笠井潔
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日本SF新人賞(第1回 - 第3回)

鮎川哲也賞(第11回 - 第21回)

日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門(第54回 - 第55回)

日本推理作家協会賞短編部門・評論その他の部門(第56回 - 第57回)

日本ミステリー文学大賞新人賞(第17回 - 第20回)

作品・評論

推理小説としては、現象学を駆使する哲学者的な探偵矢吹駆が登場する矢吹駆シリーズが著名。同シリーズには、デビュー作となった『バイバイ、エンジェル』や、第3回本格ミステリ大賞の受賞作『オイディプス症候群』がある。

「矢吹駆シリーズ」における笠井の推理小説の書き方は、フョードル・ドストエフスキーの小説における、人物間の思想的な対話のように、推理する探偵と真犯人との対決の中に思想を盛り込ませるものである。各作品には実在の思想家をモデルとした人物が現れ、それらモデル人物と矢吹の対話を通して、モデルとなった哲学者の言説に作者流の批判を加える体裁をとっている。実際にモデルとなった人物は永田洋子連合赤軍の論客(ある意味では彼女達が論理的主柱としたカール・マルクスらも含まれる)、シモーヌ・ヴェイユジョルジュ・バタイユマルティン・ハイデッガーミシェル・フーコージャック・ラカンジュリア・クリステヴァなど。ちなみに、シリーズの番外編的な『熾天使の夏』は、作者の自己批判的側面を持ち得ており、講談社文庫版によせたあとがきにいわく、埴谷雄高の『死靈』の影響もあるという。その他には、評論に『<戯れ>という制度』、『秘儀としての文学』、『テロルの現象学』、『機械じかけの夢』、『探偵小説論序説』(第3回本格ミステリ大賞を受賞)などがある。

作家の藤田宜永とはフランス滞在中から交友があり、笠井は『バイバイ、エンジェル』の草稿を、当時フランスミステリーの翻訳を手がけていた藤田に見せた事がある[要出典]。
作品リスト
矢吹駆シリーズ
フランス篇

バイバイ、エンジェル角川書店、1979年7月 / 角川文庫、1984年3月 / 創元推理文庫、1995年5月)

サマー・アポカリプス (角川書店、1981年9月 / 創元推理文庫、1996年3月)

【改題】アポカリプス殺人事件(角川文庫、1984年6月)


薔薇の女 (角川書店、1983年3月 / 角川文庫、1987年11月 / 創元推理文庫、1996年6月)

哲学者の密室光文社、1992年8月 / 光文社 カッパ・ノベルス【上・下】、1996年7月 / 光文社文庫【上・下】、1999年3月 / 創元推理文庫、2002年4月)

オイディプス症候群 (光文社、2002年3月 / カッパ・ノベルス、2006年10月 / 光文社文庫【上・下】、2008年11月 / 創元推理文庫、2022年11月)

吸血鬼と精神分析 (光文社、2011年10月 / カッパ・ノベルス、2013年7月 / 光文社文庫【上・下】、2015年7月)

連載時タイトルは「吸血鬼の精神分析」(『ジャーロ』No.13 2003 Autumn - No.31 2008 Spring)


煉獄の時 (文藝春秋、2022年9月)

夜と霧の誘拐 (連載終了。単行本未刊。『メフィスト』2010 VOL.1 - 2010 VOL.3)

魔の山の殺人 (連載終了。全14回。単行本未刊。『ミステリーズ!』vol.50 DECEMBER 2011 - vol.71 JUNE 2015)

屍たちの昏い宴 (連載中。『ジャーロ』No.60 2017 SUMMER - )

その他の矢吹駆シリーズ

熾天使の夏 (
講談社、1997年7月 / 講談社文庫、2000年12月 / 創元推理文庫、2008年10月)

シリーズ第ゼロ作という位置付け。


青銅の悲劇 瀕死の王 (講談社、2008年7月 / 講談社ノベルス、2010年7月 / 講談社文庫【上・下】、2012年10月)

日本篇第一作。連載時タイトルは「瀕死の王」(『メフィスト』小説現代2002年9月増刊号 - 2007年9月増刊号)。


コムレ・サーガ
ヴァンパイヤー戦争詳細は「ヴァンパイヤー戦争」を参照

ヴァンパイヤー戦争(1)吸血神ヴァーオゥの復活 (カドカワノベルズ、1982年1月 / 角川文庫、1989年6月 / 講談社文庫、2004年6月)

ヴァンパイヤー戦争(2)月のマジックミラー (カドカワノベルズ、1984年10月 / 角川文庫、1989年7月 / 講談社文庫、2004年6月)

ヴァンパイヤー戦争(3)妖僧スペシネフの陰謀 (カドカワノベルズ、1985年4月 / 角川文庫、1989年9月 / 講談社文庫、2004年9月)

ヴァンパイヤー戦争(4)魔獣ドゥゴンの跳梁 (カドカワノベルズ、1985年11月 / 角川文庫、1989年10月 / 講談社文庫、2004年10月)

ヴァンパイヤー戦争(5)謀略の礼部クーデター (カドカワノベルズ、1986年7月 / 角川文庫、1989年12月 / 講談社文庫、2004年11月)

ヴァンパイヤー戦争(6)秘境アフリカの女王 (カドカワノベルズ、1987年5月 / 角川文庫、1990年2月 / 講談社文庫、2004年12月)

ヴァンパイヤー戦争(7)蛮族トゥトゥインガの逆襲 (カドカワノベルズ、1987年10月 / 角川文庫、1990年4月 / 講談社文庫、2005年1月)

ヴァンパイヤー戦争(8)ブドゥールの黒人王国 (カドカワノベルズ、1988年3月 / 角川文庫、1990年6月 / 講談社文庫、2005年2月)

ヴァンパイヤー戦争(9)ルビヤンカ監獄大襲撃 (カドカワノベルズ、1988年6月 / 角川文庫、1990年8月 / 講談社文庫、2005年3月)

ヴァンパイヤー戦争(10)魔神ネヴセシブの覚醒 (カドカワノベルズ、1988年9月 / 角川文庫、1990年10月 / 講談社文庫、2005年4月)

ヴァンパイヤー戦争(11)地球霊ガイ・ムーの聖婚 (カドカワノベルズ、1988年11月 / 角川文庫、1991年1月 / 講談社文庫、2005年5月)


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