離散化するには、 k = 0 , … , N − 1 {\displaystyle k=0,\ldots ,N-1} に対して、 x = k / ( N − 1 ) {\displaystyle x=k/(N-1)\,} と、 x = ( k + 0.5 ) / N {\displaystyle x=(k+0.5)/N\,} の2種類の方法があるが、特殊な用途を除き、どちらでも大差はない。また、初めから k {\displaystyle k\,} に対する関数 w ( k ) {\displaystyle w(k)\,} や系列 w k {\displaystyle w_{k}\,} を表す資料もあるので、注意してほしい。
グラフは、 x = k / ( N − 1 ) {\displaystyle x=k/(N-1)\,} と離散化したときの、窓関数自身と、DFTで求めたパワースペクトルである。
代表的な窓関数
矩形窓矩形窓
rectangular window。方形窓とも。
単に有限長のデータを用意しただけのとき、暗黙のうちにこの窓関数を使っている。理論上、周波数分解能は最も良い。
w ( x ) = 1 , if 0 ≤ x ≤ 1 {\displaystyle w(x)=1,\ {\mbox{if }}0\leq x\leq 1}
ガウス窓ガウス窓
Gauss window。ガウシアン窓 (Gaussian window) とも。
ガウス関数のフーリエ変換は再びガウス関数になる(フーリエ変換の固有関数である)。ガウス関数は無限に広がるため、実用上必要な長さまでで計算を打ち切る必要がある。無限に広がる窓関数を不連続に打ち切った場合、矩形窓を掛けた事になり、通過帯域と阻止帯域にリップルが発生し、サイドローブも大きく上昇する。主に、ガボール変換 (Gabor transform)や連続ウェーブレット変換で使われる。
w ( x ) = exp ( − x 2 σ 2 ) {\displaystyle w(x)=\exp \left(-{\frac {x^{2}}{\sigma ^{2}}}\right)}
ハン窓ハン窓詳細は「ハン関数(英語版)」を参照
hann window(hannは人名由来だが、慣習的に小文字で書く)。フォンハン窓 (von Hann window)、2乗余弦窓、raised cosine windowとも。ユリウス・フォン・ハン(英語版)が考案した。ハン窓及び後述のハミング窓は、後の研究で後述する一つの関数族「一般化ハミング窓("raised cosine" または "generalized Hamming" 窓)」に分類されたため、ハン(Han)とハミング(Hamming)両名の名前から合成された「ハニング窓(hanning window)」という呼び方でハン窓を指す場合もある。
最もよく使われる窓関数の一つ。
w ( x ) = 0.5 − 0.5 cos 2 π x , if 0 ≤ x ≤ 1 {\displaystyle w(x)=0.5-0.5\cos 2\pi x,\ {\mbox{if }}0\leq x\leq 1}
ハミング窓ハミング窓
hamming window(hammingは人名だが、慣習的に小文字で書く)。ハン窓の改良版として、リチャード・ハミングが考案した。
ハン窓と並び、最もよく使われる窓関数の一つ。ハン窓より周波数分解能が良く、ダイナミック・レンジが狭い。区間の両端で不連続なのが特徴。 ジョン・テューキーが考案した。コサイン関数を用いて以下のように表される[4]。 w ( x ) = { 1 , x ≤ L x 2 − x w 1 2 − 1 2 cos ( π ( x − L x 2 ) x w ) , L x 2 − x w < x < L x 2 0 , x > L x 2 {\displaystyle w(x)={\begin{cases}1,&x\leq {\frac {L_{x}}{2}}-x_{w}\\{\frac {1}{2}}-{\frac {1}{2}}\cos \left({\frac {\pi \left(x-{\frac {L_{x}}{2}}\right)}{x_{w}}}\right),&{\frac {L_{x}}{2}}-x_{w}<x<{\frac {L_{x}}{2}}\\0,&x>{\frac {L_{x}}{2}}\end{cases}}}
w ( x ) = 0.54 − 0.46 cos 2 π x , if 0 ≤ x ≤ 1 {\displaystyle w(x)=0.54-0.46\cos 2\pi x,\ {\mbox{if }}0\leq x\leq 1}
テューキー窓