笑ふ男
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それにはムービートーンのサウンド・オン・フィルム方式を使用した[19]。レニはホラー映画で使う悲鳴や軋む音を採用しなかった(後に遺作となる『The Last Warning』では使用した)。主題歌『When Love Comes Stealing』は、エルノ・ラペーがダグラス・フェアバンクスの『ロビン・フッド』(1922年)のために作ったインストゥルメンタル曲に、ウォルター・ハーシュとルー・ポラックが歌詞をつけたものである[20]。それ以外の曲はウィリアム・アクスト、サム・ペリー、それにラペーの曲[21]、および、後に『恐怖城』(1932年)で再使用されることになるGustav Borchの曲が使われた[22]
リリース

最初の公開から長く見ることができなかったが、1960年代にアメリカン・フィルム・インスティチュートからアメリカ議会図書館に寄付され、1969年のニューヨーク映画祭で同じような境遇にあった22作品と一緒に上映された[23]。1998年にはピーター・ボグダノヴィッチ監督がテルライド映画祭で上映した[24]ものの、それ以降は、Kino InternationalとCineteca di Bolognaが2つのアメリカ版と1つのイタリア版から復元するまで見ることができなかった[25][26]。レストア版は2003年にKino Internationalからリリースされた[26]
評価

当初、芳しい評価は得られなかった。一部の批評家は暗いテーマを嫌い、また、舞台がドイツ風で17世紀のイギリスに見え合いと不満を漏らした[10]。特に批判的だったのがポール・ロサで、その著書『The Film Till Now』の中でこの映画のことを「映画技法の稚拙な模倣」とこきおろした[27]

近年になって、作品の評価は高まっている。映画評論家のロジャー・イーバートは「ドイツ表現主義のサイレント映画の最後の宝」と4つ星(満点)をつけ[3]、レナード・マルティンも「目が眩むよう」と高く評価している[28]
影響

『笑ふ男』は、後のユニバーサル・ホラーに大きな影響を与えている[29]。実際、メイクアップのピアースは『フランケンシュタイン』『狼男』など多くの作品で仕事をしている。美術のホールも同様である。

バットマン』のキャラクターであるジョーカーとの類似もよく指摘される。2005年に出版されたグラフィックノベルのタイトルは『Batman: The Man Who Laughs』だった[30]
脚注^ a b 朝日新聞 1929年1月17日夕刊
^ PopMatters Staff. "PopMatters: The Man Who Laughs". popmatters.com. Retrieved 2007-01-11.
^ a b Roger Ebert. "Roger Ebert: Great Movies: The Man Who Laughs (1928)". rogerebert.com. Retrieved 2007-01-11.
^フランス八重奏団来日!『Beyond Cinema?無声映画の名作と室内楽のマリアージュ』のご案内(日仏経済交流会)
^ a b Soister 2002, p. 206.
^ Josephson 2005, p. 459.
^ Long 2012, p. 378.
^ Riley 1996, p. 40.
^ Solomon 2013, p. 27.
^ a b Newman, James (2003年10月24日). “ ⇒The Man Who Laughs”. Images. 2016年11月8日閲覧。
^ Stephens 1998, p. 196.
^ DiLeo 2007, pp. 176?177.
^ DiLeo 2007, p. 176.
^ a b c Conrich 2004, p. 42.
^ Phil M. Daly (April 22, 1928) (英語). And That's That. XLIV. The Film Daily. p. 5. https://archive.org/details/filmdaily4344newy/page/756 2019年10月25日閲覧。


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