第79回アカデミー賞
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中継は32回目となるABC、これは2014年までの契約が完了している。

司会は人気トーク番組の司会者・エレン・デジェネレス[2]で初の司会。2006年8月に開催された第58回プライムタイム・エミー賞で司会を務めた矢先の起用である。プロデューサーは『スパイダーマン』シリーズやアカデミー賞で作品賞候補になった『恋愛小説家』などの製作を務めたローラ・ジスキン。第74回に続く2度目の起用。演出は前回でも手掛けたルイス・J・ホーヴィッツで第69回から11年連続。

2006年6月30日に発表されたプレス・リリースによると、主に外国語映画賞に関して大きなルール変更があった。まず、出品国の公用語以外で撮影された映画を出品できるようになった(早速今回、ヒンドゥー語で製作された『ウォーター』がカナダ代表として出品され、候補になっている)。また、候補投票のプロセスが二段階に分けられた。まず、全ての出品作品を対象にした一回目の投票で9作品に絞り込まれ、その後の二回目の投票で候補となる5作品を選ぶ方式となった[3]

同年12月13日に、エンニオ・モリコーネに対して、名誉賞が授与されることが発表された[4]翌日には、ジーン・ハーショルト友愛賞に、パラマウント映画の会長であるシェリー・ランシングへの授与が発表された。

今回のアカデミー賞の公式ポスターは、背景に歴代の作品賞か脚本部門の受賞作もしくは候補作の名台詞を引用したデザインとなっている[5]。予告編でも街頭で数々の人に映画の台詞を言わせる作りとなっている。

過去のアカデミー賞の歴史のなかで最も国際色豊かだったとの声が多く、多くの評論家は「アメリカが、他国の映画、俳優の才能も認め始めたのではないか。」と前向きな見方をしている[6]
候補と受賞
候補について

発表は2007年1月23日午前5時38分30秒(PST)より、サミュエル・ゴールドウィン・シアターでサルマ・ハエックがシド・ギャニス会長と共に発表した。この模様はメディアを通じて生中継されている。

最多候補となったのは通算8個のノミネーションを受けた『ドリームガールズ』。歌曲賞でエントリーされた3曲全てが候補入りしたことが大きく影響している。ただし、下馬評ではアカデミー賞最有力作品の一つと言われていたにもかかわらず、作品賞では候補落ちとなってしまった。最多候補作になった作品が作品賞の候補に選ばれていないのは、アカデミー賞の79年間の歴史上で史上初めての出来事である。また、作品賞候補作の中から主演男優賞の候補が選ばれておらず、これは第1回以来の出来事で、現在の候補数が作品賞・演技部門の賞共に5つとなってからは初めてであった。

この『ドリームガールズ』の候補落ちを筆頭に、サプライズが多い結果となった。候補常連のベテラン俳優ジャック・ニコルソン(彼の代わりにマーク・ウォールバーグが候補になったことも多くの人に驚かれている)や前哨戦では数多く候補にあがりこちらも外国語映画賞部門で候補入り確実視されていた『ボルベール〈帰郷〉』が落選、レオナルド・ディカプリオが、作品賞候補にあがり有力視されていた『ディパーテッド』ではなく『ブラッド・ダイヤモンド』の方で候補にあがったことなどが挙げられる。

硫黄島からの手紙』は日本語を使用した映画では初の作品賞候補作品である。作品賞部門では、『Z』『叫びとささやき』『移民者たち』『イル・ポスティーノ』『ライフ・イズ・ビューティフル』『グリーン・ディスティニー』に次ぐ、7作品目の外国語による候補作品である。外国語映画賞ではドイツが3年連続で候補入りした。

個人では、メリル・ストリープが『プラダを着た悪魔』で主演女優賞候補になったことにより、自身の持つ俳優の最多候補記録を14に更新。また、助演男優賞候補となったアラン・アーキンは、1969年開催の第41回アカデミー賞での『愛すれど心さびしく』の演技による主演男優賞候補以来38年ぶり3回目のノミネートとなった。『アポカリプト』で録音賞候補になったケビン・オコネルは、今回のノミネートで無冠ながら通算19個目のノミネーションとなる。去年の美術賞受賞者でもあるグレッチェン・ラウは、『グッド・シェパード』で2年連続で候補になったが、去年の3月に亡くなっているため死後のノミネートとなった。

日本関係として、前述の「硫黄島からの手紙」を始め、菊地凛子が『バベル』で3年ぶり(女優に限るとナンシー梅木以来49年ぶり)史上5人目となる日本人俳優の演技部門候補となった。また、メイクアップ賞でも京都市出身の辻一弘が『もしも昨日が選べたら』で候補になっている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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