第5世代移動通信システム
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5G向けに割当てられた3.5 GHz帯(Sバンド)・4.5 GHz帯(Cバンド)・28 GHz帯(Kaバンド)は電波が飛びにくくエリアがつくりにくいため、LTEBWAで利用している周波数で5Gを運用する際の技術的条件について2020年3月に情報通信審議会から一部答申があり、総務省が運用規定の整備を速やかに行うと発表している[23]

2021年7月20日、武田良太総務相は「テレビ局の中継用電波と5G通信の周波数共用」に関し、年度末の実用化に向けて取り組んでいると発表した[11]

5Gの展開で日本は世界に遅れをとったことから、NTTでは次世代の「6G」普及で先んじるため、ソニーインテルと共に新たなネットワーク「IOWN(アイオン)」の構想を抱く[24]NTTは6月には、かつて「電電ファミリー」と呼ばれ、通信端末などを手がけたNECとの資本業務提携も発表し、グループ力の結集を急いでいる[25]
日本の周波数割り当て状況

3.5 GHz未満周波数 (MHz)700170023002500
LTEバンドBand28Band3Band41
5G新無線周波数帯n28n3n40n41
割当先K、D、SK、S、R、DKU、W
他システム旧アナログテレビ放送旧公共業務用無線局(固定)放送業務および公共業務地域BWA
凡例
D
NTTドコモ
K
KDDI・沖縄セルラー電話
S
ソフトバンク
R
楽天モバイル
U
UQコミュニケーションズ
W
Wireless City Planning

ローカル5G

3.5 GHz帯および4.5 GHz帯周波数 (MHz)34003500360037003800390040004100420043004400450046004700480049005000
4G〇N/A
5G割当先S、DD、K、SDKRSKN/ADロN/A
5G新無線周波数帯n78N/An79N/A
n77N/A
他システム固定衛星通信(ダウンリンク)航空機電波高度計N/A無線アクセスシステム
凡例
D
NTTドコモ
K
KDDI・沖縄セルラー電話
S
ソフトバンク
R
楽天モバイル

ローカル5G

28 GHz帯周波数 (MHz)270002710027200273002740027500276002770027800279002800028100282002830028400285002900029100292002930029400
5G5G割当楽天モバイルNTTドコモKDDI・沖縄セルラー電話ローカル5Gソフトバンク
5G Bandn257
他システム固定衛星通信(アップリンク)

干渉調整問題

n77・n78(3.5GHz帯)、n257(28GHz帯)については、固定衛星通信と利用周波数を共有している。そのため、衛星への干渉を防ぐため、事前に影響をシミュレーションした上で干渉を避けるための協議を基地局設置の都度、行う必要がある。

n79(4.5GHz帯)のNTTドコモ・ローカル5Gについては、衛星との協議がないため、利用のハードルは相対的に低くなる[26]
ローカル5G

日本国内では、通信事業者だけでなく、様々なニーズに応じて主体が利用可能な「ローカル5G」という制度が新設された[27]。たとえば「工場の建物内で、工場内専用の5Gを吹いて利用する」といった構内専用線のような使い方が可能になる。免許割当が必要である他、電波発射には無線従事者免許証が必要でありローカル5G免許を受ける企業内に無線従事者を置く必要がある。

NSA方式の5Gを運用するには、アンカーバンドと呼ばれるLTEバンドが必要となる。既存のLTE事業者からアンカーバンドを借りてシステム接続する方法に加えて、2.5 GHz帯について「自営等BWA」という制度が新設されており[27]、NSA方式の5Gのアンカーバンドとして利用ができる。また、免許が不要である1.9 GHz帯についても、sXGPをアンカーバンドとして利用できるようにすることが検討されている[28]。自前で、アンカーバンドの自営等BWAやsXGPを用意する場合、5Gの基地局に加えて、アンカーバンドの基地局、LTEコア網設備 (EPC) も自前で用意する必要がある。

富士通が国内初の商用ローカル5Gを2020年3月27日にスタートした[29]

ローカル5GとWi-Fi6の比較[30]ローカル5Gキャリア5GWi-Fi6
バンドn257, n79n77, 78, n79, n257
変調方式OFDMAまたはSC-FDMAOFDMA
実効スループット下り2 Gbps程度下り5 Gbps程度
無線遅延4ミリ秒30ミリ秒

5G端末の普及状況

2021年7月の調査にて、5G端末を所持している人の割合は17.1%、実際に5Gを体験したことがある人の割合は11.2%という結果となった[31]
世界の状況

2018年5月14日に、中東カタールではオレドー(英語版)が世界初の商用5Gサービスを発表するも、対応端末やサービスについてのアナウンスはなかった。ネットワークを構築した中華人民共和国ZTEが、米中貿易戦争アメリカ合衆国商務省から禁輸措置を受けたためとされる[32]

2018年10月1日、アメリカ合衆国ベライソンは、「宅内限定」ながら、世界初の商業5Gサービス開始を発表した[33]

2018年12月1日、大韓民国でも、世界初の企業向け商用5Gサービスを開始したと発表した[34]

韓国では2019年4月5日、アメリカ合衆国では2019年4月11日にそれぞれ一般消費者向けの商用5Gサービス開始予定であったが、アメリカのベライゾン・コミュニケーションズは、予定よりも約1週間の前倒しで4月3日にサービス開始を発表し[35]、一方の韓国大手移動通信三社(KTSKテレコムLGユープラス)も、2日の前倒しで同日午後11時にサービス開始を発表して[注釈 1]それぞれが「世界初」を主張した[36]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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