績

総合順位No./大学(チーム)名総合記録1位との差
(10位との差)通過順位備考
往路復路
1区2区3区4区5区6区7区8区9区10区
12東洋大学10時間51分36秒-4 1 1 1 1 1 1 1 1 1※ 大会新記録
23駒澤大学11時間00分38秒9分02秒3564443422※
35明治大学11時間02分50秒11分14秒6683324343※
41早稲田大学11時間03分10秒11分34秒1222232234※
59青山学院大学11時間08分46秒17分10秒12337768655※
617城西大学11時間10分17秒18分41秒59105555566※
719順天堂大学11時間11分15秒19分39秒141312111312111187※ *1
86中央大学11時間11分17秒19分41秒8856121198108※ *1
912山梨学院大学11時間12分38秒21分02秒101699676779※
1010國學院大學11時間13分42秒22分06秒13101313910109910※ *1
1113国士舘大学11時間16分47秒25分11秒
(3分05秒)15121114141313131111*1
124東海大学11時間17分14秒25分38秒117488812121212*1 *2 *3
1316帝京大学11時間18分58秒27分22秒19192018171817161313*1
147拓殖大学11時間20分21秒28分45秒17151515191919181814*1
1515神奈川大学11時間20分22秒28分46秒18171717151414141415*1
1611上武大学11時間20分43秒29分07秒7141616161618191616*1 *2 *3
1720関東学連選抜11時間21分36秒30分00秒91114121097101517*1 *3
1818中央学院大学11時間21分41秒30分05秒20181920181716171718*1
198日本体育大学11時間22分26秒30分50秒24710111515151919*1 *2 *3
2014東京農業大学11時間44分16秒52分40秒16201819202020202020*1
※10位以内の大学には次大会のシード権が与えられた。*1:復路一斉スタート*2:復路・戸塚中継所にて繰り上げスタート*3:復路・鶴見中継所にて繰り上げスタート
往路成績

往路順位No./大学(チーム)名往路記録1位との差
(10位との差)通過順位備考
1区2区3区4区5区
12東洋大学5時間24分45秒-4 1 1 11往路新記録
21早稲田大学5時間29分52秒5分07秒12222 
35明治大学5時間30分06秒5分21秒66833 
43駒澤大学5時間31分28秒6分43秒35644 
517城西大学5時間32分17秒7分32秒591055 
612山梨学院大学5時間33分11秒8分26秒1016996 
79青山学院大学5時間33分58秒9分13秒123377 
84東海大学5時間34分54秒10分09秒117488 
910國學院大學5時間35分02秒10分17秒131013139 
1020関東学連選抜5時間35分08秒10分23秒911141210 
118日本体育大学5時間36分48秒12分03秒
(1分40秒)2471011 
126中央大学5時間37分06秒12分21秒885612 
1319順天堂大学5時間37分13秒12分28秒1413121113 
1413国士舘大学5時間37分54秒13分09秒1512111414 
1515神奈川大学5時間38分25秒13分40秒1817171715 
1611上武大学5時間39分33秒14分48秒714161616 
1716帝京大学5時間41分54秒17分09秒1919201817 
1818中央学院大学5時間41分56秒17分11秒2018192018 
197拓殖大学5時間42分49秒18分04秒1715151519 
2014東京農業大学6時間06分02秒41分17秒1620181920 

復路成績

復路順位No./大学(チーム)名復路記録1位との差復路のみの通過順位備考
6区7区8区9区10区
12東洋大学5時間26分51秒- 1 1 1 1 1復路新記録
23駒澤大学5時間29分10秒2分19秒52222 
35明治大学5時間32分44秒5分53秒85443 
41早稲田大学5時間33分18秒6分27秒156334 
519順天堂大学5時間34分02秒7分11秒119965*1
66中央大学5時間34分11秒7分20秒34686*1
79青山学院大学5時間34分48秒7分57秒68757 
816帝京大学5時間37分04秒10分13秒16151078*1
97拓殖大学5時間37分32秒10分41秒171211119*1
1017城西大学5時間38分00秒11分09秒4781010 
1114東京農業大学5時間38分14秒11分23秒235911*1
1210國學院大學5時間38分40秒11分49秒1214151212*1
1313国士舘大学5時間38分53秒12分02秒1413131313*1
1412山梨学院大学5時間39分27秒13分36秒1818171514 
1518中央学院大学5時間39分45秒13分53秒811121415*1
1611上武大学5時間41分10秒14分19秒1919191716*1 *2 *3
1715神奈川大学5時間41分57秒15分06秒716141617*1
184東海大学5時間42分20秒15分29秒1317181818*1 *2 *3
198日本体育大学5時間45分38秒18分47秒2020202019*1 *2 *3
2020関東学連選抜5時間46分28秒19分37秒1010161920*1 *3
*1:復路一斉スタート*2:復路9区・戸塚中継所にて繰り上げスタート*3:復路10区・鶴見中継所にて繰り上げスタート
区間賞

区間記録第87回大会までの最高記録
往路第1区
(21.4km)
大迫傑
(早稲田大学)1時間02分03秒-佐藤悠基
(東海大学)1時間01分06秒(2007年)
第2区
(23.2km)出岐雄大
(青山学院大学)1時間07分26秒-メクボ・J・モグス


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