観客スタンドや車券売り場などの施設は、他の公営競技と比べいち早く鉄筋コンクリート化が進んだ。これは1950年に発生した鳴尾事件を受けたもので、競輪廃止論が飛び交う中、施設改善が開催継続を認める条件とされたことによる。ただ、それ以降現在まで大掛かりな施設改善がなされていない競輪場も多く、奈良や久留米のように耐震基準を満たさない一部のスタンドを立ち入り禁止としたり、向日町のように大掛かりな改修が必要ながらその予算の確保に悩まされている競輪場もある[10]。
走路と観客エリアを隔てる外側の仕切りには、金網の他、ポリカーボネートの透明板(西武園競輪場など)があるが、TIPSTAR DOME CHIBAのようにそのような仕切りを設けていない競輪場もある。バンク内に観客エリアがある構造の場合、バンク内側にも柵を用いている競輪場がある(いわき平、小倉)。
選手が入退場する「敢闘門」の位置は、バックストレッチが多数(川崎など)を占めるが、ホームストレッチ(いわき平、小倉など)、バンクの内側(取手、名古屋など。バンクの外側から地下通路を通って入退場する)の、3パターンがある[11]。
大型ビジョンが設置されている競輪場もあるものの、文字情報のみの確定板が単独で設置されているところや、近年はその確定板も撤去されている競輪場もある(そのような競輪場の場合、着順は場内ビジョンで表示される)。
場内に元選手による初心者ガイダンスコーナーを設置しているところもある。
選手宿舎は通常敷地内に併設されているが、スペースの都合などで敷地外に別途宿舎を設けている競輪場もあり(2015年現在は川崎、弥彦、前橋、千葉、小田原、名古屋、福井、岸和田、熊本の9場)、その場合選手は専用バスで宿舎と競輪場の間を往来する[12]。一部の競輪場では競輪開催期間外に宿舎を一般開放しており(小田原、四日市、松阪、松山など)、団体での宿泊等の利用が可能である。玉野では、場内に全国初となる選手宿舎と一体となったホテルが開業した[13]。
2023年より、「報道関係者と選手・自転車との接触トラブルを避けるため」という理由で検車場内での取材・撮影を禁止する「ミックスゾーン」の制度ができた(そのため、現在は選手の写真はガッツポーズだけ、など味気ないものになっている)[14]。
2024年3月時点で、地震による施設損壊により熊本にてバンク周長の縮小も含めた全面的な改修工事が行われているほか、多くの競輪場でスタンドを中心に老朽化が進行していることから、本場開催を長期間休止した上で施設改善を行う競輪場が出てきている。同月時点で、防府、広島、佐世保にて、スタンド建て替えとともに大規模な再整備が行われている。このほか、久留米においても今後スタンド建て替えなどの大規模改修工事が計画されている。 競輪における地区の分類は、かつての日本自転車競技会合併発足以前における各自転車競技会の管轄地域に拠るものであり、一般的な地方区分とは異なることに注意。競輪場以外の日本における自転車競技場については「自転車競技場#日本における自転車競技場」を参照 「やひこけいりん」「かわさきケイリン」「たちかわ競輪」「函館けいりん」など、ロゴではひらがな表記している競輪場の方が多い。 現在は全43場がある[18]。太字は同一の都道府県内に複数の競輪場がある都道府県で、数字は同一の都道府県内にある数。()は各地区で競輪場の無い都道府県。東西分けについては、高松宮記念杯競輪においての区分。 計東 18
防府では、2022年11月7日以降、2024年11月までの予定でスタンド建て替え工事を実施中。
広島では、市民がスポーツやレジャーを楽しめる複合施設に再整備する計画を打ち出しており、2021年度中に競輪場の建て替えとともに事業運営を委託する民間事業者を公募し契約を結ぶ方針を示した[15]。その後2022年1月7日に株式会社チャリ・ロトが民間事業者として選定された[16]。2025年4月再開予定。
佐世保では、2022年12月より既存のスタンドを解体のち建て替えし、2024年12月に改修を完了する予定である。計画では、メインスタンドの収容人数は3100人から800人に規模を縮小する一方、競輪場周辺に市民向けの施設を整備する予定である[17]。なお、佐世保では本場開催は休止しておらず工事と並行して行われている。
競輪場の一覧
地区の8区分「競輪#都道府県コード」も参照
北日本3北海道青森福島(秋田)(岩手)(山形)(宮城)
関東8新潟群馬栃木茨城埼玉 2東京 2(山梨)(長野)
南関東7千葉 2神奈川 3静岡 2
計西 25
中部7富山愛知 2岐阜 2三重 2(石川)
近畿5福井京都奈良大阪和歌山(兵庫)(滋賀)
中国3岡山広島山口(鳥取)(島根)
四国4香川徳島愛媛高知
九州6福岡 2佐賀長崎大分熊本(宮崎)(鹿児島)(沖縄)
一覧
左から2番目の二桁数字は、場番号(電話投票番号)。
所在地の太字は主催者。
重勝式投票:K - Kドリームス(17場)、L - チャリロト(17場)、O - オッズパーク(4場)
レース開催時間帯(2023年度?2024年度上半期)[19]:モ - モーニング競輪、デ - デイ(※は、G3記念競輪のみデイ開催)、ナ - ナイター、ミ - ミッドナイト競輪
12青森青森青森市400 ⇒Oモデナミ★もりんトワイライトレース 「Jomon Bank」「みちのく競輪」
13いわき平福島いわき市400Lモデナミ★エキサイティングナイター 「空中バンク」
2関東21弥彦新潟西蒲原郡弥彦村400 ⇒Kデナミ★伊夜日子(いやひこ)マジェスティックナイター 「Dream Bank」※日本で唯一の村営公営競技場。
22前橋群馬前橋市335Kデナミ★ドームナイトレース ※屋内型。現行競輪では日本最大のカント(36°)。「日本トーターグリーンドーム前橋」
24宇都宮栃木宇都宮市500Kモデナミ★ RAIZINナイトレース500 「 BANK(雷神バンク)」「風のワンダーランド」
23取手茨城取手市400Kモデ「楽天ケイドリームスバンク取手」「砦の森のバンク」