新型コロナウイルス感染者の投票機会確保を定めた「特定患者等の郵便等を用いて行う投票方法の特例に関する法律(コロナ郵便投票法)」による「特例郵便等投票」の制度が2021年(令和3年)6月に施行され[7]、参議院議員通常選挙としては本選挙で初めて導入された。また、2022年4月に公職選挙法が一部改正され、FM放送での政見放送が可能となった[8]。
選挙運動中の7月8日、奈良市内で街頭演説中の安倍晋三元首相(自由民主党)が銃撃され、死亡した(安倍晋三銃撃事件)[9]。これを受けて自民党や他党の一部の候補者が同日の選挙運動を中止する事態となった[10][11]。
投票が終了した7月10日20時、NHKと民放5大ネットワーク(日本テレビ・テレビ朝日・TBSテレビ・テレビ東京・フジテレビ)をはじめとする各種メディアが出口調査の結果を一斉に報道。自民・公明の与党が半数を大幅に超える圧勝、一方の野党は立憲・国民・共産の議席減、維新の議席倍増、政党要件を満たしていない政治団体・参政党の議席獲得が伝えられた。
選挙の結果、与党は自由民主党が公示前議席を8議席上回る63議席を獲得し、単独での改選過半数を確保する圧勝。公明党は公示前より1議席減らすも13議席を獲得した。
野党は日本維新の会が公示前を6議席上回る12議席を獲得、また、れいわ新選組も新たに3議席を獲得した。一方で、立憲民主党が公示前より6議席減となる17議席の獲得に留まり、選挙区での敗北が相次いだほか、比例代表では獲得票数で初めて日本維新の会を下回るなど苦戦した[12]。また、国民民主党は2議席減の5議席、日本共産党は2議席減の4議席の獲得となった。
社会民主党は現状維持の1議席となった。なお、社民党は今回の選挙で有効票数のうち得票率2%以上を獲得しなければ、国政政党の政党要件を喪失するところであったが、結果として得票率2.37%となったため政党要件を維持した[13]。
この他、NHK党が1議席獲得したほか、政治団体の参政党が1議席を獲得し、得票率も2%を超えたため政党要件を満たした[14]。
今回の選挙で自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党など日本国憲法の改正に意欲的とされる「改憲勢力」は、憲法改正の発議に必要な3分の2(166議席)の維持に必要な82議席を大きく上回り95議席を獲得。非改選と合わせて179議席となった。これにより改憲勢力は、衆参共に改正発議に必要な3分の2以上の議席を獲得する結果となった[15]。また、今回の女性当選者数は35人で、参院選では2016年(前々回)と2019年(前回)の28人を上回り過去最多となった[16]。
選挙データ
内閣
第2次岸田内閣(第101代)
公示日
2022年(令和4年)6月22日[17]
投開票日
2022年(令和4年)7月10日[17]
改選数埼玉県選挙区が1増、比例区が2増。神奈川県選挙区が非改選議席の欠員補充1(合併選挙による補充分。任期3年)を加え、改選数は5となる。
124(3)+1