タケ類は成長力が旺盛で、ピークの時は1日で1メートル以上成長する。竹林の近くにある民家の中に竹が侵入する(タケノコが生える)被害もある。放置された竹林で地滑りの発生が多いという研究も報告があり[6]、事例も複数報告されている。また放置竹林によって山地が覆われ、元々植生していた広葉樹や針葉樹の光合成が妨げられ、生物多様性が損なわれ、結果として森林の減少を招くという問題も起こっており、各地で対策が講じられている。2017年、林野庁によると、全国の竹林面積は2002年約15万6000ヘクタール、2017年約16万7000ヘクタールと増え、都道府県別竹林面積は、鹿児島県1万7927ヘクタール、大分県1万4042ヘクタール、福岡県1万3619ヘクタール、山口県1万2001ヘクタール、島根県1万1157ヘクタールなど。竹材の生産は1960年は年間約40万トン、2010年は3万トンを切った[7]。
乾燥が十分なされたものは硬さと柔軟さを備えており、古来より様々な用途に使われてきた(詳細は「#利用」参照)。竹細工の材料、建材などのほか、繊維を利用して竹紙も作られている。竹酢液や竹炭としても利用される。前述した放置竹林の問題においても、これらの素材としての活用を求め、様々な研究、試行錯誤が行われている。
タケの芽を筍と呼び、食用とする[1]。葉を食料として利用する動物もおり、ジャイアントパンダはこれを主食としている。
モウソウチクを除く種の多くは、限られた地域でしか生育しないことが多い。その理由は不明である。 タケが草本か木本かは意見が分かれている。多くの草本類と同じく茎にあたる稈に年輪は見られないが、一方で木本類のように堅くなる性質がある[1]。また、通常の木本と異なり二次肥大成長はせず、開花後は枯死することが多い。分類上も、タケは単子葉植物であるイネ科植物で、イネ科をはじめとする単子葉植物は大半が草本として扱われている。このようにタケには草本の特徴が多く見られるため、タケを多年草の1種として扱う学説が多い。「木#学術的な定義を巡って」も参照。 タケ類はイネ科タケ亜科に属する。熱帯性木本タケ類と温帯性木本タケ類の2つの系統を合わせてタケ連として扱うこともある。タケ亜科にはタケ連のほかに Olyreae 連が属するが、Olyreae 連は典型的な草本であり、タケ連のような木質の茎を作らない。 Sungkaew et al.(2009)[8]の分子系統学的解析によると、タケ連は単系統ではなく、熱帯性木本タケ類と温帯性木本タケ類の2つの系統に分かれる。熱帯性木本タケ類が Olyreae と姉妹群となり、温帯性木本タケ類はそれら全体と姉妹群である。彼らはこの結果から、温帯性木本タケ類を Arundinarieae 連に分割すべきとしている。.mw-parser-output table.clade{border-spacing:0;margin:0;font-size:100%;line-height:100%;border-collapse:separate;width:auto}.mw-parser-output table.clade table.clade{width:100%}.mw-parser-output table.clade td.clade-label{width:0.7em;padding:0 0.15em;vertical-align:bottom;text-align:center;border-left:1px solid;border-bottom:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width{overflow:hidden;text-overflow:ellipsis}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.first{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel{padding:0 0.15em;vertical-align:top;text-align:center;border-left:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.last{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar{vertical-align:middle;text-align:left;padding:0 0.5em;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar.reverse{text-align:right;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf{border:0;padding:0;text-align:left}.mw-parser-output table.clade td.clade-leafR{border:0;padding:0;text-align:right}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf.reverse{text-align:right}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkA{background-color:yellow}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkB{background-color:green} 狭義のタケ連 新大陸熱帯のタケ連 Olyreae(草本タケ類) : 日本に分布 タケ類は熱帯性木本タケ類と温帯性木本タケ類の2つの系統に分かれ生育型が大きく異なる。このことから、分類学的には従来、タケ連(Bambuseae)にまとめられていた。しかし、その後の研究によって単系統ではないことが判明し、分割が提案されている。 温帯性木本タケ類は地下茎で生育繁殖するが、熱帯性木本タケ類は分蘖(株分かれ)によって株立ち状になる。 バンブーは、熱帯地方に産する地下茎が横に這わず株立ちになるもののことを指す場合がある。紙パルプ業界にはタケとバンブーの区別がある。 タケは狭義にはササと区別され、稈が成長するとともにそれを包む葉鞘(竹皮)が早く脱落してしまうものをタケといい、枯れるまで稈に葉鞘が残るものをササという[1]。 一般的には丈の低いものが笹竹の略とされる。しかし、オカメザサのように膝丈ほどのタケや、メダケのような背の高いササもある。名前に「○○ダケ」「〇〇チク」「〇○ザサ」とついていても実際のタケやササの判断とは異なる場合がある。 ちなみに、日本に見られるタケの多くは帰化植物と考えられ、一部種類には日本野生説もあるが、ほとんどは中国原産である。
分類
草本(草)と木本(木)との区別上の位置づけ
タケ亜科内の位置づけ
(熱帯性木本タケ類)
タケ類の分類
熱帯性木本タケ類と温帯性木本タケ類
タケとササ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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