日本人の姓は、基本的に漢字である。ただし「一ノ瀬」などのように一部に片仮名が含まれているもの、「反り目
」のように平仮名が含まれているもの、「佐々木」の「々」のように記号が含まれているものもある[20]。漢字文化圏以外から日本に移り住み、日本国籍を取得した者の中には、元の姓の読みを当て字にする(有道出人等)、片仮名で表記する(ハーフナー・マイク等)など本人の意向に沿った姓を選択できるため、新しい苗字が出来ることもあるが、使える文字は戸籍統一文字に限定されている。
2016年時点で日本には数多くの名字が存在するが、上位5,000ほどの名字で人口の80%以上は網羅されるとされている[21]。 日本国内に多い姓(上位30位、2023年4月時点[22])順位名字(読み)人数 (人)[22] 備考
主な姓
日本
1佐藤(サトウ、サドウ)およそ 184.2万北海道・東北地方をはじめとする東日本(特に秋田県)や東九州に多い名字で、近畿圏では大阪府・兵庫県を除きそれほど多くはない。沖縄県ではむしろ珍しい名字。
2鈴木(スズキ、ススキ、ススギ)およそ 177.8万愛知県(特に三河)・静岡県及び南関東・東北地方に多い。南関東のランキングでは1位。発祥地は和歌山県海南市だが、西日本(特に九州・沖縄地方)にはさほど多くはない。
3高橋(タカハシ、タカバシ)およそ 139.2万この名字も東北地方をはじめ東日本(とくに岩手県の北上市周辺)や中四国地方に多い傾向がある。
4田中(タナカ、ダナカ、デンチュウ)およそ 132.0万全国満遍なく分布し、大半の都道府県で上位にランクされるが、密度では西日本(沖縄県を除く)の方が多い。大阪府・山陰地方・福岡県のランキングでは1位であり、西日本全体でも1位である。東日本でも関東地方(特に埼玉県入間・比企地域)・甲信越地方(特に長野県)・北海道では密度が高い。
5伊藤(イトウ)およそ 106.0万中京地方及び東北地方・関東地方・近畿地方・山陰地方に多い。件数は愛知県が最も多いが、密度では三重県の方が多い。愛知県名古屋市では市町村としては最も件数が多い。
6渡辺(ワタナベ、ワタベ)およそ 105.0万発祥地は大阪市中央区で、沖縄県を除く全国に満遍なく分布するが、密度は山梨県や静岡県など東日本南部または中京地方・九州(特に大分県)に多い。
7山本(ヤマモト)およそ 103.6万どちらかといえば西日本に多いが、東北地方は多くない。北陸地方・山陽地方では1位、近畿地方・山陰地方では2位。東日本でも山梨県や東海地方(特に愛知県・静岡県)では上位にランクされる。
8中村(ナカムラ)およそ 103.2万全国に分布する。どちらかといえば西日本に多い。特に近畿・九州地方に多い。
9小林(コバヤシ、オバヤシ)およそ 101.6万関東・信越・近畿・中国地方に多い。
10加藤(カトウ)およそ 87.8万発祥地は加賀国(石川県)だが、北陸地方ではそれほど多くない。中京地方には多く分布する。
11吉田(ヨシダ、キチダ、ヨシタ)およそ 81.8万発祥は京都市左京区。